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今作は晴明(はるあき)による死ねたがございます。地雷はゴーバック
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第1話 雨の匂い
雨上がりのこの世界は、世界が少しだけ静かになる。
佐野は、傘を閉じながら商店街を歩いていた。制服の袖は濡れ、スニーカーは水を吸って重い。
三日前、晴明が亡くなった。
家には親戚が集まり、泣き声と線香の匂いばかりが残っている。
佐野はそれが苦しくて、逃げるように外へ出てきた。
晴明は死ぬ前、最後にこう言った。
「押し入れの青い箱、開けてみてね…!」
青い箱の中にあったのは、銀色の古い鍵だけだった。
何の鍵なのかもわからない。
でもなぜか捨てられず、佐野は制服のポケットに入れて持ち歩いていた。
そのときだった。
見覚えのない路地が目に入った。
古い提灯。濡れた石畳。
そして、一軒の店。
『星屑修理店』
看板には小さな文字。
壊れたもの、失くしたもの、少しだけ戻します
「…なんだ…これ」
佐野は吸い寄せられるように扉を開けた。
カラン。
店の中には、無数の時計が並んでいた。
どれも違う時間を刻んでいる。
そしてカウンターには、白髪の人がいた。
年齢がわからない。
二十代にも見えるし、百年くらい生きているようにも見えた。そして…たかはし先生にも似ていた。
その人は読んでいた本を閉じる。
「…いらっしゃい」
その声は妙に静かで、雨の音みたいだった。
「修理? 探し物?」
佐野は戸惑いながらポケットの鍵を握る。
「……これ、知っているか」
彼は鍵を見るなり、目を細めた。
「へえ。月舟の鍵か」
「月舟?」
「珍しいもの持っているな」
佐野は眉をひそめた。
「何なんですか、これ」
彼は少しだけ笑った。
「それを知りたいなら、扉を開けてみればいい」
店の奥には、古い木の扉があった。
しんちゅうの鍵穴。
佐野は半信半疑で鍵を差し込む。
カチリ。
音が鳴った瞬間——
扉の向こうから、夜風が吹いた。
ありえない。
店の奥に広がっていたのは、夜空だった。
星が川みたいに流れている。
空の真ん中に、小さな縁側だけが浮かんでいた。
そして。
そこには、亡くなったはずの晴明が座っていた。
「…晴明?」
晴明は飲み物を持ちながら笑う。
「遅かったね!」
佐野の頭が真っ白になる。
「なんで……」
涙が勝手にあふれた。
晴明はいつも通りの顔で言う。
「まぁ、座ってよ!。せっかく来たんだから」
佐野は震えながら縁側に座った。
星が流れていく。
晴明は静かに言った。
「ここはね、“忘れられなかった想い”が流れ着く場所なんだ」
「意味わかんない……」
「うん。わからなくていい」
晴明は笑った。
「でも、佐野くんはこれから、少し不思議なものを見ることになる」
その言葉の意味を、佐野はまだ知らなかった。
・・・・・・・
お疲れ様でした。
千文字も読むって大変ですかね。
てか、皆さん神作品過ぎるし、なんでそんなネタが思い付くのか不思議過ぎる…
あっ、長話はしてないと思いたいんですけど、終わっときますね。
さようなら👋
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