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イエローチャン 過去,未来
,※R-18G
突然、姉さんが旦那さんを連れてきた。
弟も私もその人とは初めて会う。
「ユウキ、イズハ、この人が私の旦那さん。」
姉さんに旦那ができるとは思いもしなかったが、それどころかその人の目は…
『初めまして。お二人さん。』
暗闇に閉じ込められそうな目だった。
しかし見た目はとても紳士的で、姉さんにも気に入られてるそう。
だけど弟もきっと私と同じ気持ちのはず。
だって心臓がばくばくしてるもの。
ユウキ「なぁ。飲み物買ってこいって言ったよな。」
イズハ「ごめんね……お金…足りなくて……」
ユウキ「知らねえよ。お前の事情だろ」
ユウキ「万引きでもしたらよかったのに。」
イズハ「……」
(バタン)
いつもこうだ。弟は私のことが嫌い。
私も…弟が嫌いだ。
(ノック)
(ガチャ)
アル「イズハ。ちょっと紹介したい人がいるの。リビングに来てくれる?」
リビングに向かう。
そこには座ってる弟と知らない男がいた。
アル「ユウキ、イズハ、この人が前言った旦那のセル。」
セル「初めまして。お二人さん。」
セル「これから僕はアルと一緒に住むんだけど、2人もどう?」
アル「そうよ。2人も一緒に住みましょう。」
ユウキ「なんでいきなり。」
ユウキ「そもそも2人はどう出会ったの?」
アル「私たちは貧乏で…生活しづらい環境だったでしょう?」
アル「彼は私たちを救ってくれる命の恩人なのよ。」
アル「だから感謝しなくちゃ。」
イズハ「…」
ユウキ「姉さんを奪った奴に感謝なんてしたくないね。」
イズハ「そんな言い方は…」
ユウキ「黙れよ役立たず。」
ユウキ「お前は口出ししてくるな。」
セル「これはいけないね。」
セル「ユウキくんだったかな?」
ユウキ「気安く名前呼ぶな。」
セル「おっと、お口の悪い子にはお小遣いをあげないよ?」
セル「えっとぉ〜、イズハちゃんかな?」
セル「君にはお小遣いをあげるよ。」
セル「はい。」
そう言って沢山のお札が入った封筒を私に差し出す。
イズハ「…こんなにもらえないです。」
イズハ「それにお金は自分で稼ぎたいので…」
セル「そっかぁ、残念!」
セル「それならいい稼ぎを今度教えてあげるよ。」
アル「ほら、ユウキ。意地を張らないで。」
ユウキ「……わかったよ。」
セル「よし。そろそろ僕の家に行こうか。」
ユウキ「待てよ。俺も行くっての…」
セル「いい子だ。」
ユウキ「お前は来ないよな?」
イズハ「えっ…行きたいよ…」
セル「意地悪はダメだよ。」
ユウキ「……ちっ、」
弟は舌打ちをして文句を言いながらセルに連れられる。
太陽組おたく ❤︎
しろっちー
セル「…ほら。入って」
アル「本当大きい家ね。」
セル「君の為ならいくらでも尽くせるよ。」
ユウキ「……」
セル「2人の部屋も、決めなきゃね。」
セル「見るからに仲良くはないようだね。」
ユウキ「当たり前だろ。こんな奴誰も好きにならない。」
セル「そんなことないさ、君はアルに似て美しい顔を持ってる。」
イズハ「…」
ユウキ「姉さんと同じにすんな。」
セル「まぁ、仲良くないのなら部屋を別にしてあげようか。」
セル「ユウキはこっち、イズハはこっち。」
セル「ドアの前に名前の看板をつけておこう」
この日から、自分の人生はまるで別人のように変わって行った。
貧乏で苦しかった生活からも抜けられた。
(ノック)
イズハ「……はい。」
(ガチャ)
セル「ユウキは学校を辞めさせた。」
セル「君も、辞めないか?」
イズハ「…!」
学校では毎回いじめを受けていて辛かった。
もう2度といじめられないと思うと、
学校なんか行きたくない。
私はすぐに選択を選んだ。
イズハ「辞めたい。」
セル「…いい子だね。代わりに君が気にいる事、稼ぎにも使える事を教えてあげるよ。」
イズハ「気にいる…こと…?」
セルはカバンから沢山の黄色い粒が入った瓶を渡してきた。
イズハ「…これは……?」
