🐹「ナムジュナ…?
どうしたんだよ?連絡もなしに…」
ナムジュナはうちに来る時は必ず電話してくるのに…と思いつつも、ドアを開けて、 彼を向かい入れる
🐨「まあ、そんな細かいことは気にしないでくださいよ。」
そう言いながら、ナムジュナは玄関に入ってくる。
…と、そこで僕はあることに気づく
🐹「…ぐ、グギも来てるんだな…」
先程は気づかなかったが、ナムジュナの後ろに隠れるようにしてグギが黙って立っていた。
僕は気まずさを感じながらも、グガに話しかける。
🐹「ぐ、グガ…おはよう。」
ぎこちない挨拶をグガにする。しかし、反応はない。ただグガはうつむいて黙っている。
🐹「グガ…?」
思わずグガの肩に手を置く。と…
🐰「…っ…!!
さ、触るな…っ…!!」
🐹「…っ…」
すごい力で拒絶され、思わず後ろによろめいてしまう。
すると、ナムジュナが僕を支えながら、グガを笑ってとがめる。
🐨「こらこら、グガ。ヒョンに乱暴しちゃだめだろう?
すみません、ヒョン、でもあんまり気にしないでくださいね。」
🐹「あ、ああ… 」
僕は動揺しながらも、疑問に思ったことをナムジュナに問いかける。
🐹「それで…今日はどうしたんだ?
僕の家になにか用?」
ナムジュナは薄ら笑いを浮かべながら答える。
🐨「いえ、特に用はないですけど…」
すると、ナムジュナは手にしている、酒瓶?が入っているらしい紙袋を僕の前に見せる。
🐨「今日は久々に、俺達で飲みませんか?」
🐹「え…こんな昼間から飲むのか?」
ナムジュナらしくない突飛な提案に、僕は少し驚いてしまう。
それに、なんだか今日のナムジュナは普段となにかが違う。
にこにこしているのは普段通りだが、目が笑っていないような…?
そんなことを考えていると、ナムジュナはずいっと顔を近づけてくる。
🐨「ねえ…いいでしょう?ヒョン…俺、今日は一刻も早くヒョンと飲みたい気分なんですよ…」
🐹「っ…
わ、わかったよ…」
ナムジュナの押しに負け、僕は結局2人をリビングに通すことにする。
🐨「ふふ…今日は、これを持ってきたんです。」
そう言ってナムジュナが紙袋から取り出したのは
🐹「”ABSENTE”…
アブサン…?」
🐨「俺、一度これ飲んでみたかったんですよね…」
ナムジュナはカップにそのアブサンをなみなみと注ぎ、僕をその瞳で見つめながら飲み干す。
🐨「…ふふ、ヒョンも飲みますよね?」
🐹「え、いや、僕は…」
遠慮するも、ナムジュナはアブサンの入ったカップを僕に手渡してくる。
🐨「ほら、そう言わずに、飲んでみてくださいよ。」
ナムジュナに進められ、僕は気が進まないまま、一口飲んでみるが…
🐹「っ…!
げほっ、ごほ…っ!
な、なんだこれ…」
苦くて、飲み込むとアルコールが効ているのか喉が焼けたような後味が残る。
思わず僕は咳込み、飲みかけのアブサンをテーブルに置く。
🐹「ご、ごめん…僕はもういらないや…」
そう言うと、僕は口直しにお茶でも飲もうと、キッチンへと向かった。
____
🐹「はあ…」
お茶で喉を潤した僕は、再びリビングへと戻る。と…
グギが部屋の隅で背中を向けてうずくまっていた。
🐹「お、おい、グギ…具合でも悪いのか…?」
話しかけるのをためらいなからも、僕はグギの肩を揺さぶって声をかけてみる。
そこで、僕は異様な光景を目にする。
こちらを振り返ったグギの左手首から、赤い液体が滴っていた。
右手には切れ味の悪そうな、錆びたカッターナイフ。
🐹「は、ぐ、グギ…?!」
状況が飲み込めず、パニックになった僕は、グギからカッターを取り上げて怒鳴る。
🐹「な、なにしてるんだよ、グギ…?!
な、なんでこんな…」
🐰「っ、はー…っ、はー…っ…」
グギの息は荒く、目には異様な光が宿っている。
僕がグギに問いかけても、グギはただ、その狂気に満ちた大きな瞳で僕を見つめ続けるだけだ。
🐹「な、何なんだよ…?グギも皆も、どうしちゃったんだ…?」
混乱した僕は、いつもの癖で髪をぐちゃぐちゃにしてしまう。
と…
🐨「あーあー、グギ、またヒョンに迷惑かけて…」
ナムジュナがグギに近づいてきて、グギの手首にハンカチを当てる。
🐨「ヒョン、すいません、またグギが迷惑を… 」
薄気味悪い笑みを浮かべ、ナムジュナは僕に近づいてくる。
🐨「…さ、グギは大丈夫ですから、次は俺と…」
🐹「っ、も、もういいから…今日はふたりとも帰ってくれ…!」
混乱で頭がこんがらがった僕は、ナムジュナの話も聞かず、2人を家から押し出す
_____
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!