七風です!前回からかなり差が開いてしまい申し訳ないです💦
今回はケーキバースで少し本来の設定と変えているところが有ります!
────────────────────
腹から腕まで瞳は残して
味覚がないのは思ったよりも辛いことで
甘いも苦いもない食事はただただ嫌いなことだった
焼いた肉はゴムを噛んでるみたいで野菜は紙を食べてるみたい
何も美味しくなんてないけど食べないと生きてけないから
この世界はフォークとケーキと一般人に分かれてて
フォークが下に見られてケーキが上に見られる
犯罪者予備軍だからと言われまともな生活はケーキや性無しの人に阻止される
ケーキや性無しの方がよっぽどなのにフォークがケーキを襲ったら世間からすごい批判される
「君ないとくんだよね」
「行こっか」
味覚がなくても食べないと生きてけないし
食べるためにはお金がいる
いつもいつも身体を売ってその日その日を生きてきた
ベットの上に俺と白濁と金
それが2日に1度
辛いなんてもう通り越してたと思う
フォークに人権はないみたいに扱われ捨てられる
殴り蹴って首を絞めてそれでも飽き足らず火のついたタバコを押し付けたりする
「根性焼き根性焼きw」
と笑いながら身体の色んなところに押し付けていく
相手が帰ってから泣きながら相手後がばらまいたお金をかき集める
掌に落ちる水はなんと汚いことか
こんな生活が一体いつまで続くのだろうか
ビルの屋上
生きるのは辛くてしんどいけど死ぬのも怖くて踏み込めない
生きるも死ぬも下手なやつだと思い知らされる
細い路地裏に差し込む光とガヤガヤとした人の声は怖くて気持ち悪くてその場に胃液を吐き出した
光がスっと遮られ声をかけられる
「大丈夫ですか」
こんな奴に話しかけるなんてどんな物好きだ
顔ぐらい見てやろうと上を向いても下しか見れないそのまま視界がぐにゃりと歪んだ
「起きた〜
腹減ってん?」
ズキズキと痛む身体を抑えながらおきあがる
さっき聞いた声だ
「だれ…」
精一杯出したつもりでもかすれた声しかでなくって
「確かにこんな怪しいやつ信用ならんよな笑」
「俺いふ まろって呼んでや」
いふというらしいその人は目も髪も海みたいな深い青色をしていた
「俺フォークだよ…?それにあんたケーキでしょ食べられるよ」
「フォークなん?ほえ〜確かにちょっと怖いけどこんなボロボロな奴に食われる気しんわ」
「な、ハンバーグ作んの手伝って」
「…なんで蓋ダンボールなの?」
「………おだまり」
できた〜!と言いながらハンバーグを食卓に持ってくる
匂いはするけど味はしない
きっとこのハンバーグを食べても変な食感が口に残るだけだ
「あ!フォークって味覚ないんよなぁ…」
「そうだよ、だから今嫌味かって思ってる」
「え、あ…そうなるやんごめん」
1口彼の皿から奪い口に入れると肉汁が出てデミグラスソースが絡んでとても美味しい
なんて感想が出てくるまでもなく吐いた
そしてもう一度彼の皿から奪い口に入れて食感が気持ち悪いから吐いた
「え?ん?いやがらせですか???
