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わたくし…、「バレッティーノ・K・リデン」は。今、ものすごい嫌なものを見せられているのですわ。執事の「クタ」こと「クダクタ・ミルド」は私たちの身の回りのお世話をしてくれるのだけれど。私の兄「チャルチョメル・K・リデン」は、なんというか…。ヴェールさんのことをすごく大好きなご様子で…。今日もその事でクタと揉めあってますわ…。これはその朝の出来事なのです。
「チャルチョメル様、何をしているのであるか?」
そうして、朝。吾輩がいつも起こしに行くのであるが。我が主はどうも朝の寝起きが悪いらしい。しかし今日は電気が着いたままのようである。さてはまた…
「やぁ、クタ。僕の愛しのヴェールちゃんを見てただけなのだよ?」
平然なドヤ顔で鼻血を流されながらこちらを見られても、褒めないのであるよ!!!???とツッコミを入れたくなる。昔のとある一件で、我が主は見事にヴェール様の虜になってしまったのである。さすがにこれは一国の王子の所業とは思えないのである。ここは一言…。
「チャルチョメル様、お言葉であるが。もう少し自重して欲しいのであるよ?」
とチャルチョメル様の望遠鏡を塞ぎ顔を鷲掴みにし、顔を近づけて言った。吾輩はこれでも元はこの方の幼なじみなのである。さすがに、これ以上は看過できないのである。
「いやぁ、ヴェールちゃん。可愛いんだもぉん♡」
…。ダメであるな…。これ以上言っても何もこの人は、響かないのである…。でももう少し行ってみるのである。
「だからって、見すぎなのである」
と言うと、我が主は頬を膨らませ。まるでフグのような頬になってしまった…。
「いいじゃん!僕の愛しのお嫁様!あの子のお父様だって認めてくれたのだよ?」
そう、それは。ヴェール様のお父様と契約する際に買わされた盟約なのである。いくらなんでも可哀想なので。吾輩も拒否したのであるが…。あのことお父様は写真まで見せてきたのである。最後に撮った写真…、だと…。
「一応、あの方には幼なじみがいらっしゃるのであるよ?」
そうして反抗するも。
「それは重々承知の上なのだよ。その上で、僕だけを見てもらうように計画を立ててるのだよ。」
どうやらだいぶ、…というかかなり。あの方に熱心なようだ。しかしこの方…。
「吾輩が言うのもおかしいのであるが、チャルチョメル様…。愛が重すぎるのであるよ…」
と否定するが、少し吾輩が言うのもおかしい気がした。吾輩だって、バレッティーノ様命のようなもの。だが貴族と庶民など付き合うのもおこがましい。ただ、ヴェール様は公爵家の出。一応は、ギリ釣り合っている。ただこの方、不死身な上に。だいぶ、愛が重すぎて56してしまうことが多々ある。それでも懲りずに誰かに恋をして、付き合って。56してしまう。そんなこの方、あの方は貰ってくださるのであるか?
「なんとでも言うがいいさ!僕はヴェールちゃん一筋なのだよ!」
とうとう開き直ってしまった…。
わたくしはそんな会話を聞きながら。クタの心を読んでいた。そう、私の愛しのクタくん♡
おっといけない。わたくしはまともでいなくては。
「わたくし…何を見せられているのかしら…」
と声を漏らした。
これがスパイの上層部の日常。