樹side
病院の中に入って来たけど、さっきから北斗が俺の腕を掴んでピッタリくっついてんだよ。
可愛いけど、ちょい動きづらい。
大我「ねぇなんで病院なんか来たの?」
あっ、きょもまだ分かってないみたい。
優吾「健康診断かな?」
慎太郎「毎年やってるでしょ?」
大我「うん」
確かに毎年健康診断もやってるけど全然時期が違ぇのに、納得しちゃうんだ。
きょも素直すぎない?
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病院内に入って15分ほどで呼ばれたから二手に分かれて診察室に行く。
俺は北斗と慎太郎と、隣できょも、髙地、ジェシーが受ける。
医者「じゃあ誰からやりますか?」
慎太郎「どうしよっか?北斗最後にする?」
樹「だな。じゃあ慎太郎からお願いします」
医者「分かりました」
慎太郎がやってるのも見て北斗があからさまに嫌がり始めた。
北斗「ほっくんやんないよ?」
樹「嫌なの分かるけど、やるんだよ」
慎太郎「次、樹。北斗俺んとこおいで」
北斗「ぅん」
北斗を慎太郎の所へ預けて、俺が受ける。
医者「よし。じゃあ最後北斗くん頑張ろっか」
北斗「やぁ、ウルウル」
俺らが毎年お世話になってる医者だから北斗のペースに合わせてくれんだけど、
俺の後ろに隠れて離れようとしない北斗。
すると、隣から“やだやだやだ!”って声が聞こえて来た。
北斗「ビクッ…じゅいかえるぅ、グスッ」
隣の声を聞いて余計に嫌になったか?
慎太郎「北斗さっき約束したよ?頑張ろ?」
北斗「やぁら、グスッ」
医者「北斗くん注射しないから、ここの椅子においで?」
医者が前の椅子をトントンッと叩いて手招きすると、“注射をしない”と言ってたからかゆっくり椅子に座った北斗。
医者「北斗くん、樹くん達とお約束したの?」
北斗「うん、グスッ」
医者「何のお約束したの?」
北斗「がんばっちゃら、グスッ、あいしゅとらっこしゅるおやくしょく、グスッ」
医者「いいねぇ。じゃあ先生からもご褒美あげようかな?」
北斗「にゃに?」
医者「お楽しみ!頑張ったら分かるよ?どうする、頑張ってみる?」
北斗「………ぅん」
おぉ!北斗が受けるって!偉いなぁ。
北斗「じゅい、おてて」
樹「はい」
北斗の注射する方と反対の手を握ってやると少し震えてるのが分かった。やっぱ怖いよな。
医者「じゃあ、いくよ」
その合図で北斗に注射器が打たれた。
北斗「い”だぁぃ、うぁぁぁん」
医者「終わったよ」
慎太郎「北斗凄いじゃん!出来たよ!」
樹「偉い偉い」
泣きながら俺に抱きついてくる北斗。俺はたくさん頭を撫でてあげる。
医者「北斗くん頑張ったね。はい、ご褒美」
そう言って手渡してくれたのは北斗が好きな飴だった。
樹「北斗良かったな。ありがとうは?」
北斗「グスッ、あーと…うぁぁん」
それどころじゃないな。でも、ちゃんとお礼言えて偉い。
泣き止みそうにない北斗を約束通り俺が抱っこして診察室を出た。
ー続くー
コメント
1件
一応いいね数松村北斗の誕生日にしときましたwマジで北斗可愛い😭