第一話 ーー優等生と劣等生ーー
??「ゆいーおはよー」
少しだるそうに私に話しかけてくるのは、
私「お!ちい!!」
ちはやという女の子。みんなにちいと呼ばれて親しまれているが、ちいは嫌らしい。
ちはや「ちいはやめろ。ってかまたお友達持ってかれたの?笑」
意地悪な聞き方だ。
私「持ってかれたって…まあそうだね。帰ってくるけどね。」
ちはや「念押ししてるってことはちょっと気にしてんな。」
私「今日からおまえを永遠にちいって呼ぶぞ」
ちはや「やめろ」
ちはやと軽く雑談しながら授業の準備をする。
ーガララ
Aちゃん「りんまじ高嶺ー!!」
Bちゃん「美人で勉強もできて運動もできて誰にでも優しくて…勝てない…」
Cちゃん「まじうちらと絡ませてくれて神〜」
りん達きたのか、と思い目を向ける。
りん「あはは…」
りんがこっちに助けを求めるように、めっちゃ視線を送ってくる。
仕方ない。ダッツ奢らせるか…
私「りーん!ちょっと助けて〜」
りん「…!!今行く‼️」
ニコニコしながら来るりんが可愛く見えた。
りん「まじ助かった!ありがと!」
私「ダッツな」
ちはや「やめてやれよ」
ふと、Aちゃんの方に目をやると、不機嫌そうにこっちを見ていた。
Aちゃん「〜〜〜。」
Bちゃん「〜〜〜〜〜笑 」
Cちゃん「〜〜〜、〜〜〜〜〜〜!笑」
こっちを見ながら何か言っている。
よく聞こえないので気にしないようにした。
すると、
Aちゃん「〜〜〜劣等生のくせに。」
私「…!?」
今の、多分私だ。
りんは優等生。私はりんの下位互換。いわゆる劣等生。
ちはや「ゆい、周り気にしすぎじゃない?」
りん「大丈夫?」
私「…へ、」
間抜けな声が出た。
私「あ、えと、大丈夫!そんなことよりチャイムなっちゃうよ!ほらほら!!席着いて!」
ちはや「…あぁ。」
気を遣わせて、なんか申し訳ない。
私(…)
いつからだろう。
私の中のモヤに違和感を持たなくなってしまったのは。