TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

被害妄想

一覧ページ

「被害妄想」のメインビジュアル

被害妄想

1 - 第1話

♥

44

2025年05月15日

シェアするシェアする
報告する

私は1度だけ母に捨てられたことがある。

それは、私が小学4年生だった頃だ。


当時、私は不登校。

新しい環境、なれない勉強、作れない友達。


何もかもが新しくて、

元々 あったものがひとつもなかった。

それでも母は女でひとつでここまで育ててくれた。

きっと、仕事もこれ以上休めなかったのだろう。

母は「お願いだからこれ以上迷惑かけないで」

と言わんばかりにある日また、

同じように朝、こっぴどく叱られた。


私は泣きながら「休みたい」たった四文字を泣き叫びながら伝えた。

だがそんな私を母は気にも止めず車に乗せた。

私はこの時点で泣き崩れ、暴力的になり、

ストレスでたくさんの暴言を母に向かって投げ捨てた。


耐えられなかった

この環境に。


そんな私を見て呆れた母は、担任に電話し迎えに来てもらうと話をつけた。

私はどうしてこんなにも伝えたいことが伝わらないのか分からなかった。

人生で1番腹が立った。

死にたくなった

消えたくなった

その願いも叶わず、外からノックする音が聞こえた。

しかし、もう1人、訪問者が。

同じクラスの女の子。

「心配して来たんだよ!」

嫌でも言葉が脳に届く。

は、?あなたたちは私を見て見ぬフリをした。私の気持ちなんか知らずに楽しくカードゲームをしてた。私の荷物を踏み潰した。

まるで、このクラスに私は存在しないかのように


そんな人達は、親友でも、友達でも、クラスメイトでもない。

ただの赤の他人。

そう、つくづく身をもって感じた。


そんな人達が私のことが心配?笑わせないでよ

どうせ先生になんか言われてついて来たんでしょ


大丈夫。私は気にしてない。信用してない。

私は強い。へこんでも死にたくなっても、病んでも、結局最後は自分の力で解決しなきゃいけないんだから。


そして母は私のいる後部座席を指差した。私は特に期待もしてなかったけど裏切られたのを悟ってすぐに鍵を閉めた。そんな私を見てか細い声で

「じゃあ、今はやめようか」

車内には外の蝉の声は通すことはなかった。


「行きたくない」

2度目ましての私の学校に対する拒絶は

母の気持ちを大きく動かした。

「なら、あなたを山に捨てる」

意味がわからなかった。どうせまた口だけだと なんにも説得力のない根拠を信じた。

ただ、窓から見えるのは

まだお昼前なのにもかかわらず

だんだんと薄暗くなっていく森だった。


そこは昔、親戚みんなで集まってBBQ、川遊び

お散歩した場所だった。

そんな場所に無理やり下ろされ車は去っていった。


昔の思い出も含め、私はとてつもなく死にたいの一言で表せられないくらい自分が嫌になった。


好きで生まれてきたんじゃない。

好きであなたを選んだわけじゃない。

あなたが子供を産むと選択した。

なのに、どうして、私は一人ぼっちなの、?


真昼間に小学生が一人ぼっち。

傍から見たら相当やば奴、そんなことを考える余裕もなく、ただただ大声で泣き叫ぶことしか出来なかった。森中に響く泣き声。


しばらくすると、車のエンジンが聞こえた。私は期待するのを辞めた。どうせ、またこうやって捨てられるんだ。

私はもう、意見を言えないんだ 。

ついに、人間1人に与えられている権利すらも私からはたった今、無くなったんだ。

期待しても無駄

どうせ最後はひとりぼっちだ。


こうしてまた、生きる意味をひとつ失った。















あなたには

生きる意味が

ちゃんとありますか?

この作品はいかがでしたか?

44

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