「いや、近づくな言われても…あっちが近づいてくるんだけど…」
翼くんにも一条様を信用するって、言っちゃったけど少し引っかかるところがある…
こんなベストショット、ここでキスするよ〜って知らされてたみたいな…知らなかったら、撮れないと思う
しかも、一条様もどうして校門の前でしたんだろう…暗くて誰にも見られてないとは僕も思ってたけどさ…やっぱり…一条様が別れたいって思ってるけど、何かに利用したいとか?それとも別れられない理由があるとか?
僕を恋人にして、信頼しといて殺すため?そういう悪趣味!?
優しかったのもそういう事…!?だ、騙された?
「ゅず!ゆず!おい!ゆず!」と遠くからかおりくんの声が聞こえてきてだんだん大きくなる
「浮かない表情?浮いてない表情?よくわかんないけど、ゆず!!顔面蒼白だったぞ!顔面蒼白…?」
「あ、うん…ありがとう」
なんだか、一条様に裏切られた気持ち…
これを見せても、しらばっくれるだけだろうし…翼くんに相談してみるか…
今日は、お昼に一条様が来なかったので、ササッと食べれて、翼くんのところに聞きに行った。もちろん、かおりくんも連れて
そういえば、唯くんは、運命の番さんに連れられて行ってたけ?毎回、5時間目の授業はギリギリで、来るし…制服も乱れてるし…唯くん、いつも大変そう
それを言うなら僕も大変だよね…
そして、翼くんに写真とメモ用紙を見せた
かおりくんも、翼くんもびっくり!って顔に書いてるような顔で「えっあっ…」「ええっとこれは…」
「ゆずたん…いつの間にキス!?」と聞かれたので思わず「そ、そっちーーー!?」と言ってしまった
「そっちはどうでもいいんだよ!!!この、メモ用紙のこと!」
「ん?どれどれ」と2人で読む
読み終わったあと「別にいいんじゃない?バラされたってさ!」
「ていうか!一条様の信者なら、一条様の幸せを願えよ!って感じ!」と翼くんが一言
それに、かおりくんもうんうんと同情する
「・・・あ、あと、見てもらいたい!これ、知ってなきゃ撮れなくない?ここの位置でキスしますよ〜ってさ」
「ん〜確かに…それは、否めないかも…だけど、なんで、あんなデレデレしてる一条様がこんなことするの?」
「えっと…それは…まぁ…って言うか!デレデレしてないよ!」
「またまた〜ゆずたん」と翼くんがぷにっとほっぺたを触ろうとしたところで、僕の頬に手が覆いかぶさった
「ゆずの頬は俺の特権だから、触らないでくれ」と言う一条様の声が上から聞こえた