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死ネタ



探索の合間に、五人は結局、二手に分かれることになった。ロシアと中国、北朝鮮は広間の方へ。

イギリスとフランスは、重たい鉄の扉を押し開けて、その奥へと足を踏み入れた。


扉が閉じる音が響いた瞬間、二人の周囲はしんと静まり返った。


そこは薄暗い廊下。

壁のランプが弱々しく灯り、影が波のように揺れている。

冷たい空気が、背筋を撫でるように流れ込んできた。


🇬🇧「……静かですね」

イギリスが低くつぶやく。


フランスは肩をすくめて笑った。

🇫🇷「怖いくらいだね。……二人きりっていうのも、悪くないけど」


軽い口調の裏に、隠しきれない緊張がにじんでいた。

それでも彼は歩きながら、ちらちらと隣のイギリスを盗み見る。

無表情、冷静、どこまでも揺らがない横顔――。

フランスはその冷たさに、なぜか安心すら覚えていた。


🇫🇷「…イギリスとなら、本当に抜け出せる気がする」

フランスはそう言って笑い、大げさに肩を寄せる。

そして視線を絡めた。

🇫🇷「僕を守ってくれるでしょ?」


冗談めかした声。だが、それが冗談だったのかは、フランス以外分からない。

わずかに熱を帯びた眼差し――それは計算ではなく、心の底からあふれ出た弱さだった。


イギリスは立ち止まり、フランスを見返す。

ほんの短い沈黙。 やがて、彼は微笑んだ。


🇬🇧「……ええ。もちろんです」


フランスは安堵の息をついた。

そして、握ったイギリスの手に力を込め――。


――その瞬間。


ドスッ


🇫🇷「っ……!?」


腹部に鋭い痛みが走った。

フランスは驚愕の表情で下を見下ろす。

イギリスの手に握られた短剣が、自分の体に深々と突き刺さっていた。


🇫🇷「な……ん、で……」

声が掠れ、すぐ消えてしまいそうだった。

視界が揺れ、霞む中、それでも必死にイギリスを見上げる。


「裏切られた」という絶望と――叶わぬ想い。


フランスの唇が震える。

🇫🇷「僕っ……イギ……す……」


最後の言葉は、空気に溶けて消えた。

言いかけた「好き」は、彼自身の胸の奥に取り残されたまま。


イギリスは冷ややかに見下ろし、淡々と囁いた。

🇬🇧「……なんと、言いました?」


だが、もう返答は二度と返らない。


フランスの体が崩れ落ち、冷たい床に横たわる。

その瞳には、涙が残っていた。


イギリスは膝をつき、手の甲に付いた血を見つめる。

しばし無言で、それを舌で舐めとった。


🇬🇧「……悪くないですね」


小さく吐き捨てるようにつぶやくと、すっと立ち上がった。

その表情に感傷はなく、足音も乱れない。


***


やがて”仲間たち”のもとへ戻る。

心配そうな顔で、何食わぬ声をかけた。


🇬🇧「……フランスが見当たらないんです。目を離した隙に、どこかへ…」


声は穏やかで、ほんのわずかな不安を滲ませている。

――誰も、疑わなかった。





裏切りブリカスちゃんだね♡そんな、イギリスも愛すぜ😘💕ではまた!


操りの手、踊る国たち

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