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#ベリアン・クライアン
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ちょっと待ってなにこれ…!?!?😭💔 ココちゃん可哀想すぎて胸がギュッてなったよ…「優しい」フェネスがまさかこんな形で存在価値の重みを教えてくるなんて思わなくて、お風呂のシーンめっちゃ切なくてゾワッとした…。しかも拘束室の蝋燭とかベルの意味がもう怖すぎる…次どうなっちゃうの!?続き気になってしんどい!!🔥
夕飯が終わると、もう誰も私を主様とは呼ばなくなった。それまではどんなに無能だと分かっていても「主様」と呼んでくれていたのに、代わりに源氏名の「黒妓」という名前を呼ばれる。昼間まで寝ていた部屋から必要なものを鞄に詰めるように言われて、私は着替えは用意してもらえるし、元の世界から持ってきたものなど何もなかったので、髪を梳かすブラシと手鏡とアモンがくれた薔薇の花が生けてある花瓶だけを持って行きたいなと思って両手で持って部屋の入り口で待っているベリアンとミヤジに声を掛けた。
「お荷物はそれだけでよろしいのですか?」
「確かに身一つでこちらに来ていたから荷物はないのかもしれないけど、クローゼットの中の寝間着とか部屋着とかも持って行かないのかな?」
『着替えはフルーレさんが用意してくださるんでしょう?私には分不相応な服なんて持って行ってどうするんですか?』
その言葉にベリアンはにこやかに頷き、ミヤジは少しだけ憐憫が混ざった瞳で私を見つめた。
「…でも何着か寒いときに羽織れるものや着る服があったほうが良いよ。地下はひんやりするからね」
ミヤジはそう言いながらクローゼットを開けて何着かのネグリジェとカーディガンと膝掛にできそうな薄手の毛布を取り出した。確かにこのくらいの服であれば私が着ても怒られないであろうシンプルなデザインのそれらにちょっとだけ安心してミヤジに頭を下げた。
『ミヤジさん、お気遣いいただきありがとうございます』
「ココ様に少しでも快適な住環境にしないと長持ちさせられないだろう?これは必要なことだから、感謝なんてしなくていいよ」
ミヤジは着替えと毛布を腕にかけるとベリアンに声を掛け、地下室へ案内してくれた。
「ふぅん、貴女が新しい無能な主様ですか…」
地下の執事室の奥にあるという拘束室に入る前に、どこに潜んでいたのか桃色の髪を三つ編みにした執事が私の前に飛び出してきた。驚いてちょっと悲鳴を上げて飛び上がってしまったが気にする様子はなく、私をまじまじと観察する執事はくふふ、と笑った。
「なるほど、ミヤジ先生たちが拘束室で飼うことにしたのも納得ですね。今までの主様も弱かったですが、貴女はもっともっと弱い…。私達の役に立つためにストレスの捌け口になるのには賛成なのですが、刃物の持ち込みは禁止ですし、壊してはいけないと言われたら何も面白いことができないではないですか。私はこの主様には興味がありません」
さらにその執事から飛び出してくる不穏な言葉にちょっと身構えてしまったが、興味がないと言ってくれたので安心した。物騒そうな人から目の敵にされず、刃物の持ち込みも禁止されているのであれば、血を流す羽目になることは少ないだろうし、殴られたり蹴られたりする程度なら全然耐えられる。
「ラト君、せっかく鬱憤を晴らすために来てくれたようなココ様なんだから使わないのはもったいないよ?今度使い方を教えるから、壊さなくても気持ちよくなれる方法を知ってスッキリしてみないかい?」
ミヤジが意味深に微笑むと、ラトと呼ばれた執事は無邪気に笑った。
「くふふ…壊さなくてもスッキリできることなんて私は知りません。ミヤジ先生、教えてください。興味が出てきました」
「あぁ、もちろんだよ。でも今日はもう遅いし、後日にしようね。そろそろ寝る時間だろう?また絵本を読んであげるから今日はそれで我慢してくれないかな?」
「そうですね…分かりました。ミヤジ先生、約束ですよ?」
ミヤジはそれに頷き、私を部屋の奥に案内する。オシャレな内装の壁とは不釣り合いな無機質な鉄の扉があって、ミヤジはそこを開けて暗い牢屋のような部屋に入るように言った。私はそこに入ったらもう二度と出られないのではないかと思ってしまい、足が止まる。
「どうしたのですか?早く入ってください。…もしかして拘束室に入ったらすぐに暴行されるとお考えでしょうか?私達はそんなことをするほど余裕がないわけではないので今晩はゆっくり休めますよ?まぁ、明日からの使い方はお相手の執事が誰かで変わってくるでしょうけれど。それにお風呂は外にしかないので鍵はかけません。お好きなタイミングで部屋を出て構いません。ただし、用事が済んだらすぐに戻ってくださいね」
二度と監獄のような部屋から出られないのかと思っていたが、そうではないらしい。私はそれで少し緊張が解けて足を進めることができた。
