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太陽組おたく ❤︎
しろっちー
Reto(レト) 過去,未来
,※R-18G
“机を叩く”
母「……どうしてなの。どうして?」
母「どうして貴方はレクみたいにいい成績を取れないの?」
レト「………ごめんなさい。」
母「レクを見習って。彼は貴方と違って優秀で、東大にも通えて何もかも完璧。」
母「それに比べて貴方は何?以前のテストより結果が酷いじゃない。」
母「……もうこれ以上うんざりさせないで。」
母「次の成績が悪かったら遊ぶのは禁止。わかったわね。」
レト「…ごめんなさい。」
今日もテストの点が取れなかった。
80点…75点…67点………
俺は兄貴と違って何もできないただの無能。
兄貴は生まれつきの才能がある。
成績も、大学も、恋人も、全部全部優秀。
取り柄のない俺には勝ち目すらない。
毎晩寝ずに勉強を続けても兄貴を越すことはできない。褒めてももらえない。
愛されたこともない。
昔からそうだった。
一度でも愛されてみたい。
父「学年トップ、すごいなレク!」
母「貴方は生まれる前から神様に愛されてるのね!“自慢の息子”よ!」
レク「そうかな?別に普通だよ。」
(ガチャ…)
レク「…」
レト「………ただいま。」
母「………」
父「………」
レト「……これ、テスト。」
“テスト用紙を出す”
母「何これ。ふざけてるの?」
レト「…でも」
母「こんなのでレクと同じ大学に行けると思ってるの!?」
父「……はぁ、お前は本当何もできないな。」
レト「……………ごめんなさい。」
母「今日は晩御飯抜きだからね。部屋から出ないで勉強してなさい。」
レト「……」
(…パタン)
レク「…」
レク「………ねえ母さん。」
母「どうしたの?」
レク「俺旅館とか泊まってみたいな〜、」
レク「…なんて。……わがままかな?」
父「いいじゃないか!」
母「そうね!レクは勉強も頑張ってて成績もいいし、たまにはご褒美あげないとね!」
レク「ほんと?…たのしみだなぁ〜」
父「なら計画立てないとな!」
母「うーん、いつがいいかしら?」
レク「………レトも来るの?」
母「まさか!連れて行かないわよ。あんな子」
母「勉強もろくにできないのに外に出せないわ。」
レク「そうだよね〜。変なこと聞いてごめん」
父「はは、弟想いの優しい奴だな!」
レク「……うん。そうかもね」
「………_」
レト「…」
「……おい」
「…おい!」
レト「……ん、」
リヤ「お〜い!!」
レト「…誰。」
リヤ「はぁ?忘れたのかよ。前一回話したことあんだろ!」
レト「………悪いけど、構ってる暇ないから」
リヤ「真面目君かよ。つまんねーの。」
リヤ「あ、そういえば明日の課題なんだっけ」
レト「……」
リヤ「…無視かよ?それくらい教えてくれたっていいじゃねーかよ」
レト「……」
リヤ「……もうすぐ下校時刻過ぎんのに、ギリギリまでやんの?」
レト「……」
リヤ「おーい、聞こえてますかー」
レト「うるさい。」
レト「勉強に集中してるんだ。話しかけるな」
リヤ「んなら家でやればいーじゃん」
レト「家は居心地が悪いから嫌だ。」
リヤ「…ふーん。」
リヤ「なぁ、帰る相手いないんなら一緒に帰ろーぜ!」
レト「…は?」
リヤ「だって1人じゃつまんねーし!」
リヤ「まあお前無口だから変わんないだろうけど、いないよりはマシだろ?」
レト「勝手にしろ。俺は普通に帰宅する」
リヤ「連れねーなぁ」
レト「……あんたみたいな不良と絡んでたら成績落ちる。」
リヤ「不良じゃねえよ!」
レト「はあ。」
母「……どうしてまたこんな点を取るの。」
レト「…」
母「ねぇ、聞いてるの?」
レト「………ごめんなさい。」
母「……今日も晩御飯は抜き。部屋に戻って勉強してなさい。」
レト「…ごめんなさい、……ごめんなさい。」
今日もダメだった。
こんなに努力して、勉強も頑張って、遊びも断じてるのに。
なんでダメだった?なにがいけない?
