コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「あいつまじ殺す〜!!あの腹黒女、覚えときなさいよっ…」
「まあまあ落ち着いてよ。彩。とりあえず都月さんが来るまで待…」
「あーあ、まるでやってらんないねー。一体何人を殺せば終わりが見えるんだか。宣戦布告まで来ちゃってさぁ」
「岸。それはしょうがのないことです。それを承知で入ったはず。違いますか?」
「…」
「だから都月が来るまで静かに待てないのですか?あななたちは」
「リリーさん…お気持ちはわかりますけど、私は早く拷問に戻りたいです…」
マジカルシークレット最上階、通称『暗闇の会議室』。ここは、通常、教官とトップの都月だけが入ることを許されている。開かずの間…一部ではそう言われている。
キィッ…と、扉が音を立てて開いた。
「!!」
教官たちの視線が一気に扉へと向かう。扉を開いて出てきたのは、もちろん都月。
「少し遅くなってしまってごめんね。こんな夜まで待たせてしまって。みんな疲れてるのに…」
「いえいえ、私、都月様のためなら何時間も待ちます!」
「…」
あからさまに態度変えやがって…と岸は彩を睨む。
「じゃあ、会議を始めます。まず、イポクリジーアのことについて。静野魅麗が言った通り、彼らは約半年後のハロウィーン…つまり10月31日にマジカルシークレットを潰しに行くという情報を入手した」
「…それで、私たちは何をすれば?」
「それはまだ、現時点では何も…けれど、絶対にマジカルシークレットが潰れないよう、対策を考えなければならない」
「確かに仕事がなくなったら困るよなー」
「そうね。拷問もできなくなるし…」
「いや拷問はしなくても別にいいでしょ」
「こちとら拷問が仕事なわけ!!」
「まあまあ。落ち着いて、岸、鶫。イポクリジーアに負けないためには、組織全体の攻撃力を上げなければならない。もちろん防御も大事だけど。だから…」
「新人を育てろってことですわね」
「そう、その通り。各教官には、各科の新人たちを育て上げて欲しい」
都月の言葉をそのまま受け入れた教官たちは、「はい」と返事をする。
「じゃあよろしく頼む。彩はまたイポクリジーアのことを調べてね」
「はいっ!!」
「よし。あと岸。後輩に優しく教えること。あと鶫は拷問控え…」
「何も聞こえません」
「…う、うん。ひらりは新人の育成に手を入れて。普通科がまずやらないと。リリーは守り…護衛から何人か門番とかつけてくれる?」
「はい。すぐに手配いたしますわ」
「わかった。彼岸花は闇魔法に対抗できるような魔法、あと強力な結界を作ってね。新人の魔法修行にも、手を入れて」
「はい。承知しました」
うん…と都月は周りを見渡す。
「じゃあ今日はこれにて解散。あ、もう19時だ。戸締りして帰ろう…」
「そもそも都月さんって家あるんですか?」
「なっ!失礼なーっっ!!」
彩が机をドンと押す。
「えーっとね…いちお、あるにはあるよ。うん。でもリリーの家でお世話になることが多いかも」
「家なき子…??トップがそんなんでいいんですか…??」
「いや、あるんだけどね!あるんだけどね…」
「ほんとにですかー?」
「あるよ?住所教えよっか?」
「教えてくださいー!!破壊しに行こう!」
「岸。それはやめて。じゃあやっぱ教えなーい。さ、帰ろー」
「はぐらかした…」