セル「薬さ。」
セル「一粒飲むだけですごく気分が良くなる。」
セル「きっと、イズハも気にいるよ。」
イズハ「……」
セル「…それにこれなら人を殺しても罪悪感なんかなくなるしね。」
瓶を受け取るとセルは部屋から出ていった。
私は瓶の蓋を開けて一粒取り、飲み込む。
「ゴクリ…」
その瞬間周りから楽しそうな音楽や声が聞こえた。
全てが輝いて見える。魔法の薬
『スマイル薬』
イズハ「…はは……はははっ…」
イズハ「ふふ…っあははは…ははははっ」
面白いことが起きた訳でもなんでもない。
それなのに笑いが込み上げてくる。
楽しい。面白い。恐怖なんてなにもない。
笑いが止まらない。こんなに笑ったのは生まれて初めて。
(ユウキ目線)
「笑い声」
あいつの部屋から笑い声が聞こえる。
耳障りな声だ。
何が面白いんだか。
(ノック)
ユウキ「…?」
(ガチャ)
セル「やぁ。ユウキ。」
ユウキ「…なんだよ。」
ドアを開けたらセルが立ってた。
姉さんは何故こんな奴を選んだんだ。
金持ちってだけだろ。
顔もそこそこだし。俺の方が全然整ってる。
セル「ユウキにいいものをあげよう。」
ユウキ「いいもの?」
どうせくだらない物だろう。そんな事を思ってたらセルがカバンからDVDとヘッドホンを渡してきた。
なんのDVDかもわからない。文字すら書いていない。
ヘッドホンもただの音楽を聴く用のヘッドホンだ。
セル「ここの部屋には、テレビがあるだろう?」
セル「そのテレビでこのDVDを観てごらん。」
ユウキ「はぁ?変なもの見せようって訳じゃないよな?」
ユウキ「⚪︎Vだったらぶっ飛ばすぞ。」
セル「やだなぁ。僕はそんなものに興味ないよ。」
セル「それに素敵な妻がいるというのにそんなものを観る非常識な男じゃない。」
ユウキ「そうかよ。気が向いたら観てやるよ」
そう言い俺はドアを閉める。
本当になんなんだ。あいつは何がしたい?
何を考えてる?
わからない。…
(イエローちゃん目線)
イズハ「あははっ…ははっ、ふ、」
イズハ「はは…はぁ……ふふふっ…」
イズハ「あはっ、はははっ」
苦しい。笑うことしかできない。
笑いが止まらない。
でも…何故かこの苦しさが気持ちよく感じる。
変なことは自分でもわかってる。
でも何故かもっと欲しい。
この楽しさ、気持ちよさ、快感を他の辛い人達にも教えてあげたい。
辛いことを全て忘れられる。
これを売れば…皆幸せになるんだろう…。
それに今なら人を殺しても罪悪感なんてなくなると言っていた気がする。
今なら……
(ユウキ目線)
(カチッ)
ユウキ「一応観ておくか。変なものだったら許さないからな…あいつ。」
数十分は観てるが意味がわからない映像がずっと流れるだけだ。
観続けてるせいか吐き気が湧いてきた。
気色が悪い。
ユウキ「…!!」
ユウキ「ゔっ……ぉ゙え、っ…ぅ、」
なんだ…これ……汚物…?いや、臓器……
よくわからない…なんでこんな映像が…
まずい…吐き気が……
ユウキ「お゙え゙っ……ぅ”、ゔ…げほっ…」
ユウキ「…っけほ、…ぉ゙……はぁ゙っ…」
ユウキ「気持ち悪゛、……ゔぇ”…」
ユウキ「…なん゙なんだ…これ……」
(ドスッ)
ユウキ「…あ」
ユウキ「……え………ぁ」
(じゎ…)
ユウキ「あ゙、…あ゙ぁ゙あああっ⁉︎」
ユウキ「ゔぁ゙…ぁあ゙っ…あ゙ああ、」
ユウキ「ぁ゙あっ…痛゛い痛い痛゛い゙‼︎」
ユウキ「はぁ゙ーっ…‼︎」
ユウキ「あ゙……はあ゙っ、い゙だぃ…」
(ドスッ‼︎ドスッ‼︎)
ユウキ「あ゙ァっ゛……あ゙、……は、…ぁ゙…」
(イズハ目線)
イズハ「はははっ……ははっ…ぅ、」
イズハ「あははは…はぁっ…ははっ」
(ドスッ‼︎ドスッ…)
楽しい。嬉しい。
嫌いだった弟も罪悪感なんて無しに殺せる‼︎
苦しそうな顔…面白い。
汚い悲鳴が聞こえるだけで笑える。
イズハ「ふっ、…ぁははっ……はは、はぁっ」
イズハ「ははっははは……ははは」
イズハ「…はぁ。」
殺したんだ。私が…
実の弟を。
いや……何を言ってるの?