なにをしても俺だけ点が取れない。
兄貴は
なんでもできるのに。
“ノック”
レト「………」
(ガチャ)
レク「…レト、今日も晩御飯食べに来なかったね。」
レク「腹減らない?余ったパンでも食べる?」
レト「……勉強中なんだ。気が散るから部屋に帰ってくれ。」
レク「………へぇ。」
レト「…」
レト「…兄貴は良いよな。勉強も運動もなんでもできてさ。」
レト「それと違って俺は………」
レト「なんもできない。母さんとも父さんともまともな会話をしたことがない。」
レク「……」
レト「……本当に俺って必要なのか?兄貴が居ればみんな満足するだろ。」
レク「…………レト。」
レク「…成績も幸せも、全部俺に取られちゃったね。」
レト「……はぁ…?」
レク「可哀想。笑」
レク「ねぇ、どんな気持ち?悔しい?憎い?」
レク「許せない?悲しい?」
レト「………なに言って…」
レク「俺の弟なのに、なーんもできない。」
レク「ダメ人間だね。可哀想に……笑」
レト「…」
レク「じゃあ俺は母さん達と旅行の準備してくるよ。」
レク「……あ、後。問6の問題間違ってるよ。」
レク「じゃあね。」
(パタン……)
なんなんだ…アイツ。
あんな性格だったのか?あんなにクズだったのか?
浮気性のあるクズだと言う噂は聞いてたけど本当だったんだな。
母さん達が知ったら……なんて思っても言ったところで俺なんかが信じてもらえるわけない。
それよりも煽られたことに対して苛立つ。
もう関わるのはやめよう。
リヤ「なー購買行こうぜ!」
レト「…弁当あるからいい。」
リヤ「えー!いいなぁ〜、俺も弁当欲しい〜」
レト「……」
レト「…なんで毎回俺に付き纏うんだよ。」
リヤ「え?…んー、」
リヤ「話しやすい…っつーか、なんかお前といると機嫌良くなるんだよな」
レト「……俺は悪くなる。」
リヤ「え〜、ひっでぇ…」
最近コイツに付き纏われるたびに口数が何故か増える。
俺にもよくわからないが、話しやすいと言うのはこう言うことなのか?
人とまともに話すことがないからわからない。
まぁどうせコイツもすぐ俺に飽きて勝手に離れて行くし、今は放っておくしかない。
レト「………」
リヤ「…お前ってなんて名前だったか?」
レト「……」
リヤ「俺はリヤだ
あー…でも自己紹介の時に言ったか…」
レト「忘れてたからどうでもいい。」
リヤ「まじでひでぇなお前」
レト「……」
レト「………レト。」
レト「…別に覚えなくてもいい。」
リヤ「レト!ぜってー覚える!」
レト「……」
なんでこんなやつに名前を教えてしまったんだ。
別に友達でもなんでもない。ただのクラスメイトなのに。
こんな馬鹿そうなやつと連んでたら成績もまともに取れない。
さっさと離れて欲しい。
そう思ってたけど……
リヤ「レト、今日も一緒にカフェ寄ろうぜ」
レト「…また勉強教えろって言うんだろ。」
リヤ「せーかい」
レト「たまには自分で覚える努力もしろよ」
レト「俺にばっか頼んでたって意味ねえだろ」
リヤ「あるんだよな〜それが!」
レト「……たとえば?」
リヤ「お前の教え方上手いからかテスト3点上がった」
レト「嬉しくねぇ…」
数週間、数ヶ月。日に日にコイツと絡むようになって行った。
登校も昼休みも下校も、いつも一緒に居た。
リヤとの遊び時間が一番の楽しみになっていた。
レト「……ただいま。」
母「………レト。話があるの」
母「こっちに来て。」
レト「……」
母「…どうして最近帰りが遅いの?」
母「どうして点がまた下がってるの?」
母「ねぇ?レト。どうして?」
レト「………ごめんなさ_」
母「答えてよ!!」
レト「…。」
母「謝れなんて言ってないの。」
母「毎日どこでなにをしているの?」
レト「……友達と…勉強………してるだけ…」
母「…………今すぐその友達と関わるのをやめなさい。」
母「貴方まで頭が悪くなる。」
母「レト、貴方のために…私のために……」
母「ねぇ?……お願い。」
レト「……………うん。」
もうなにをしてもダメなんてわかってるのに。
なんで俺は俺の意思を通せない?
