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死んだかも( ˙-˙ )
あ〜……無理、好き
千星 「ちょっ、 聞こえてんの、ゼノ!? 」
無言で私の腕を引っ張り、 どんどん先に進む。
話なんかまるで聞いてない。
そんな光景に私は自分のやったことを思い出し、少し心配になる。
もしかしたら、…ゼノが潔癖症で人の肌触るのが嫌なタイプとかだったらやべぇな、…と 色々なことを考えていると、1つの扉の前で立ち止まる 。
千星 「 ゼノ ? 」
ゼノ「…すまない 。 少し取り乱した、 」
漸く 口を開いたのでほっと胸を撫で下ろす。
ゼノが扉を開き、視線でこちらに入れと促してきたので、ひとまず部屋に入る。
その部屋は、ベットや机、書類 が置かれていた、実験室にはまるで見えない。
千星「 実験室に行くんじゃなかったのか 、?」
そう問えば、
ゼノは「 少し気分が変わってね 」と一言だけ発し、そそくさと部屋の中に入り、ベットの縁に座る 。
ゼノ「 千星 。 こっちに来てくれ、 」
一見、いつもの口調で話しかけてきているように聞こえるが 、私には分かる。
若干トーンが低い、そして声が少しだけ震えている。
そんな彼を見て 、やっぱり何か気に触ることをしてしまったか、謝った方がいいのか、そう考え乍 言われた通り そちらに近づく。
その瞬間 腕を引っ張られ、前屈みになってベットに倒れ込むと同時に、ゼノを押し倒す。
千星「った、…” す、すまん…大丈夫、? 」
間一髪のところで、腕で自身の体重を支え、ゼノにのしかかるということは無かった、
本当はそんな行動をしたゼノに怒鳴りたかったが、まずは怪我をしていないかだけ心配をする。
ゼノ「おぉ、僕は大丈夫だ。千星、君は 昨日の走りと言い、やはり反射神経や運動神経はいいのかもしれないな 。」
と、余裕そうに今の状況を分析してる。
そんな彼を殴ってしまいそうになるが、一旦心を落ち着かせ、ゼノから離れようと立ち上がろうとする。
すると、押し倒してしまったゼノに後ろから抱きつかれる。
千星「は、!? え、ゼノ 何してっ、… 」
ゼノ「おや、嫌だったかい? と言っても離す気は1mmもないがね 、」
案外力が強いのか、抜け出そうとしても抜け出せない。元NASAの科学者が、14歳の平凡な女子に こんなことするとは思えない。
ゼノの行動に先程みたいに困惑しては、一応こんなことをした理由を聞く、
千星「 ……なんでこんなことしてんだよ 、ゼノは ? 」
ゼノ「…逆に僕が普段から 女性にこんなことをすると思うのかね? 」
…いや問いを問いで返されてもわかんなないし、ゼノのことなんだから、さっき会ったルーナやシャーロット、マヤにはあんなことしないだろ。
なんて考えていれば、もう頭が回らず パニック状態に陥る。
自分が焦っていると 、ゼノは先程よりも強く私を抱きしめる。
何故か私はそこに安心感を抱いてしまった。
ゼノ「一種のパニック障害に なっていそうだったが、 大丈夫かい ? 」
千星「あ、あぁ…ひとまず大丈夫だ、 ありがと。 」
原因はゼノにあるが、もう怒る気力をないので、ただ彼の腕の中で大人しくする。
暫く無言だったが、ゼノが呟くように 言葉を発する。
ゼノ「僕も、まだこの気持ちに整理が追いついていないんだ 。こんなことを急にしてしまってすまない、… 」
少し反省しているのだろうか、英語の発音が 暗く聞こえる。
私はそれよりも、この気持ち…? とそのゼノの発した一言に疑問を抱き、つい聞いてしまう。
千星「 別にいいんだけど 、この気持ちってどういうことだ、 」
そう聞けば、彼は言いずらそうにした後、私の後ろの髪に顔を押し付けて 、ゆっくりと話し出す。
ゼノ「ふむ…千星 、君と初めて会った瞬間から 、僕は君に心を惹かれていたのかもしれない、という事だよ 。 」
千星「…? 回りくどい言い方だと分かんねぇんだけど 、 」
私はまだ疑問を抱いたままだった。
ゼノが溜息をついたと思ったら、首元に顔を近づけられ、暖かく、そして柔らかい感触を感じた。
その行動が私には見えず、ピクっと身体を反応させるが、その正体がなんなのかも分からない。
そんな私の様子を見て 、考えた素振りを見せ乍ゼノは言った、
ゼノ「どうやら 、僕は 君を好きになってしまったようだ 、 」
千星「… はぁ !? 」
そんな発言に思わず驚き、叫んでしまう。
漸く 意味がわかった私は、林檎のように顔を赤らめる。
ゼノ「 僕は今まで恋愛脳なんか分からなかったし、合理的では無いと考えてきたからね。でも君の頬に自分の手が触れた時、心拍数が高まり、心臓が締め付けられるような痛みに陥ったんだ。それで……… 」
千星「 stop!! そ、それは わかった…けど、私もわかんねぇし、…なんて返せばいいかも、…」
なんて自分らしくない、小さな声でぼそっと呟き乍 、顔を隠す。
鼓動が早い 、身体に熱を持ってる気がする。
もう分からねぇ、…いっその事、ここから走って逃げてしまおうか。
そんなことを考えていたら 、目の前のドアがキィ…と音を立てて開く 。
私とゼノは扉を開けた人物を見た瞬間目を見開いて驚くと同時に、冷や汗をかく。
その 扉を開けた男は、煙草をふかし、こちらを細く、鋭い目で見つめ乍 、低いハスキートーン で話し始める、
スタンリー「…へぇ、チセ 。俺との予定を無視してゼノとイチャイチャしてんの ?やんじゃん。 」
笑っている顔が、恐怖じみていて身体が震えそうになる 、
言葉を発することが出来ず、ただその状況を唖然と見てることしか私にはできなかった 。
この後 、 私は この大人2人に振り回されることとなる。