テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
死ネタ
探索の合間に、五人は結局、二手に分かれることになった。ロシアと中国、北朝鮮は広間の方へ。
イギリスとフランスは、重たい鉄の扉を押し開けて、その奥へと足を踏み入れた。
扉が閉じる音が響いた瞬間、二人の周囲はしんと静まり返った。
そこは薄暗い廊下。
壁のランプが弱々しく灯り、影が波のように揺れている。
冷たい空気が、背筋を撫でるように流れ込んできた。
🇬🇧「……静かですね」
イギリスが低くつぶやく。
フランスは肩をすくめて笑った。
🇫🇷「怖いくらいだね。……二人きりっていうのも、悪くないけど」
軽い口調の裏に、隠しきれない緊張がにじんでいた。
それでも彼は歩きながら、ちらちらと隣のイギリスを盗み見る。
無表情、冷静、どこまでも揺らがない横顔――。
フランスはその冷たさに、なぜか安心すら覚えていた。
🇫🇷「…イギリスとなら、本当に抜け出せる気がする」
フランスはそう言って笑い、大げさに肩を寄せる。
そして視線を絡めた。
🇫🇷「僕を守ってくれるでしょ?」
冗談めかした声。だが、それが冗談だったのかは、フランス以外分からない。
わずかに熱を帯びた眼差し――それは計算ではなく、心の底からあふれ出た弱さだった。
イギリスは立ち止まり、フランスを見返す。
ほんの短い沈黙。 やがて、彼は微笑んだ。
🇬🇧「……ええ。もちろんです」
フランスは安堵の息をついた。
そして、握ったイギリスの手に力を込め――。
――その瞬間。
ドスッ
🇫🇷「っ……!?」
腹部に鋭い痛みが走った。
フランスは驚愕の表情で下を見下ろす。
イギリスの手に握られた短剣が、自分の体に深々と突き刺さっていた。
🇫🇷「な……ん、で……」
声が掠れ、すぐ消えてしまいそうだった。
視界が揺れ、霞む中、それでも必死にイギリスを見上げる。
「裏切られた」という絶望と――叶わぬ想い。
フランスの唇が震える。
🇫🇷「僕っ……イギ……す……」
最後の言葉は、空気に溶けて消えた。
言いかけた「好き」は、彼自身の胸の奥に取り残されたまま。
イギリスは冷ややかに見下ろし、淡々と囁いた。
🇬🇧「……なんと、言いました?」
だが、もう返答は二度と返らない。
フランスの体が崩れ落ち、冷たい床に横たわる。
その瞳には、涙が残っていた。
イギリスは膝をつき、手の甲に付いた血を見つめる。
しばし無言で、それを舌で舐めとった。
🇬🇧「……悪くないですね」
小さく吐き捨てるようにつぶやくと、すっと立ち上がった。
その表情に感傷はなく、足音も乱れない。
***
やがて”仲間たち”のもとへ戻る。
心配そうな顔で、何食わぬ声をかけた。
🇬🇧「……フランスが見当たらないんです。目を離した隙に、どこかへ…」
声は穏やかで、ほんのわずかな不安を滲ませている。
――誰も、疑わなかった。
裏切りブリカスちゃんだね♡そんな、イギリスも愛すぜ😘💕ではまた!