好きなこともできない。
自分の人生は全部全部、規制ばっかり。
褒められたいとは思っていたけど、ここまでするくらいなら“愛”なんていらない。
リヤ「……最近元気ねーな、どうした?」
レト「………徹夜ばっかりで疲れてるだけ。」
リヤ「…頑張ってんなぁ。」
リヤ「あ、そうだ」
リヤ「なぁ帰り時間ある?」
レト「……あるけど。」
レト「…………ここは…?」
リヤ「ここでリラックスできるようにヘッドホンでも買おうぜ」
リヤ「ほら行くぞ〜!」
レト「はぁ?…ちょ、……待てって…!」
リヤ「ん〜〜、これとか似合いそうだな」
レト「…いや、そもそも買わねえよ。そんな金ないし……」
リヤ「気にすんなって、俺からプレゼントしてやるよ」
リヤ「…あ、これが一番いいんじゃねえか?」
リヤ「………ん!似合ってる!」
レト「……本当にいいのか…?」
リヤ「いいっての。ほらさっさと買って帰えんぞ」
レト「…」
リヤ「…よし帰るか」
リヤ「じゃあな〜!」
レト「……リヤ。ありがと。」
リヤ「お〜。その代わり今度課題写させろよ」
レト「…はいはい。」
レト「………」
“ノック”
(ガチャ…)
レク「………」
レク「…レトが勉強中に音楽聴くなんて珍しいね〜。
そもそもヘッドホンを買えるようなお金あったんだ。」
レト「……」
レク「…聞いてる?レト。」
“ヘッドホンを外す”
レト「…!」
レク「人の話も聞こうとしないんだ?」
レト「……放っとけよ…」
レト「出てけ。」
レク「…兄に対する言葉じゃないね。」
レク「母さん達に言っちゃおうかな。」
レト「…さっさと用件言って帰れ。」
レク「………母さん達が言ってたよ。最近不良の友達と絡んでるんだって?」
レク「今度会わせてよ。どんな奴なのか気になるし。」
レト「……不良じゃない。」
レト「ただの友達。それに会わせる気なんかない。」
レク「へぇ〜。ただの友達…ね。」
レト「それがなんだよ。友達すら作るなって言いたいのか?」
レト「俺はお前のせいで人生を全部奪われた。」
レト「友達と話して笑ったりすることも、好きな漫画を読んだり遊んだりすることも」
レト「俺にはできない。」
レト「……自由を全部奪われてまで愛されたいなんて思わない。」
レト「勉強ばっかりでろくに好きなことができない。
もう嫌なんだよ。」
レク「………ねぇレト。」
レト「…なんだよ。もういいだろ。」
レク「今度レトが喜ぶような楽しいことを教えてあげる。」
レト「………?」
そう言って兄貴は俺の部屋から出て行った。
俺が“喜ぶような楽しいこと”?
兄貴のことなんてどうでもいいし興味もないのに……何故か気になる。
そんなことを考えながら勉強中の机に戻る。
一晩中勉強をし続けて、気づけばカーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。
レト「…ん、……ぁ…?」
レト「……やば…寝てた……今何時……」
レト「起きなきゃ……」
レト「…行ってきます。」
母「レト。今日テスト返ってくるでしょう?」
レト「………うん。」
母「80点……いや…90点取れなかったら家に入れませんからね。」
レト「……え?」
父「当然だろう。毎晩徹夜で勉強してたんだから取れるよな?」
母「そうよ。サボってなんかないはずでしょう?
なら大丈夫よ。」
母「ほら、いってらっしゃい。」
レト「……母…さん…」
(バタンッ‼︎)
レト「…………」
ドアが強く閉まる。
俺は不安になりながらも結果を祈りながら学校へ向かう。
大丈夫、大丈夫、大丈夫………大丈夫。
担任「……レト。」
名前を呼ばれ、席を立ち担任の元へ向かう。
レト「………あ。」
テストが返却され、
書かれた点数を見た途端に背筋が凍りつき、その場で固まる。
リヤ「なー結果どうだった?
