悪文
2000文字程度
あれから何分経っただろうか。
パソコンのキーボードをカタカタする音があるのみ。
俺はというとちょっと寝てた。
仕方ないだろ。
ASMRみたいなのしか音がなかったら寝るに決まってる。
それにココの体温は案外あったかく、眠くなる。
「ココ、いつまで座ってりゃ良いんだよ。」
「一生…」
「は?!」
「って言いたいところだけど、今仕事が済んだ。
組織の人数は100人程度。
薬物やら情報やらを滅茶苦茶な条件で商売することが多いらしい。 」
「へぇー」
ココはそう言った後俺の目をチラッと見た。
まるで「行け」と言ってるかのように。
「はいはい、わかりましたよー。
久しぶりのスクラップ案件だわー。」
俺はそう言い欠伸をしながらココから降りた。
ココはパソコンを閉じ、立ち上がった。
「今回は俺も行く。」
「あ”?
お前戦えんのかよ。」
こいつが戦う所はあまり見ない。
主にやる仕事が情報収集なためだろう。
それにこいつはヒョロイ。
弱々の雑魚雑魚だ。
「当たり前だろ。
これでも梵天の幹部だ。
戦えるに決まってんだろ。」
「へぇー、あんま期待しないけど。」
俺はそう言いながら近くにあった刀を取り、短銃を腰回りにセットし車に乗った。
それに続いてココも俺の隣に乗る。
運転手は俺のモブ部下にいつもやらせてる。
「ちなみに言うが三途。
全員殺すな、わかったな? 」
「へいへい。」
ココは俺の返答を聞いて溜息を吐いた。
するといきなり視界が変わった。
どうやらココに顔の方向を自分の方に向かせたらしい。
「な、なんだよ。」
「真面目に言ってんだよ。
ちゃんとやんねぇと、明日は腰の痛みで動けないと思え。」
ココは俺の耳元で運転手に気付かれない声量で囁いた。
俺は咄嗟に離れられる所まで離れる。
「ふはっ、顔真っ赤じゃん。」
「ちっ、クソが。」
すぐさま目を背けた。
多分今の俺の顔はココの言う通り赤いだろう。
熱いのが分かる。
「…着いたな。」
「どうする、裏から入るか、正面突破か。」
ココは組織のアジトの周りを見た。
すると、ココは少々上の方を指差し説明し始めた。
「あそこからだ。」
「何処だよ。」
「ここの間取りを考えるにあそこは風呂場。
多分だが点検口があるだろう。
あそこにある穴と風呂場の点検口は位置的に繋がっているはずだ。」
こいつ間取りまで調べてんのかよ。
マジ敵に回したら面倒くさいだろうな。
確かにココが指差す場所には人1人がギリ入れそうな穴があった。
「そこしかねぇか…。」
俺はそう言いながら軽々と二階の屋根に登った。
ココもそれに続いて音を立てず登ってくる。
俺が屋根に乗るとパラパラと木材が重力に従って地面に落ちていった。
「ボロクセェ建物だな。
貧乏が移りそ。」
「ほら、早く入れ。 」
そう言われ俺は溜息を吐きながら渋々入った。
こんな所二度と来るか。
臭いし、汚いしガチでありえねぇ。
「三途、そこを曲がったら会議室らしい。」
耳を澄ますと、誰かが喋ってる声が微かに聞こえた。
5人…17人…34人。
そんぐらいの声が聞こえた。
「すくねぇな。
行くなら今か。」
「気を付けろよ。
甘く見てると痛い目にあうぞ。」
「わーってますよ。
ココちゃんは心配性すぎるんだよ。」
「いや、ガチで…」
ココは俺に呆れたのか頭を抱えながら腰にある銃を取り出そうとしていた。
俺も腰から銃を取り出す。
「…天井に穴空いてんな。」
俺は近くに転がっていた石を取り、天井にある穴に投げ入れた。
ゴンッ
音は下まで響いた。
モ「なんださっきの音。
天井からか?」
モ「ボスあそこから聞こえました。」
だいぶ奥に石が入ってくれたのか、俺らと逆の所を見てくれた。
「行くぞ。」
その瞬間俺は発砲した。
最初は人から狙わず、視界を遮るため天井に一個ある電気を割った。
部屋はもちろん暗くなった。
モ「な、なんだ!?
誰かいんのか!!」
モ「くそっ
電気を消されちまってよく見えねぇ!」
バンッバンッ
ココは敵を焦らせるため壁やらを狙って発砲音を聞かせた。
そのおかげか更に敵は慌て始め、焦った手つきで武器を取り出そうと必死になる。
俺はそんな馬鹿みたいな行動してる奴らを…
僅か2分。
あっという間に血の海に変化させた。
「あっという間でクソつまんなかったな。 」
「ここはもう用済みだ。
爆弾を設置するから出よ…って、三途‼︎」
「あ?」
「後ろ‼︎」
俺はココの必死な声で振り返った。
モ「クソ梵天野郎がぁぁあぁあ‼︎!」
ガンッッ
鈍い音が響いた。
見えはしないが、血が流れてくるのが触覚のお陰でよくわかる。
「くそっっ!!」
バンッッ
ココは俺をハンマーで殴った奴を撃った音が聞こえた。
しかし、俺は立ち尽くせずその場で倒れそうになった。
「三途!!
大丈夫か!!」
どうやらココがギリギリで受け止めてくれたらしい。
あー、ココの言われた通り甘く見なきゃ良かった。
コメント
1件
最高でした!めちゃくちゃ 尊い…続き楽しみ♪