弟なら…すでにここにいるじゃない。
イズハ「……ね。ユウキ」
私はこの背が低くて可愛げのある弟しか知らない。
正に私が求めてた“理想の弟”。
大好きだよ。ユウキ。
(アル目線)
(ガチャ)
アル「……!」
イズハ「それでね…私が……」
アル「……また…」
最近妹の様子がおかしい。
誰もいない所で誰かと喋っていたり、
急に笑い出したりする。
心配で病院に連れて行こうとしても
妹は「ユウキがダメって言ってる」など意味のわからないことばかり言う…
それに最近ユウキを家の中でも見かけない。
どこに行ったのかわからない…
セルが気に入らなくて出ていったのかな。
アル「…ねぇ、セル。」
セル「ん〜?どうしたの?愛しい妻よ。」
アル「最近イズハの様子がおかしいの。」
アル「それに…ユウキも全然見かけなくて、」
アル「家出したのかなって心配で…」
セル「……」
アル「何か知らないかしら…?」
セル「さぁ?僕はまだ彼女達のことをよく知ってないからわからないよ。」
アル「……そう。」
(イズハ視点)
足りない…薬が……足りない。
もっと…もっと…もっともっともっともっと…
沢山飲みたい。
身体が壊れてもいい。頭がおかしくなってもいい。
もっと『あの薬』が飲みたい。
飲んでも飲んでも飲み足りない…
(ノック)
イズハ「…はい。」
セル「やぁ、イズハ。」
セル「僕の家、薬を作ったりする用のラボがあるんだけどさ〜、」
セル「僕全然そう言うの作らないタイプだから君にあげるよ。」
イズハ「えっ…いいん…ですか、」
セル「うん。むしろ貰ってくれる方が助かるかな。」
セル「案内するよ。おいで。」
セル「ところで、君の弟のユウキはどうしたの?」
イズハ「…何言ってるんですか、」
イズハ「ユウキならここにいますよ。」
セル「…」
セル「そうだね、ごめんごめん。君の後ろにいたんだね〜見えなかったよ。」
イズハ「…とても懐いてくれてて、全然離れないんです。」
イズハ「可愛くて自慢の弟です。」
セル「そっか〜、よかったね。」
セル「はい、ここがラボだよ。」
イズハ「…すごい、」
セル「でしょう?好きなように使っていいよ。」
セル「もうここのラボはイズハの物…」
セル「…いや、イズハとユウキの物なんだから。」
イズハ「はい。…ありがとうございます。」
セル「お構いなく〜。」
…数ヶ月後
イエローちゃん「ねえユウキ!この薬実験として飲んでみてよ〜!」
ユウキ「えぇ〜また実験台にされなきゃなの?」
イエローちゃん「大丈夫大丈夫!これすごい美味しいからさ!」
ユウキ「…わかったよ、」
(アル視点)
イエローちゃん「姉さん!はい!これ!」
アル「…これは?」
イエローちゃん「いっぱい稼げたから、お裾分けだよ!」
アル「何をしてそんなに稼げたの?」
イエローちゃん「秘密〜!」
アル「…」
やっぱり変。
イズハは前までこんなに明るくなかったし、ユウキが亡くなってから変わってしまった。
見た目も違う。髪色も茶髪から金髪に変わっているし…
幻覚と幻聴も激しく見えてるらしい。
まさかイズハがユウキを……
なんて考えたくない。
イズハはそんな酷い事するような子じゃないし、何があったのかしら…
アル「セル。またこんなこと言っちゃうのもあれなんだけど…」
アル「イズハ、数ヶ月前よりずっと明るくなったと思って…あなた何かしたりしてないわよね…?」
セル「…僕が愛する妻の妹に何かすると思うかい?」
セル「僕はそんな最低なことなんかしないよ」
セル「ユウキが亡くなってから少し考えすぎなんじゃないかな?」
アル「…そうよね。ごめんなさい」
セル「いや、いいんだよ。」
セル「突然弟も亡くなって妹すらも様子がおかしくなったら誰かを疑ってしまうのは仕方がない。」
アル「うん。ありがとう、」