俺12点だった〜、そろそろやべーよなぁ…」
レト「…………」
リヤ「お、73点か。いいな〜」
リヤ「俺今日も補習…仕方ないけど。」
レト「…」
…
…
…
リヤ「……レト?」
苦しくなるほど心拍が上がる。煩い心臓の音が耳まで伝わってくる。
“ドク…ドク……”
冷や汗が止まらない。
リヤ「…なぁ?大丈夫か…?」
リヤ「具合悪いのか?保健室…行くか?」
レト「…」
放課後まで心拍が収まることはなく、いつも通り帰宅する。
震える手でドアノブを握り、冷や汗を流しながらドアを開ける。
(ガチャ)
レト「……ただい…ま…」
声を震わせながら玄関で立ち尽くす。
母「お帰りなさい。テストの結果はどうだった?」
レト「……えっと…」
“ドク…ドク…ドク……”
心臓の音が身体の中で鳴り響く。
ゆっくりとカバンからテストを取り出す。
レト「…」
母「…なにこれ。」
母「………ねぇ、レト。なんなの?これ。」
レト「……」
母「…どうして。90点すらも取れないの?」
母「ねぇ、どうしてなの…
どうして貴方は何もできないの?」
母「私のせいなの?ねぇ、私が悪いの!?」
レト「………」
母「………どうして黙ってるの?」
母「…もういい、出てって。」
レト「……………母さん……」
母「出てってよ。」
レト「……ごめんなさい。」
(ガチャ)
レク「…あれ?こんなところで何してるの?」
母「レク…!お帰りなさい…今日は早かったのね…」
レク「うん。今日は午前授業だったからカフェでずっと勉強してたんだ。」
母「そう、言ってくれればよかったのに…」
レク「いいんだ。……それより、何してたの?」
レト「…」
母「レトはもう何もできないし、期待もないから家から追い出すわ。」
レク「……」
母「……レト。早く出てって。」
レト「………うん。」
レク「…待って。」
母「…レク?」
レク「レトが出て行くなら俺も出て行く。」
レト「……は…」
母「な、何を言ってるの!?」
母「貴方が出て行く必要なんてないのに…!」
レク「……レトがいないとつまらない。」
レク「…勉強が進むのも、何もかも上手く行くのも、レトのおかげなんだよ。」
レト「…はぁ?何言ってんだ…………」
母「……」
レク「とにかく、レトを追い出す気なら俺も出て行くから。」
母「………わかったわ。」
レト「……」
母「…レト。貴方は部屋にいなさい。晩御飯は抜きだから。」
レト「…」
なんとか追い出されずに済んだが、兄貴は何を考えているんだ…?
兄貴に言われた言葉を思い出して鳥肌が立つ。
俺のおかげで何もかもが上手くいく?
やっぱりアイツは気色悪いクズだ。
リヤ「あーっちぃ〜…」
リヤ「この間まであんな寒かったのに急に夏かよ。」
レト「そうだな。いきなり気温上がったよな」
リヤ「一生秋とかでいいだろ。」
レト「本当にそれ_」
。
レト「………な…」
リヤ「んだよなぁ〜、暑すぎるもんな〜。」
レト「……」
リヤ「……ん、どうした?」
レト「…」
リヤ「……?
なんかあったのか?」
レト「…あ、いや……別に…」
リヤ「んー…そうか。」
突然横を通り過ぎて行った“あの人”。
綺麗な横顔。クセになりそうな香り。
……素敵だ。
きっと俺はあの人に会うために生まれたんだ。
俺にはあの人しかいない。あの人にも俺しかいないに決まってる。
あの人は俺に会いにきたんだ。
俺のために…
間違いない。あの人が…“運命の人”
レト「…」
リヤ「でさぁ〜、俺はただ遊びたかっただけなのに相手の女本気になってきて……」
リヤ「…なぁ、聞いてる?」
レト「え?……あ、あぁ…うん。」
レト「悪い、ぼーっとしてた…かも……」
リヤ「なんだよ。恋でもしてんの?」
レト「……」
リヤ「なんちゃって。レトが恋なんてするわけねーか。」
レト「…恋。………これが…?」
リヤ「…………え」
リヤ「まじで恋してんの…!?」
レト「えあ……いや…その。」
リヤ「誰?隣のクラス?三組の女子?」
レト「いやだから…」
リヤ「どんな見た目?名前は?先輩?後輩?」
レト「うるさい……違うって」
リヤ「なんだよ、応援してやるから言えよ
ほら協力してやるよ」
レト「学校の生徒じゃない。」
レト「…あと、………女じゃない。」
リヤ「……は!?」
リヤ「いや、まて…!女じゃない?男なのか…?
