贈り物

拝啓太宰治

久しぶりだな。元気にしてるか?否、手前が元気とか最悪だ。

俺の気分は今最高だ。手前が居なくなってから清々しい。嫌がらせもねぇし、邪魔されることはねぇ。生まれ変わった気分だ。

だけどよ、時々その物足りないんだ。手前が居た時はうぜぇし、五月蝿いし、邪魔で邪魔で仕方なかった。でも、退屈はしなかったんだ。そう思って気付いたとき俺は自分を殴ったさ!あんなに忌々しかった手前が、俺の中でとんでもなく大きな存在になってたんだ。

腹が立ってしょうがねぇ。うざい。何故、手前は居なくなった。どうしてだ。なぁ。

今更そんな理由知ったって意味ねぇのは判ってる。だとしてもだ。納得行かねぇ。できるわけがない

なぁ。太宰。そっちは楽しいか?退屈か?少なくとも俺は今ここが退屈だ。だから待ってろ今すぐそっちに行ってやる。

手前が。最後に生きろと云った。

俺からの最後の嫌がらせだ。

ハッピーバースデー、太宰