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ある日、学校に忘れ物を取りに行くと、窓に腰かけている少年がいた。
どこか見覚えのあるその姿は、過去のトラウマを思い出させた。
思い出したくもない記憶。
人間は、忘れようとするものほど記憶に残ってしまう。
消したかったのに。あともう少しで、消えそうだったのに。
「、、、なぁ、あんさん。名前は?」
急に話しかけられたのでびっくりした。
、、、あぁ。やっぱ、そうなんやな。
「ロボロ、、、お前なんやな、、、」
「、、、シャオロンか。」
「、、、あぁ。」
しばらくの間、流れる沈黙。
空気が重い。
あまりここに長居したくはなかった。
早く帰りたい。そう思った途端、また話しかけられる。
「シャオロン。なんでここに来た?」
「忘れ物を取りに来たから。」
「そうか、、、」
あの時、”死んでしまったはず”のお前が、なぜここにいるん?
思い出せんといてや、、、
「なぁ、、、ロボロ。なんでお前はここに居るん?」
「地縛霊や。」
「地縛霊?」
「あぁ。俺はまだこの世に未練があったから、ここにおるんや。」
「地縛霊は未練があったりして、死んだ時にいた場所から離れられないんよ。」
そう、簡単に、俺にわかりやすく説明してくれたロボロは、
どこか、悲しそうな、何かを懐かしむような、そんな声を出していた。
でも、確かに震えていた。
「その、未練は何なん?」
「、、、死んだ原因を思い出すこと。」
「そして、、、お前らの笑顔を見ること。」
「なら原因、教えてやるよ。」
「え、、、?いいんか?」
「ええに決まっとるやろ、、、それでお前が無事に成仏できるんなら。」
「w、、、相変わらずお前は優しいな、、、」
「でも、まだええわ!」
「え?」
「お前たちの笑顔を俺が見たら、言って欲しいんよ!」
「、、、わかったわ。じゃあ、また明日!」
「またな!」