待て待て…お前ホモだったのか?」
レト「はぁ?…違うから。」
レト「なんて言うか……俺…」
レト「恋愛とかよくわかんないけど…その人と運命な気がして……」
レト「その人と幸せにならないと後悔する。絶対。」
レト「俺にも、その人にも、…お互いがいないとダメなんだ。」
レト「だからもっとその人のことを知りたい。その人を他の奴に取られたくない。」
レト「他の奴に触れて欲しくない。見て欲しくない。」
レト「………俺だけを見てて欲しい…」
リヤ「…………」
リヤ「…なんつーか……お前ってめっちゃ欲望深いんだな…」
レト「…そんなことないだろ。」
リヤ「いやあるだろ。」
リヤ「めっちゃ……なんか、ヤンデレ気質?ってか、やばい奴だったんだな。」
レト「それならお前もやばい奴だから同じだな。」
レト「女をおもちゃだと思って都合のいい物に扱ってんだし。」
リヤ「それとこれとは違ぇだろ!」
レト「……とにかく俺はあの人に近づきたい。話したい。触れたい。」
レト「声だけでも聞きたい。」
リヤ「んー、まぁ……頑張れ…」
レト「引くなよ。」
その日から俺は毎日“あの人”について調べた。
名前は“Ara(アラ)”と言うらしい。
歳も離れていて、俺よりも年上の先輩…
仕事場も、住所も、趣味も、生活も全部全部わかった。
あとはもっと先輩に近づいて俺だけを見てもらうんだ。
待っててね。先輩。
(Reku(レク)目線)
最近弟が恋をしているらしい。
弟のことは表情や雰囲気で大体わかる。
それに相手は歳の離れた男。
誰かもわからない相手に大切な弟を奪われるなんて絶対に考えられない。
俺の方がレトを愛している。俺の方がレトのことを知ってる。
俺の方がレトに相応しい。
あんな男に渡したくない。
(ガチャ)
レク「…れーと。」
レク「こんな暗い部屋で何してるの?」
レク「……って、ヘッドホンしてるから聞こえないか〜。」
“ヘッドホンを外す”
レト「!……な、」
レク「何してるの?こんな暗い部屋で。」
レト「……別に。」
レク「…そのモニターの画面に写ってる部屋、何?」
レト「兄貴に関係ない。出てけ。」
レク「……あれ。このヘッドホン音楽用じゃないの?」
レク「男の人の声聞こえるんだけど、なんで?」
レト「いいから返せよ…!」
“ヘッドホンを奪い取る”
レク「………ねぇ。そんな男の声でヌけるの?」
レト「……」
レク「……あ、バレてないと思ってた?」
レク「残念、バレてるよ。」
レク「俺はレトのことならなーんでも知ってるんだから。……ね?」
レク「そうだ!折角だし、前言ってた“レトが喜ぶような楽しいこと”今からしよっか。」
レト「…は?」
(ガシッ…)
レト「おい…っ!何して…!」
レト「離せよ…!!」
レク「ん?…嫌なの?」
レト「嫌に決まってんだろ…!!早く離せ!」
“蹴飛ばす”
レク「いっ……」
レク「…た。」
レト「………」
レト「…気持ち悪い。早く出てけよ…クソ兄貴……」
レク「…」
(…パタン)
折角母さん達のいないタイミングを狙ってまでレトを俺だけのモノにしようとしたのに…
拒絶されちゃった。
まぁいいや。
レトが絶望するようなことを沢山して、レトが喜ぶようなことも沢山すれば。
色んなレトが見れる。
楽しみ。
(Reto(レト)視点)
ついに決めた。
俺は両親も兄貴も殺す。絶対に。
これだけは完璧に計画を立てて兄貴に勝つ。
先輩と幸せになるためにはこれしかない。
俺と先輩の為に、殺さないと。
両親は殺せるとしても、兄貴はそう簡単には殺せない。
俺が殺そうとすれば絶対に反逆してくる。
