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悪文

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頭が痛い。

目を瞑って意識は夢の中と現実の狭間にあるはずなのに痛覚はちゃんと感じていた。

フカフカしたベットにいるのがわかる。

少し独特な匂いがする。

自分の唾の味が少しする。

誰かの声が聞こえる。

俺は徐々に五感を取り戻していった。

そして、視界がボヤけながらも目を開いた。

最初に視界に入れたのは白く綺麗なタイルの天井だった。

先程の独特な匂いで俺は無理に脳を働かせ「ここは病院だ」と理解した。


「三途…起きたのか…?」


その声に反応し、俺はゆっくりと寝ながらそちらに顔のみ向ける。

そこには俺の憧れの存在であるマイキーがパイプ椅子に座って俺の方を見ていた。


「しゅ、りょう…?」


「良かった…ほんとに良かった。」


マイキーはゆっくりと俺に近づき、まるで大事な物を触るかのように寝ている俺の頬を撫でてきた。


ガララっ


その時後ろから扉が開く音が勢いよく鳴った。

そこには見慣れた4人が立っていた。


「大丈夫か三途!」


「かくちょ…」


「痛い所とか具合とか悪くないか?」


「こ、こ 」


「マジで目覚めて良かった…」


「りん、ど…」


「ほんと、心配させんなよヤク中」


「らん… 」


俺は人物を把握するように1人ずつか細い声で名前を言った。

鶴蝶とココは俺の容態が心配なのか体調や痛みなどを詳しく聞いてきた。

竜胆はムッと顔をして此方を見て、蘭はいつもと同じような振る舞いをしていたが、何処となくホッとしたような微笑みをしていた。


「本当に悪い…俺の不注意で」


自分のせいだと思っているココは俺だけじゃなく皆んなに言うように謝った。

その場は時計の針が動く音しか聞こえないほどいきなり静かになった。


「…ココのせいじゃねぇよ」


「三途…」


「俺が甘く見てたから…もっと警戒してればこんな事にはなんなかった。」


悔しかった。

No.2という称号を持っている奴が何も称号など持っていないモブみたいな奴にやられるなんて、恥ずかしい以外あり得ない。

やってはいけないミスをしたのだ。


「俺は梵天の恥晒しだ。」


皆んなの顔は気まずい空気が流れて上手く見れず、下を向いていた。

すると、誰かに頭を撫でられた感触がした。


「マイキー…」


マイキーは何も言わずただただ俺のめを見つめながら頭を撫でた。

何かを伝えてるのか意図が分からずに俺はされるがままになった。


「お前ら、まだ三途は完治してないんだ。

もう帰るぞ。」


マイキーは椅子から立ち上がり皆にそう伝える。

それに対して「はーい」「わかった」と一言返事をした。

徐々に皆んなが俺から離れていくと、何故か寂しいという感情が急に出てきた。


「三途」


「…は、はい」


「早く治れよ。」


マイキーはそう言い残しこの病室から静かに退室した。

病室は外の小鳥の鳴き声と、部屋にある時計の秒針のカチカチ音のみになってしまった。

時刻は時針が床と垂直の向きになっていた。


俺は迷っている。

確かに早く治って仕事復帰したいものの、また皆んなの性処理係のようなセフレ関係をもう一度やりたくない。

そもそも、仕事復帰しても最近仕事が本当に来てくれない。

…自分で仕事を増やすのも有りか。

今回失敗したんだ、その分の仕事はさせてもらう。

でも、どのような仕事を?

勝手に敵のアジトに乗り込んで闘うのは逆に戦犯だ。

取引も1人じゃ身の危険の率が大きすぎる。

じゃあ、情報収集?

あとは、金集めか…。

ココは今回どうやら自分のせいだと思っているだろう。

本当は俺のせいなのに。

ならそのお返しとして金をいっちょ敵から搾り取るか。

問題はどのような方法でか。





…俺は自分の体を見つめた。


「あー、あるじゃん。」

俺はお前らのナニ?(笑)

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