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第2話 星を修理する店
晴明と再会した夜から、佐野の日常は少しずつ壊れ始めた。
翌朝。
目を覚ますと、制服のポケットに星の砂のような銀色の粒が入っていた。
夢じゃない。
学校へ向かいながらも、佐野の頭は昨夜のことでいっぱいだった。
教室では友人たちが騒いでいる。
「佐野くん、大丈夫?」
声をかけてきたのは狸塚豆吉だった。
生物部で、元気で、たまに毒舌な男の子。
「佐野くん大丈夫?顔色悪いよ?」
「大丈夫だよ。豆」
「絶対なんかあるだろ」
佐野はごまかすように豆を撫でる。
ふと、窓を見た。
空には薄い雲。
なのに一瞬だけ、“流れ星”みたいなものが昼の空を横切った。
しかも——
それは、人の声を出していた。
『たすけて』
佐野は立ち上がった。
「は?」
周囲は普通に会話している。誰も気づいていない。
狸塚だけが驚く。
「どうしたの?」
また声。
『落ちる』
次の瞬間、佐野の視界に“光る紙飛行機”が見えた。
窓の外を漂いながら、校庭へ落ちていく。
気づけば佐野は教室を飛び出していた。
「すまん!豆!」
「え、ちょっと!」
校庭の隅。
雨水のたまった場所に、光る紙飛行機が落ちている。
近づくと、それはゆっくり人の言葉を話した。
『届けたかった』
「…何だこれ」
触れた瞬間。
景色が変わった。
見知らぬ部屋。
泣きながら机に向かう少女。
書きかけの手紙。
“ごめんね”
少女は最後まで書けず、紙飛行機にして窓から飛ばした。
でも想いは届かなかった。
そこで映像は終わる。
佐野が我に返ると、紙飛行機は消えていた。
代わりに、小さな光だけが空へ昇っていく。
放課後。
佐野は再び星屑修理店へ向かった。
店の扉を開けると、あの人がいた。
「…また来たんですか」
「……今日、変なもの見たんだ」
「光る紙飛行機?」
「知ってるのか!?」
彼は紅茶を注ぎながら頷く。
「この世界には、強い想いが形になることがあります」
「意味不明すぎるんだけど」
「そういう世界ですからね」
彼は椅子に座り直した。
「ここは“未練”や“願い”を修理する場所なんだ」
「修理……」
「君には、その欠片が見えるようになった」
佐野は黙り込む。
彼は続けた。
「月舟の鍵に選ばれたから」
「選ばれた?」
「つまり、普通じゃなくなったってこと」
「最悪じゃん」
彼は吹き出した。
初めて少し人間らしく笑った気がした。
「安心してください。死んだりはしませんから」
「その言い方、安心できない」
すると店の奥で、鈴が鳴った。
チリン——。
彼が立ち上がる。
「仕事だ」
「仕事?」
「星の修理」
奥の棚には、小さなガラス瓶が並んでいた。
その中で、いくつもの光が瞬いている。
まるで小さな星空だった。
青年はひとつの瓶を手に取る。
中の光は、今にも消えそうに弱い。
「これは、“誰にも届かなかった想い”」
「……直せるのか?」
彼は静かに笑った。
「だから修理店なんだよ」
そして彼は、佐野を見た。
「手伝いますか?」
その瞬間。
佐野の退屈だった世界は、完全に別のものへ変わり始めた。
・・・・・・・・・・
お疲れ様でした。
矢張キャラが難しいですね。
途中のキャラ変は許してください
では、さようなら👋
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