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ユキ
28
別れてから、何年か経っていた。
その頃の私は、やっと前を向けていた。
歳の差もあって
育ってきた環境も全然違う人。
もちろん喧嘩もした。
ぶつかることもあった。
でも、その人は私の悪いところをちゃんと「違う」と言ってくれた。
機嫌を取るんじゃなくて。
本気で向き合ってくれる人だった。
この人となら。
そう思える相手に、ようやく出会えた。
そんなある日。
実家に帰っていた夜だった。
携帯が鳴る。
画面に表示された名前を見て、思わず息が止まった。
ヤマト。
何年ぶりかも分からない、その名前。
少し迷ってから電話に出ると、聞こえてきたのは知らない声だった。
「元気?久しぶり!」
ヤマの友達だった。
「今こいつ帰ってきてるねん。」
「ずーっと伊織ちゃんの話してる。」
「しつこいから一回会ったってくれへん?」
私は短く答えた。
「……無理。」
すると電話の向こうで笑い声がして、誰かが携帯を奪う音がした。
コメント
1件
うわあ、この「無理」の一言に全部詰まってるな……。別れて何年も経って、やっと前を向き始めたところに突然の電話。しかも元彼の友達の軽いノリで「会ってくれ」って。主人公がはっきり断る強さを持てたこと、でもその背後に色んな思いがあるんだろうなって伝わってきて、めちゃくちゃ胸にきたわ。続きめっちゃ気になる🔥