しっかり阻止しないと殺せない。
まずは両親を殺したその後に兄貴を殺す。
早く殺らないと……
レト「…」
リヤ「レト〜、今日カフェ寄ろうぜ」
レト「悪いけど、今日は用事があるんだ。
先に帰る。」
リヤ「え、珍しいな…」
リヤ「…先輩のこと?」
レト「それもあるけど今は違う。」
レト「とにかく先に帰るから今日は他のやつと帰ってくれ。」
リヤ「んー、仕方ねーな。」
もうこれ以上兄貴達に邪魔されるのは我慢の限界だ。
帰宅後、台所に置いてあるナイフを手に持ち両親の部屋に向かう。
やけに静まり返った部屋、香る嫌な臭い。
間違いない。両親は俺が殺すまでもなく死んでいる。
抵抗したであろう跡と血まみれの両親。
レク「……ふっ…」
レク「ふふ、……あははっ!」
背後から兄貴の笑い声が聞こえる。
両親を殺したのはやっぱりコイツだった。
憎い。クソ兄貴。
レク「どう?びっくりした?」
レト「……………兄貴。」
レク「ねぇ、びっくりしたでしょ?」
レク「だって先に殺そうとした人が殺されてたんだもんねぇ!」
レク「しかも“殺したかった相手”に…笑」
レク「あっはは!ドッキリ大成功〜!」
レト「……」
レク「あ、でも片付けるのが大変だなぁ。」
レク「ブルーシートでも敷いとけば少しは楽だったかな。
次からは気をつけないと。…ね?」
レト「…………クソ兄貴が……なんで全部全部俺から奪うんだよ…!」
レト「俺が兄貴になんかしたか?なにか恨まれるようなことしたか?」
レト「……死ねよ…!!」
“包丁を振りかぶる”
レク「わっ、…そんなもの振り回したら危ないよ。」
レト「…………もう出ていく。」
レト「……さっさと死ね。」
レク「…辛辣、酷いな〜。」
(バタン…)
兄貴の顔はしばらく見たくない。
と言うか…一生見たくない。
俺から全部全部奪っていく。絶対に殺す。
早く殺さないと先輩も兄貴に狙われる。
絶対に兄貴だけは……許さない。
リヤ「……んで、そのイカれた兄と2人で住むのは嫌で俺のとこ来たってわけ?」
レト「…そんな感じ。」
リヤ「にしてもやべーな。お前の兄貴。
本当イカれてる。」
リヤ「前お前の家遊びに行った時なんか俺の菓子にやばそーな薬盛られてたし、怖えな。」
レト「俺が気づいてなかったら食べてただろ。お前」
リヤ「まぁな。俺パンケーキ好きだし」
レト「それはどうでもいいけど。」
数ヶ月が経つ。
俺は兄貴との別居を始め、新居では毎日先輩を監視したりする。
そしてようやく先輩を見つけた。
先輩に近づいて話すことができた。
最初は怯えるように俺を見て「誰…?」と聞かれたけど…きっと照れ隠しなだけ。
俺にはわかるよ、先輩。
いつも陰から見守ってるし、先輩が毎日どんな事をして、どんな食べ物を食べているのか。ぜーんぶ知ってる。
先輩……だいすき。
あーあ。俺が女だったら先輩と結婚もできたのに。
先輩と色んなことしたいな。
きっと先輩もそう思ってるよね。
俺のこと待ってるよね。
大丈夫だよ。絶対に叶えてみせるから。
それまでずーっと一緒にいよう。
拒まないでね。
最近リヤの連絡が繋がらない。
前まではしつこくメッセージを送ってきたり電話をかけてきていたのに、今ではずっと音信不通で顔も見ない。
リヤと遊んでいた女子達に聞いてみるも、今ではみんなリヤと関わっていないらしい。
少し心配だけどリヤのことだからすぐ戻ってくる。
そう思ってスマホを開く。
“一件のメッセージが届いています。”
リヤから数ヶ月ぶりにメッセージが一件だけ届いていた。
「 “位置情報” 21階の6号室に来て 」
