テラーノベル
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「…貴方達、もしかして、―――」
ハートの女王が俺たちを城に呼んだ。というのも、それを伝えてきたのはドードーだった。少し険しそうではあったが、何が起こるか分からないから楽しみだ。
「何故貴方がここにいるんです?」
「それはこっちのセリフだ、ウサギ。君が呼ばれるようなことをするなんて珍しい。」
「俺は何もしていない、貴方こそ何かしたのでしょう。」
「ははっ、残念ながら俺も何もしてないんだ。」
「…そうですか。」
城の近くまで歩いて来た時にウサギと鉢合わせた。どうやらウサギも呼ばれたらしい。俺もウサギも呼ばれるようなことはしてないが、理由が分からないからこそ面白い。
「おい、帽子屋。白ウサギ。何故ここに来た。」
「やぁ、衛兵さん。相変わらずの堅物だね。」
「何故ここに来たか聞いている。答えろ。」
「俺達は女王に呼ばれたんです。理由は不明ですが。」
「…さっさと進め。」
「ありがとう。」
ドードーは知ってたのに衛兵は知らなかったのか、心外だな。だとしたらチェシャ猫を経由して聞いたんだろう。しかし、衛兵は変わらず女王を口実にすれば安いもんだな。
「ごきげんよう、女王。」
「ごきげんよう、女王様。」
「帽子屋、白ウサギ、ごきげんよう。随分と早かったわね。あの子は簡単に通さないと思っていたのだけど。」
「君に呼ばれたとウサギが言ったら、すぐに通してくれたんだ。」
「私がそう言ったと言えばすぐに通すなんて、あの子も可愛いものね。」
「…すみません、貴女は何故俺達を呼んだんです?」
「ごめんなさい、話が逸れてしまったわ。単刀直入に聞くわ。貴方達、もしかして、…付き合ってたり、するのかしら。」
何とも早くに女王にバレてしまった。女王が聞いてきたとき、少し顔が赤くて目を逸らしてるように見えた。やはりまだ幼いな、女王は。
「女王は何故そう思ったんだ?」
「昨日のお茶会でチェシャ猫に聞いたわ。こっそり貴方のいる部屋に入ったらたまたま目撃したみたいで。」
「…まぁ、あながち噓では…。」
「おいおいウサギ、何故照れる。別に隠すような事でもないだろう。」
「貴方は他と違うからそう言えるんです、普通は嘘吐きたくなりますよ、同性で付き合ってたら。…あ”っ…。」
「ふふっ、やっぱりそうみたいね。大丈夫、この世界のみんなには言わないわ。」
「『みんなには』って…。」
「女王も大したものだ、同性愛を目の当たりにしているのにな。」
「それが意外と慣れてしまうのは私も不思議だけどね。でもこの世界に存在するとは思わなかったわ。ある意味特別な経験かもね。」
「そ、そうでしょうか…。」
「ちょっとだけお話聞かせてもらうわ、茶会にしましょう。」
「名案だ。…ウサギ、恥ずかしがったらもっと恥ずかしくなるんだ。」
「だから何ですか!?」
「ふふふ、案外楽しみね。」
女王は楽しんでるようだが、自覚はなさそうだな。まぁ、言わないでおいた方が面白いか。
コメント
1件
以外にすんなり受け入れたな〜☆