拘束室には必要最低限のものだけが置いてあった。シングルベッドとトイレだけがある。しかし、拘束室とは名の通りベッドの足元には足枷が括り付けてあるし、壁には手枷が吊るされていた。
「大丈夫、拘束はしないから。安心して過ごしてほしいな」
ミヤジはとりあえずベッドに服と毛布を置くと、隣の部屋から椅子と蝋燭を持ってきた。
「服は背もたれに掛けておくね。蝋燭は座面に置いておくけど、後日机も持ってくるからそれに置いて使ってね」
『あ、ありがとうございます…』
新品の蝋燭が刺さった蝋燭立ての横にマッチの箱と灰皿も置かれる。
「明かりは自分で調節してね。寝るときは吹き消してから寝るんだよ?」
『分かりました』
ミヤジからこれから自室になる拘束室の説明を受けて、ミヤジに他に気になるところはあるかと言われたが、役立たずの私のために服も毛布も蝋燭も使っていいと言ってくれているのだ。不満なんて感じてはいけない。私はその問いに首を横に振る。
「そうか。じゃあ今日は疲れただろうから、お風呂に入って早く寝てしまったほうがいいよ。明日からココ様のお仕事が始まるんだから」
「では、私達はこれで失礼しますね。明日からよろしくお願いします」
バタン、と扉が閉まって私は一人きりで狭くて暗い拘束室に取り残される。しかし、ここでの生活に早く慣れなくては執事達の役に立てない。私は気持ちを少しでも明るくしよう、とネグリジェを持ってお風呂に向かった。
お風呂場に向かうと、お風呂の支度を終えたフェネスとばったり会った。
「ココ様、今からお風呂ですか?…と言っても俺はココ様の入浴補助はできないんですけど」
そういえば、ハウレスがフェネスに入浴補助をさせないようにすると言っていた。フェネスに至れり尽くせりお世話してもらった幸せな時間を思い出して、私は少し寂しくなってしまった。
「うーん…何かいい方法は…あ、そうだ。俺が先にお風呂に入っていて、ココ様が知らずに入ってきたことにしましょうか。そうしたら一緒に居る時間も少し作れますし、ココ様とお話するくらいならできます。いかがでしょうか?」
フェネスの提案は確かに魅力的ではある。初日に誰よりも優しくしてくれたフェネスと話す時間を作れるのだ。でも、その体にするためにはお互い裸にならないといけないわけで、いやらしいことをしないで男性に肌を見せるのはしたことがないので恥ずかしいような…。
「ココ様は…その…やっぱり、俺なんかと話すのは嫌ですか?何をやってもパッとしなくて、天使狩りでもあんまり役に立たなくて、仕事だって入浴補助という名目だけど…実際には風呂焚きと掃除ですから皆の役に立てているとは言えません…。こんな俺なんて必要ないですよね…。すみません、俺の話なんてつまらないですよね。とりあえず、温かいうちにお風呂で疲れをとってください。俺は後で入りますから」
フェネスの言動は優しいを通り越して卑屈まで行っている。このままではきっと、自分には私を抱く資格もない、と部屋に来てくれないだろう。優しくしてくれたフェネスに恩返しをしたいし、卑屈になっている心をほぐしてあげたいと思った。私はうまく言葉にできるか分からないが、フェネスならば身を預けてもいいと思っていることを伝えようと必死に考えた。
『あの、えっと…裸を見られるのはちょっと恥ずかしいです。でもそれ以上に…フェネスさんは、優しいですし、私はお話し、したいです…。フェネスさんは、ちゃんとお仕事、してるでしょう…?私なんかよりも、ずっと…役に立つ存在だと、思います』
そう言うとフェネスは優しさと悲しさが同居したような、見ていて切なくなるような微笑みを浮かべた。
「そう…でしょうか…。でも、ありがとうございます。ココ様にそう言ってもらえると…少しだけ自信がつくような…そんな気がしてきました。…では、一緒にお風呂に入りましょうか」
私が頷くと、フェネスは脱衣所へと私を招き入れた。
『ふぅ…あったかい…』
かかり湯をして浴槽に入ると、朝から実験で倒れたことや地下での緊張も流れていくようで、体も心も温まる気がする。
「ふふ、ココ様、顔色がよくなりましたね。さっきまで蝋人形のようで少し心配だったんです」
私に続いて浴槽に入ったフェネスは私の血色がよくなった頬を見て嬉しそうに笑った。そんなに分かりやすいのだろうか?元の世界では顔色など気にする余裕もなかったので、それを指摘されるとなんだか恥ずかしい。裸を見られている恥ずかしさに負けず劣らずなくらい恥ずかしかった。これからはちょっと顔色や表情に気を付けよう。感情が顔に出やすいのならば、私の顔が恐怖や快感で歪むのを楽しみにする執事も居るかもしれない。そんなことを考えていると、いつの間にかフェネスの手が私の腰を掴んで私をお湯から引き上げた。
『きゃっ!?』
いきなり温かいお湯の温度から少しひんやりする空気に触れた体の温度は急激に下がっていく。しかし、持ち上げられた時間は少しだけでまたお湯の中に戻してもらえた。ただし、私を持ち上げたフェネスの上に動かされて、座るのはフェネスの膝の上になってしまった。