そこにはマンションを示した位置情報と“21階の6号室に来て”と言う文だけだった。
何かあったのかと更に心配が加わり、示されたマンションに向かう。
“21-06”
部屋を見つけて鍵の開いてるドアを開ける。
レト「リヤ…!大丈………夫…」
レト「……………………え」
ドアを開けて入った途端、何故かリヤのスマホを持っている兄貴がいる。
レク「あ、やっと来た。」
レト「……なんで…………お前が……」
レト「……!!」
レクの足元に目がいく。
“リヤの生首”が転がっていた。
レト「………は、」
レト「……は?……嘘…嘘だろ。」
レト「…………リヤ……リヤ…?」
レク「あぁ、これ?」
レク「じゃーん!首切るの大変だったんだ〜。
ほら、骨のところが引っかかってさ。」
レク「そこまで上手く切れなかったけど……どう?これでも頑張ったんだよ?」
レト「……ふざけるな…………」
レト「なんで………なんなんだよ…」
レト「………………なんだよ…これ………」
レト「………なにがしたいんだよ…!」
レク「クリスマスプレゼントだよ。」
レク「レトにとって、初めてのクリスマスプレゼント。」
レク「ね?嬉しいでしょ?
もっと喜んでよ。」
レト「…こんなので喜ぶ奴がいるかよ………
馬鹿じゃねえの……」
レト「クソ兄貴………お前が死ねばいいのに……」
レク「…」
レク「………ねぇねぇ、見て見て」
レト「……?」
レク「こいつがかけてたメガネ、俺の方が断然似合うよね。」
レク「ほら、どう?似合う?」
レト「…………」
レク「あ、ケーキ食べる?チキンもあるよ。」
レク「折角のクリスマスなんだし、今日くらいお兄ちゃんとパーティしようよ」
レト「………するわけないだろ…」
レト「…俺はもう帰る。」
レト「お前と二度と顔合わせしないからな。」
レク「……待って。レト」
レト「…次なん_」
(ザクッ……)
レト「っ……痛…」
振り返ろうとした瞬間、腹部に激痛が走る。
ドバドバと血が溢れて同時に痛みで立つことができなくなりその場に倒れ込む。
レト「ぁ……あ゙あ…っ…」
レト「……ぅ、痛……くそ…っ!」
レク「ハッピーメリークリスマス!」
レク「今年のクリスマスプレゼントはずーーっと欲しくて欲しくて手に入らなかったモノがようやく貰えるなんて!!」
レク「嬉しいなぁ!人生で一番最高なクリスマスだなぁ!」
レク「ねぇねぇ、レト!
もう絶対離さないから、諦めて俺に殺されてね!」
レト「……ぁ、……ゔ、絶対……嫌…だ……」
レト「お前…なんかに………殺されたく……な……」
レク「……なんで?」
(ザクッ‼︎)
レト「あ゙ぁあっ…!!」
レク「俺が一番レトのことわかってて愛してるのに。
なんで嫌なの?」
レク「レトは愛されたかったんじゃないの?信頼されて、愛されて、なんでもわかってもらいたい。」
レク「そう思ってたよね?」
レク「なのに俺じゃダメなの?なんで?」
(ザクッ‼︎ザクッ‼︎)
レト「ゔぁあ…ぁ、!……やめ……」
レト「ぁ゙あ………痛゛ぃ、!痛い…」
レク「痛い?辛い?」
レク「それとも、もっと欲しい?」
レト「嫌だ…ぁ……痛い…ぃ゙………ぁ、あ…」
レク「じゃあ、気持ちよく殺してあげるね。」
レト「 」
レク「レト、おいしいね!」
レク「俺このケーキ大好きなんだぁ。」
レク「このお肉も結構高かったんだよね。」
レク「ね、おいしいでしょ?」
レク「………」
レク「もう離さないから安心してね。」
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