アル「…でもイズハが心配なの。」
アル「なにかあったのかなって…」
セル「…もしかしたらだけど、」
セル「君が見ているイズハは偽物で、その偽のイズハがユウキを殺したんじゃないかな」
アル「本気で言ってるの…?」
セル「単なる推理だよ。」
セル「はは、小説の読みすぎかな?」
セル「まだ決まったわけではないんだ。」
セル「“僕の考えでは”の話だよ。」
アル「……もしそれが本当だったら…」
アル「私は何をすべきなの…?」
セル「それは君次第だよ。アル」
アル「…」
彼は“自分の考え”を話しただけ。
本当とは限らない…
でも信じる余地もある。
だってたったの数ヶ月でイズハがあんなに変わるなんておかしい。
もし偽のイズハだったら…
その偽が私の弟と妹を殺したのなら……
絶対に許さない。
(イズハ視点)
イエローちゃん「よ〜し!結構作れたぞ〜!」
ユウキ「また売りに出すの?」
イエローちゃん「うん!まあね!」
イエローちゃん「自信作だからさ!」
ユウキ「実験台しなくていいの?」
イエローちゃん「あ〜、じゃあしてもらおうかな〜?」
ユウキ「げっ、言わなきゃよかった…」
イエローちゃん「あっははっ!冗談だよ〜!」
イエローちゃん「自分で試したから大丈夫」
ユウキ「そっか、すごいねイエローは本当」
イエローちゃん「でしょ!」
(…ガチャ)
イエロー「あ、ユウキそこにある薬品取ってくれる?」
ユウキ「わかった」
(ガタ…)
ユウキ「…これ?」
ユウキ「!!」
イエローちゃん「そうそうそれそれ〜!」
ユウキ「イエロー!危ない!」
イエローちゃん「…え?」
(アル視点)
偽物だなんて信じたくない。
でも偽物だとしたら早く殺さなきゃ…
イズハとユウキの命を奪った最低な奴なんだから…
いや…待って……これでもし仮に本物だったらどうするの…?
私は妹を殺したことになる。
まだ本物か偽物かなんてわからない。
一か八かで決めるしか…
イズハと共通するところは……
髪飾りとセーラー服…?
そんなものくらい簡単に偽れるはず…
どうしたら……
セル「どうしたの?アル」
アル「!…あ、いや……」
セル「まぁ大体はわかるよ。」
セル「…君は彼女のこと、」
セル「イズハで悩んでるんでしょ?」
アル「…うん、まぁ……」
セル「僕は彼女を怪しいと思ってるけどね。」
セル「でも、もし彼女が偽物で、疑っていると言うことを察されたら…」
セル「こっちが後から対処つかなくなるだけだし、」
セル「もし偽物だと思うんなら早めに処分した方がいいよ。」
アル「…それで仮に本物だったら、どうしようかなって……」
セル「まぁ偽物だと疑っているって言うのはただの僕の考えなだけさ。」
セル「君は君自身の考えに従った方がいいと思うよ。」
セル「選択は君が決めるだけだよ。アル」
アル「……そうね。」
彼は毎回自分の意見を言ってくれるから頼りになる。
…でも時々疑ってしまう。夫である彼を疑うなんてしたくない。
それよりいまはイズハのことをちゃんと考えなくちゃ。
私は今見てるイズハを偽だなんて考えたくない。
でも本物だと言う根拠もない。
もし殺さず正体が偽だった場合。私と彼は殺される。
でもその反対で、殺して本物だったら私は自分を責め続けることしかできない。
どっちも結果は最悪。
真剣に考えて決めなきゃいけない。
こんなに沢山悩んだのは初めてかもしれない。
妹の命はもうすでに亡くなっているかもしれない。早く結論を出さなきゃ。
彼の意見も貰ったのに無駄にはできない。
数日間考え込んだ。
もう殺すしかない。アイツは偽物。
胸に誓って決めたことなんだから…今更変えれない。
そう決意して倉庫からノコギリを取り出した。
アイツのいる地下室にあるラボに向かう。