『ふぇ、フェネスさん…?どうしてこんな…』
親の膝の上に乗せてもらったこともないし、セックス以外でデリケートゾーンを男性の肌に触れさせたのも初めてで混乱した私は、フェネスを見上げてどうしてこんなことをしたのかと問おうとした。しかし、片腕で腰を押さえつけられ片手で顎を固定されて唇を塞がれたために言葉が形になることはなかった。言いかけの言葉を吸い取るようにフェネスの舌が私の舌を絡め取り、唾液が混ざってぐちゃぐちゃと音を立てるのを呆然と聞くことしかできない。どうして、どうして急にこんなキスを…?私が何もかも信じられない状況に固まっているとフェネスは満足したらしく唇を離し、顎を固定していた手も下ろしてくれた。
「役立たずなことの苦しさは俺が一番分かっているつもりです。ココ様も役立たずは嫌でしょう?ココ様は身体を使って執事を癒すことが仕事だと聞いています。ココ様が自分なんて価値が無いって思わないように、俺が助けてあげます。だからココ様も俺のことを助けてください。こんな自分なんて要らないって思ってしまう俺の心を満たしてください」
フェネスはそう言うと腰を抱く腕の力をさらに強めて私の動きを封じる。そして顎を掴んでいた手は私の太腿、腹、胸を這い回る。あぁ、これが「執事達を癒す」という仕事の一端なんだな。言葉だけではなく、身体も求められ、無価値だと思い込んでいた者同士の埋まらない心の隙間を埋めるための傷の舐め合いだ。でも、私はこんな形で存在価値があると証明されてしまったことに軽い絶望感を覚えた。優しいフェネスは善意でこんなことをするんだ。優しく自己肯定感の低い執事だと思っていた人が、この世界での私の価値を嫌というほど教えてくれたという皮肉。肌を這い回る大きな手に気持ち悪さを感じて鳥肌が立った。何より、尻に当たっているペニスが固くなっていることが、フェネスが抱きしめるだけで満足せずより深い繋がりを求めていることが分かって、さらに気持ち悪い。
「ココ様は敏感なんですね。もう乳首が固くなってる…。それに、今十八歳なんですよね?それでここまで育って敏感な子、初めて見ました」
フェネスの大きな手が私の乳房を鷲掴みにする。私も胸は「大きいね」と言われることが多かったので、大きさには自信を持っていた。けれど、優しい執事を善意から獣にしてしまうほどの魅力があったことが今は悲しかった。胸を揉まれて身体は熱くなっていくのに心だけがどんどん冷えていく。このままお風呂で襲われることになるんだろうか?そう考えると凍っていた心を融かしてくれた執事が柔らかくなった心にナイフを刺してくるように思えて、私はいつの間にか涙を流していた。
私の予想に反してフェネスは風呂でセックスすることはなく、肌の感触を楽しみ胸を揉んだだけで風呂場から出してくれた。しばらく私の肌と胸を楽しんでから「身体と髪を洗いましょうか。入浴のお手伝いはできませんが、お風呂上がりのケアくらいならしても怒られないと思いますからリラックスしていてください」と言って洗い場に行ってしまい、私は呆然としながら石鹸を泡立てて身体と髪を洗った。そして、フェネスはその言葉通り私が浴室から出るとバスタオルで身体を拭いてくれて、全身にいい香りのするクリームを塗りこんで、髪にヘアオイルを塗って乾かしてくれた。
全てが終わって廊下に出ると、フェネスは小さなベルを渡してくれた。何のためにだろうか?と不思議に思ってしげしげとベルを眺める私を見て、フェネスはまた柔らかく笑う。
「お風呂に入りたいときに鳴らしてください。そうすればお風呂上がりのアフターケア…悪く言えばお肌のメンテナンスをして差し上げますから。入浴補助の仕事ができないなら、ココ様のメンテナンスくらいはしたいんです。俺の存在価値を否定するようなこと、しませんよね?ねぇ、ココ様?」
自分を無価値だと思っているという共通認識がある以上、フェネスから全ての仕事と私との接触の機会をなくしてしまうのは裏切りだ。フェネスのためなら、肌のメンテナンスだと我慢して執拗に胸や割れ目にクリームを塗りこんでいた行為を受け入れるしかない。
「今夜はしっかり眠って回復してくださいね。色々あってお疲れでしょう?もし、誰もココ様と過ごしたい執事が居ない夜があったら俺と寝てくださいますか?…ふふ、心配しなくても無理矢理襲ったりはしませんから。添い寝で十分ですよ、俺なんて…」
私の肌に触れても卑屈な思考は変えられなかった。でも、もし他の執事達に犯された後で一緒にお風呂に入ったら、優しさと善意で上書きしてくれるかもしれない。そうしたらもう少し自分の価値を感じてくれるだろうか?私はひんやりする拘束室の冷たい布団に包まりながら、自分の価値を再確認して冷たくなっていく心に反して犯されることを待っているかのように熱を持つ肌に嫌悪感を覚えながら無理矢理眠った。