ダーリンの営む脱法パンケーキ店の扉を派手に蹴飛ばし、クマクマJKカムイちゃんは
猛獣のように俊敏にダーリンに
抱きつきました。
「ただいまぁーー!!!!だーーりん♡」
眉間にシワの入ったインテリヤクザ風の男
ダーリンは眉間に更にシワを寄せ、
食器をふきふきしながら言いました。
「(ガチの舌打ち)、カムイちゃん、 さっさとシャワー浴びてこい。」
カムイちゃんはつよつよクマさんなので
通常のクマの約50倍のクマ臭がしました。
つまりカムイちゃんはめちゃくちゃ臭いのです。
「ふつーにヤダ。」
カムイちゃんはシャワーを浴びるのが
数学の授業の次に嫌いでした。
「…..じゃあ、今日の脱法パンケーキは
なしだな。」
そう言ってダーリンは店じまいをしようとしました。
「ぐぬぬぬぬ…….。」
パンケーキを人質に取られたカムイちゃんは
ダーリンに屈しました。
ダーリンはシャワーとスポンジと石鹸で
トイレでも磨くかのようにすっぽんぽんの
カムイちゃんをごしごししました。
端から見れば事案ですがカムイちゃんは
クマなのでセーフです。
「ダーリンの鬼!!動物虐待!!!早く逮捕されればいいんですぅぅぅ!!!!!」
ガルガルと暴れながらカムイちゃんはシャワーをいやいやしました。
「残念だったな、ここらの警察は既に買収
済みだ。」
ダーリンはメガネをくいっとして言いました。
「ぐぬぬぬぬ国家権力の闇……..。」
カムイちゃんはどこでそんな言葉を
覚えてきたのでしょうか。
カムイちゃんにも プラナリア並の知性はあるようです。
カムイちゃんは服を着直しダーリンの脱法パンケーキを待ちました。
皆さんお待ちかね、ダーリンの脱法クッキングのお時間です。
ダーリンは《試される大地》のギガトリの
卵を片手で手早く割り、卵黄と卵白にささっと分けたあと、卵白をふわっふわになるまで
泡立てました。
卵黄にこれまた《試される大地》の
年中発情牛の乳、最高純度のやべー小麦粉、《袖白雪》とベーキングパウダー、あと大量の砂糖をぶちこみこれまた
手早くかき混ぜました。
「はーーやーーくーーー。ねぇはーーーやーーーくぅーー!!!!!!」
机をバシバシしながらカムイちゃんが
暴れます。
ダーリンはそれらを混ぜ合わせて脱法パンケーキの生地をつくり、それをホットプレート
で焼いていきます。
フワフワーンと、匂いだけでトんじまうほど
いい匂いが店内を包みました。
「おっ、やっべ。……キくわーーー。」
どうやらカムイちゃんはパンケーキの甘い
香りでトリップしてるようですね。
さて、とてつもなくふわっふわに焼き上がったこの脱法パンケーキ。
この脱法パンケーキに これまた《年中発情牛》の乳から作った クリームのこれまた大量の砂糖を加え ふわっふわのふっわふわなクリームを 脱法パンケーキの上にひょいっと乗せました。
「ハァ…….ハァ………も、もう我慢できないいいいいい!!!!!!」
目をガンギマラせ、口からダラダラと滝のような涎を机に垂れ流しながらカムイちゃんは
うずうずしました。
ダーリンは冷蔵庫をガラッと開けて数種類の
ベリーやバナナを一瞬で切り、皿に盛り付けました。
さらにそこにこれでもかってほど脱法チョコソースをぶっかけ、粉砂糖をまぶし またまたこれでもかってほどハチミツをぶちまけて 完成です。
《ダーリンお手製、脱法パンケーキ
~数種類のフルーツを添えて~。》
「ガルルルルルグアアアア!!!!!!!!!!」
カムイちゃんは脱法パンケーキを、まるで
数週間砂漠をさまよい、ようやく見つけた街ではじめて食べる食べ物のように貪り食いました。
あまりのうまさにカムイちゃんはのけ反りました。さらに足をばたばたさせ机の上で
躍り狂いました。
「おかわりィィ!!!!!!」
皿を叩き割りながらカムイちゃんは言いました。
「……ふんっ。」
ダーリンはまたまた洗練された手つきで
脱法パンケーキを焼き上げました。
ダーリンは自分のパンケーキを世界一 おいしそうに食べてくれるカムイちゃん が大好きでした。
「ふひーーー食った食ったーーー、
じゃあウコチャヌプコロすっかぁ。」
「しない。」
「なんでぇぇ!!!!」
「事案になるからだ。」
妙なところで倫理観のしっかりしてる ダーリン。
こいつの倫理観はどうなってるのでしょうか?
「は•な•れ•ろ…..!!!!」
「やーですー。」
「ガチで離れろもうパンケーキつくんねぇぞ!!」
「卑怯もの!!!!!」
そんなこんなでダーリンはいつも、カムイちゃんに振り回されっぱなしなのでした。
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