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『ヴぐぅ!!』
上を向かされ 喉の奥まで舌を
つっこまれる
ザザ ジジジッ ノイズが走る
景色が 赤に染まる
逃げ出そうと もがいたが
踏ん張りがきかない
頭の後ろにアカガサの手がある
腰の辺りに腕を回され抱きしめ
られ 私の足は地についていない
腕で押しかえそうとしても
ビクともしないし この状態で
蹴りを繰り出しても大した威力も
出なかった
唯一の有効打のはずの怪異の手で
アカガサを掴もうとしたが
それは すり抜けた
そうだ!本体! 赤い傘はどこ?
少し離れたところに立っていて
ソレは こちらを見ている
怪異の手を伸ばして ソレを掴もう
と するけど ギリギリ届かない
ああー!!もうっ!イライラする
アカガサは 一緒に狩りをする間
ずっと 私の射程距離を計って
いたんだと 気付く
思い切り 舌に噛みつく
が ガチン!空をきって
自分の歯を噛み締めるだけ
げぇっ! ゴボっ!!
ッっ… はあっ! ア…んぐ!
一瞬だけ 呼吸を許されたが
命令を出すような隙はない
すぐに 呼吸ごと奪われる
こんな 殺され方(END)あり?
ああ 這いばい男さんの言うこと
…聞いとけば…… よかった…
ごめんなさい……這いばい男さん
ヌルリ ヌチっ 口の中を
我が物顔で蹂躙するヤツの舌が
縮こまって逃げようとする私の舌
を引きずり出す
ゴボゴボと口の端から涎だか
水だかが こぼれ落ちる
苦しい!溺れる!!
涙もボロボロと零れて落ちた
目の前に キラキラと幾何学模様が
明滅する
スッ と苦しさから解放されて
逆にふわふわとして心地よい気分
になった
意識を手放す直前
……ズルリ
と アカガサの舌は 出でいった
また 苦しい が戻ってきた
げほっ!ゴホ! あっ… !
はあっ!はっ……!はぁ……
私の身体は生きようと喘ぐ
目の前は まだチカチカと 明るい
身体はだらりと弛緩してしまって
力が 入らない
アカガサは私をそっと寝かせると
覆い隠すように抱きしめた
……そして グジゅッ
血が止まって 修復が始まっていた
肩口に キバをたてた
メリッ
また肩の肉が持っていかれ る
『……いッっ!』
何なの?何がしたいのいったい…
ギリっ!
アカガサは 今度は 左太ももの
ほとんど塞がってた傷に爪をたてた
また 血がにじみ出る
ツ……と指で掬いとって舐める
すでに口もとは血まみれで
私の肉をぐちゃぐちゃと食んで
飲み下した
吸血鬼 然とした青白い顔が
スッと 首元に寄ってきて
口を開けた
ビクっ! 完全に『喰われる』
と思い 身体を強張らせる私を
フッ… と
アカガサが嘲笑ったんだと思う
息がかかる くすぐったい
ヌルっ 血まみれのぬるい舌先が
首すじを這い 拍動する頚動脈を
なぞった
ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ
命の音が私の耳にも聴こえる
アカガサは そこに甘咬みをして
から ヂュッとキスをする
『ひ ぁ……っ!』
と 変な声が出た
……てか 声が出せる!!
なんだか機嫌の良くなったご様子の
アカガサに 吐き捨てる
『下僕のくせに! 離れろ!』
ガ……! アカガサは何かに
引っ張られるように私の身体から
離れた