緊張感でばくばくしながら音を立てずに階段を降りる。
アイツの声が聞こえる。
いつも通り幻覚と話しているらしい。
妹と弟の命を奪ったこと、償わせてやる。
ノコギリを構えてゆっくり近づく。
『イエロー!危ない!』
イエローちゃん「…え?」
(ザクッ)
イエローちゃん「あ…っ」
首元にノコギリの刃を差し込んでギコギコと押し引きを何度も繰り返す。
イエローちゃん「あ゙ぁ゙ぁ゙あ゙ああっ」
イエローちゃん「ぁ゙、あ゙ぁ…っあ…ぁぁ、っ」
苦しそうに叫び声を上げながらもがいている。見た目がイズハそっくりな為、心が痛む。
胸が締め付けられるように罪悪感が襲ってくる。
それでも私は手を止めずにノコギリを動かす。
イエローちゃん「ね゙ぇさ゛ん…っ、や゙めて゛え゙ぇ゛っ…くる゙しぃ゙…痛゛ぃ゙よお゙ぉ゙っ」
イエローちゃん「ぁ゙あああっ゛ねえ゙さん、っ」
イエローちゃん「…ぁ゙、あ……っあ゙…、。」
しばらくすると叫び声は段々と消えて行き、動きは自然と止まり、息の根もすでに止まっていた。
身体の方にも刃を刺し続けたので大腸などの臓器が引き摺り出ている。
血の匂いとその姿に吐き気を覚えながらも、
私は咄嗟に遺体を外に運び出し、遠く離れた森に埋めた。
数日が経っても頭の中で叫び声が聞こえ続け、あの顔が忘れられない。
少しの旅行から彼がようやく帰ってきた。
ことの事情を話したい所だったが、
人を殺してしまった罪悪感で食事もまともに取れず声を出すのもしんどかった。
彼が階段を登ってくる音が聞こえる。
(ガチャ)
セル「ただいま。待たせちゃったね。遅くなって悪かったよ。
セル「お土産買ってきたけど、食べるかい?」
アル「…」
セル「…どうしたの?」
セル「アル…前より痩せ細ってないか?ちゃんと食べてるのか?」
アル「…」
彼は私に対して話しかけてくるが、返答をする気力もない。
今はただそっとしておいてほしい。それだけだった。
セル「……まさか、」
セル「彼女を殺した?」
アル「…!」
セル「あっ、やっぱり?」
セル「そっか〜」
セル「それで罪悪感に浸ってたのかい?」
セル「嗚呼、可哀想な僕の妻よ。」
アル「……セ……ル、」
セル「ん?」
アル「…貴方…だけ……は、」
アル「……私……から、……離れない…で。」
セル「…」
セル「アル」
アル「…」
セル「君は何故罪悪感を抱いているんだ?」
アル「……えっ…?」
セル「彼女を殺すと決めたのは君自身だろ?」
セル「後から罪悪感を抱くなんて…」
セル「君は間抜けなのかな?」
アル「…何……で、」
セル「何でって言われてもね。人を殺して罪悪感を抱くのは当たり前だよ」
セル「初めてなら尚更ね。」
セル「結局のところ、君は全然考えられてない。」
アル「…でも……」
アル「……貴方は…彼女が、」
アル「偽物だ……って。」
セル「本当に君は馬鹿だ。」
セル「僕は言ったはずだよ。“僕の考えでは”ってね。」
アル「……」
セル「だからもし彼女が本人だとしたら、僕のせいにはしないでね。」
セル「殺したのは“君”なんだから。」
アル「…最低、」
アル「私の……妹と弟を…」
アル「……返して…」
セル「何を言っているんだい?」
セル「2人を殺したのは….君だろ?」
アル「…」
セル「嗚呼〜、その顔。」
セル「その美しい顔が見たかった。」
セル「馬鹿で無能な君の姿を…」
セル「拝めるなんて。」
アル「…やめて……」
アル「返して……返して…、」
セル「…そのナイフ、どうするの?」
セル「それで僕を殺す気?」
セル「僕を殺して何になるの?2人は報われるの?君は報われるの?」
セル「そんなことしたってただの殺し損だよ。」
アル「……」
セル「僕はそんな馬鹿な君が…」
セル「大好きだ。」
セル「…愛してるよ。アル」
もう……やだ。