テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
続き待ってます!
数ヶ月後
深夜2時半。
寝室
元貴は急に目が覚めた。
「……んっ……」
最初はただの寝返りの痛みかと思った。
でも、次の瞬間、お腹の奥が
締め付けられるような、鋭い痛みが走った。
「っ……!」
息を詰めて体を丸める。
汗が一気に噴き出して、Tシャツが背中に張り付く。
痛みが引いた瞬間、隣で寝ていた滉斗の寝息がやけに大きく聞こえた。
「……滉斗……」
小さな声で呼ぶ。
もう一度、波が来た。
今度はさっきより長くて、深くて……息ができないくらい。
「うっ……はぁ……っ、、お、、起きて……!」
ようやく声が出た。
滉斗が慌てて起き上がる。
「元貴? どうした……!?」
元貴はシーツを握りしめて、震える声で言った。
「陣痛……、っ」
一瞬で眠気が吹き飛んだみたいに、ベッドから飛び降りて電灯をつける。
「マジで? 待って、待って! 深呼吸して! 今すぐ病院連絡するから!」
滉斗はスマホを掴んで、事前に登録してあった産婦人科の緊急番号を押す。
もう片方の手で元貴の背中をさすり続ける。
「どのくらいの間隔?」
「まだ…5分くらい…かな……でも、だんだん強くなってきてる……」
元貴の額に汗が伝う。
滉斗は電話をスピーカーに切り替えて、元貴の手を強く握った。
「はい、陣痛が始まったみたいです……」
「間隔は4〜5分くらいで……」
「はい、破水はまだ…わかりました、すぐ向かいます!」
電話を切った瞬間、滉斗は元貴を抱き起こす。
「荷物はもうバッグに入ってるから、立てる? 俺がおんぶする?」
元貴は小さく首を振って、笑おうとしたけど、痛みで顔が歪む。
「歩ける…と思う」
「倒れそうになったら支えるから」
滉斗は元貴の腰を支えながら、ゆっくり廊下へ歩く。
夜中のマンションは静かすぎた。
エレベーターの中でまた陣痛が来た。
元貴は滉斗の胸に顔を埋めて、声を殺して耐える。
「…ん…っ、」
「大丈夫、大丈夫だよ、元貴」
エレベーターの扉が開いて、駐車場へ。
滉斗は助手席に元貴を乗せて、シートベルトを締め、自分も急いで運転席へ。
エンジンをかけながら、ちらっと元貴を見る。
「ちゃんと深呼吸してね」