jkside
相変わらず呻き声は小さく響き渡っていたが、
僕の空腹と喉の乾きに限界が来ていた
いつもなら、なぜか可愛がってくれている街のカフェのおじさんとかに、食べ物を少し貰って
近くの公園の水飲み場のところにうずくまって食べるんだけど、、
おそるおそる動き出して、高架下から外を覗くと、
どこまで見渡してもなんの影も見えなかった
細くて背が小さく弱々しい僕は、いつも周りから冷たい視線を浴びていたけれど
それがないと思うとなんだか気が楽になり、
とりあえず、街中の隠れ家にしている空き家まで歩いてみようと強気でいた
かすかに聞こえる呻き声が引っかかったけれど、喉の乾きには耐えられなかった
道路を歩いていくと、自分の知ってる街じゃないみたいだった
スーパーも遊園地も高いビルも
全部が真っ暗で静かだった
何回かごそっと音がした気がして振り返ったがなんの影も見付けることが出来ない
怖くなった僕は足早に、隠れ家のある街の中心部へと向かった
🐰「なに、、、あれ、、」
水飲み場にしている公園にたどり着くと、花壇のところに2人くらいの人が折り重なるようにして倒れているのを見つけた
少し近づくと、土気色の肌をした死人のような人が、まだ少し生気のある人に覆いかぶさって何かをしていた
首にかぶりついているようにも見えた
🐰「え、、、え、、、」
逃げなきゃ、と思った瞬間、、
🐰「うわああっ」
真後ろにふっと気配を感じて、反射的に避けながら振り向くと
そこには同じく土気色の顔をして、焦点の合わない目で呻き声をあげるものが、5体ほど迫ってきていた
1人はもうすぐそこにいて、あと一瞬でも遅かったらその手が僕に届いていたかもしれない
よく見ると、血がべっとりとこびり着いている奴もいる
🐰「やだ、、やだ、、やめてえええっ」
かすれ声で悲鳴を上げながら必死で逃げた
彼らは動きは遅かったもののしつこかった
しかも僕の声で集まってきてしまったみたいで
どんどんと数が増えていく
もう少しで隠れ家、、というところで前からも後ろからも挟み撃ちにされてしまい
前にも後ろにも進めなくなった
沢山のうめき声が頭に響いて、加えて血だらけの人を見すぎて、気がおかしくなりかけ目眩がする
本能的に死ぬと直感し、体も震えた
もうすぐそこまで彼らは来ているのに、
僕は頭を抱えて道の端でよろよろとしゃがみこんでしまい、
ついに体は言うことを聞いてくれなくなる
🐰「いや、、殺さないで、、僕まだ生きたい、、いや、、、泣」
今まで感じたことない程の恐怖に叫び声をあげようとした瞬間、
パンパンパンッ💥
銃声が響いて誰かが駆け寄ってくる気配を感じ、息が止まった
あっという間にくるっと立たされて、怖がる僕の目を塞ぐように、その人の胸に優しく、でもしっかりと押し付けられる
急なことに驚き、反射で逃げようと少しもがくと、その人は少し顔を下げ低い落ち着いた声で僕の耳元に囁いた
🐣「よく頑張ったねいい子だ、
もう目つぶってればいいから動くなよ」
抱かれている頼もしい体からは、落ち着く大人の香りがした
助かった、、と思った途端、張り詰めていた気が抜けて
その人が撃ち鳴らす銃声をかすかに聞きながら、僕の意識は途切れた
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