あんたにも皿あるよね????」
変な顔をしてこちらを見ている
無視してもう一度お皿に手を伸ばすとお皿を上にあげて
「やめてッッッ」
「そういえば君お名前は〜?」
「…名前、」
あるにはあるけど 汚れに汚れまくった名前だ 言いたくない
「あ〜…言いたくない的な感じ?」
小さく頷くと
「じゃあ名前が無い子でないこ!」
「え」
名前が前と似てるから拭いきれないものがあったけど何となく気に入って
「俺ないこにする…!」
「役所に改名届けだしてくるね!」
「ん?え?ちょ、ちょっとまて」
流石に朝になってから行こうと夜中の1時の部屋の中で言われた
まろと過ごすのは楽しかった
今までのことが全部忘れられた
だけど親しくなれば親しくなるほどどんどんまろが美味しそうに見えてくる
頭を抱えたこれはいけないことだと
食べたいなんて言ったらきっとどこかに行ってしまうまた捨てられてしまう
だけど我慢なんてできなかった
まろが寝着いた夜中に見えないとこを噛んで血を飲んだ
美味しかったとてつもなく これが美味しいというのかと思った
1度やると止められない血や唾液 精液などを飲んだ爪や髪を食べた
「ないこ」
バレた首筋を噛もうとした時だった
ヌルッとした気持ち悪い汗が身体中に流れた
「食べてええよ」
「はぇ、?」
「食べてええけどないこも一緒に死んでな」
「でも痛いのはやだからまず殺して」
つらつらと並べられる言葉
普通こういうのは嫌なのではないのか
痛いのはやだとかそういう問題では無いだろう
けど本能には逆らえないもので気づくと包丁を持って彼を刺した
腹に頭に足に腕に
青くなくなった彼を大切に大切に食べた
美味しかったとてつもなく
ゴムみたいなんて思ってた肉も全然そんなことはなかった
ぐちゃぐちゃと気持ち悪い音がする
全部が全部甘くて美味しくて
気づくと骨と目玉ひとつ残して全部食べていた
周りには真っ赤になったシーツに床に
自分の手や口
目玉は記念に残しておこう
とても綺麗な色だから とても綺麗な瞳だから
────────────────────
フォークが嫌いだった
母がケーキで父がフォークで父は母を食べた
現場に居合わせてしまい一生もんのトラウマを植え付けられた 母方の祖父母はどっちもケーキだったからそこに逃げ込んだ
父がどうなったのかなにも教えてもらってもないし知りたくもないから何も知らない
大きくなって高校に入った
中学ではあまり気にされなかったが高校に入りそれが一変した
ケーキだと言うと完全に下心ありのことしか無かった
ケーキだからと好きなものを沢山与えられた
俺をケーキと知る人は俺を敬い尊敬していると言った
気持ち悪い 媚びを売っているだけだ
その時ぐらいからだろうかケーキやフォークというこの性別がとてつもなく気持ち悪く感じた
そんな生活がとても窮屈に感じて大学は俺のことを知らないような遠いところに行った
数年後に就職したが ケーキが職場にバレるとまたもやあの気持ち悪い媚び売りが始まった
上司も俺を特別扱いしたやめてくれと言っても聞いて聞いてないようなものだった
ずっと死にたかった
どこに行っても結局は変わらない
生きるのは苦しく気持ち悪いけど死ぬのも怖くて踏み込めない
生きるも死ぬのも下手なんだと思い知らされる
生きるのは苦しいからだろうか、何か死ねる意味を見つけたかった
死ぬのは怖いからだろうか、何か生きる意味を見つけたかった
自分でも物好きだと思う
路地裏で吐いてた男に声
直感でフォークだとわかった
こいつを拾えば生きるも死ぬのもできると思った
「大丈夫ですか」
できると思ったから声をかけた
そして今俺の願いが叶いそうだ
ないこのおかげで生きる理由ができた
ないこのおかげで死ねる理由ができた
死ぬことにこれっぽっちも未練はないからないこに言った
「食べてええよ」
「はぇ、?」
間抜けな声を出して理解出来ないと顔に書いている
「食べてええけどないこも一緒に死んでな」
「でも痛いのはやだからまず殺して」
つらつらと並べられた言葉
これほどこだわりはなかったけどやっぱ死ぬならこんぐらい欲張ってもいいだろう
返事がなかったから無理だと思うと
腹の方に痛みがした次に頭
ありがとね なんて思いながら食べられるのを楽しみに待った
コメント
2件
好きですッッ! もう180°回って愛してますッッ(?)