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告白した次の日。学校を休もうか、本気で悩んだ。
スマホのアラームを止めて、天井を見る。
昨日のことが、何回も頭の中で再生される。
🐧「……最悪」
あんな顔、させたかったわけじゃない。
困らせたかったわけでもない。
ただ、限界だった。
それだけだ。
⸻
結局、いつも通り制服を着て、学校へ向かった。
でも、足が重い。
教室の前に立った瞬間、息が詰まりそうになる。
――普通にしろ。
そう思って扉を開けた。
「おはよー」
「眠っ」
いつもの騒がしさ。
その中に。
🐬「……まなと」
声が混ざる。
反射的に視線を向けると、そうたと目が合った。
心臓が跳ねる。
昨日とは違う。
でも、どこか落ち着かない顔。
🐧「……おはよ」
短く返して、自分の席に座る。
視線を感じる。
でも、見れない。
怖い。
「え、なんか空気やばくね?」
誰かが小さく言った。
やめろ。
気づかないでくれ。
⸻
授業中。
全然集中できない。
ノートを取るふりをしながら、視線を落とす。 すると、不意に机の横を軽く叩かれた。
見ると、小さく折られた紙。
心臓が嫌な音を立てる。
『放課後、話せる?』
見慣れた字。 そうただ。
🐧「……っ」
思わず紙を握る。
なんだよ、 昨日で終わりじゃないのかよ。 これ以上、何話すんだ。
断ろうか迷って、 でも結局。
『少しだけなら』
そう書いて返した。
⸻
放課後。
人の少なくなった廊下。
約束したくせに、帰りたくて仕方ない。
🐧「……帰りて」
小さく呟いた時。
🐬「まなと」
また、その声。
ゆっくり振り返る。
そうたは少しだけ緊張した顔で立っていた。
昨日みたいな強い表情じゃない。
どこか、迷ってる顔。
🐬「……少し、歩かね?」
断れなかった。
⸻
並んで歩く帰り道。
なのに、前みたいに自然に話せない。
沈黙が痛い。
🐬「……昨日」
そうたが口を開く。
🐬「悪かった」
予想外の言葉に、思わず顔を上げる。
🐧「……は?」
🐬「いや、なんか」
困ったように頭をかく。
🐬「ちゃんと聞いてなかった気がして」
胸が少しだけ苦しくなる。
やめろ。
優しくするな。
🐧「別に」
🐬「別にじゃねえだろ」
即座に返ってくる。
少しだけ、昔みたいなテンポ。
それだけで、心が揺れる。
🐬「俺、昨日マジで混乱してて」
視線が前を向く。
🐬「急に言われたから、とかじゃなくて」
🐬「なんつーか……」
言葉を探してる。
そんなそうた、初めて見る。
🐬「お前が俺のこと、そんな風に見てたって」
🐬「全然気づいてなかった」
そりゃそうだろ。
気づかれないようにしてたんだから。
🐧「気づかれたくなかったし」
小さく返す。 そうたが黙る。
しばらく歩いて、 ぽつりと呟いた。
🐬「……でもさ」
🐬「昨日から、ずっとお前のこと考えてる」
心臓が止まりそうになる。
🐧「……は」
思わず変な声が出る。
🐬「いや、違っ」
焦ったようにそうたが言う。
🐬「そういう意味とかじゃなくて!」
その言葉に、少しだけ胸が痛む。
分かってる。 期待するな。
🐬「ただ、なんか……変なんだよ」
🐬「今日もお前避けてたらどうしようとか」
🐬「会ったらなんて言えばいいとか」
🐬「気づいたら考えてて」
困ったみたいに笑う。
🐬「意味わかんねえ」
……それはこっちのセリフだ。
そんなこと言われたら また期待する。
🐧「考えなくていいだろ」
できるだけ平坦に返す。
🐧「彼女いるんだし」
その瞬間、そうたの表情が少し曇った。
🐬「……そうなんだけど」
歯切れが悪い。
なんだよ、それ。 やめろ。
中途半端に揺らすな。
🐧「だったら、もう」
終わりにしよう。
そう言おうとした時。
🐬「でも、お前失うの嫌だ」
真っ直ぐな声に 足が止まる。
そうたも立ち止まった。
🐬「昨日、帰ったあと」
🐬「このまま話せなくなんのかなって考えたら」
🐬「なんか、めちゃくちゃ嫌だった」
胸が痛い。 嬉しくて。 苦しくて。
どうしようもない。
🐧「……親友だからだろ」
逃げるみたいに言う。
でもそうたは、少し黙ってから。
🐬「……それだけなのかな」
小さく、そう呟いた。