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「……もう、お車の運転はされないんですか?」
お茶を一口飲んで、ふと尋ねた。以前に運転をされなくなった辛い理由は伺っていたけれど、愛車のベントレーを大事にしていたり、今日みたいにドライブを愉しんでいたりと、実は車に乗りたい思いもまだあるんじゃないのかなとも感じた。
「そうだな……今もまだ、免許は持っているんだが」
「免許を持っていられるんですか?」
カップの残りをごくりと飲んで聞き返す。
「ああ、車の運転を自分ではしないようになっても、免許を返納する気にまではならなかったんだ」
「それなら、少しだけ乗ってみませんか? ここでしたら、他の車もそんなに通らないですし」
「えっ……」
と、蓮水さんが驚いた顔つきになる。
「久々だと気持ちがいいはずですから」
「そうだろうか?」
「はい、もしよかったら」と、彼に頷いて返すと、
「では、乗ってみようか」
と、蓮水さんが運転席に乗り込んだ──。