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1話 魔法少女の招待状
深夜、自室
(スマホをいじる桜田みこ。何気なくホーム画面を眺めていると、見覚えのないアプリアイコンが目に入る。)
みこ「……ん? こんなアプリ、入れたっけ?」
(アイコンには黒い装飾が施された魔法陣のようなマーク。その下に表示されるアプリ名は「Magica・Order」。)
みこ「勝手にインストールされた? ウイルスとかじゃないよね……?」
(少し不安になりながらも、興味に勝てずアプリをタップする。)
(画面が暗転し、不気味な白い文字が浮かび上がる。)
スマホの画面
「あなたは選ばれました。魔法少女になりますか?」
選択肢: 「YES」/「NO」
みこ「魔法少女……? なんか怪しいけど……」
(思わず笑ってしまう。幼い頃から魔法少女に憧れていた。でも、現実にはありえない。ただのネタアプリだろう。)
みこ「まあ、せっかくだし……」
(軽い気持ちで「YES」をタップする。その瞬間、画面が一瞬フラッシュし、「契約完了」の文字が表示された。)
みこ「うわっ、びっくりした……。なにこれ、これだけ?」
(特に何も起こらず、スマホを置いて布団に潜り込む。)
翌朝、登校中
(みこは幼なじみの佐々木海と並んで歩いている。)
海「お前、昨日ゲームやってた?」
みこ「え? いや、なんで?」
海「なんか、夜中にスマホいじってただろ。オンラインにいたっぽいし。」
みこ「……まあね。変なアプリが勝手に入ってたのよ。」
海「変なアプリ?」
みこ「『Magica Order』ってやつ。魔法少女になれるって書いてあった。」
海「は? お前、そういうの好きだもんな。」
みこ「別に、好きだけどさ……。でも、なんか気持ち悪かったんだよね。勝手にインストールされてるし。」
(海は呆れたようにため息をつく。)
海「ウイルスとかじゃねぇの? ちゃんと削除したのか?」
みこ「うーん……まだ消してない。」
(そう言いながらスマホを開く。しかし、そこに「Magica Order」のアプリアイコンはなかった。)
みこ「……え?」
海「ん? どうした?」
みこ「ない……。アプリが消えてる……。」
(違和感を覚えつつも、そのまま学校へ向かった。)
放課後、自宅前
(学校から帰宅すると、玄関に小さな宅配便の箱が置かれていた。)
みこ「荷物……? なんか頼んでたっけ?」
(差出人は不明。ただ、宛名にはしっかりと「桜田みこ」と記されている。)
(不審に思いながらも箱を開けると、中には黒い装飾が施された不気味なステッキが入っていた。)
みこ「え……なに、これ……。」
(さらに、小さな黒いカードが入っている。「契約完了」の文字が、血のような赤いインクで記されていた。)
(その瞬間、頭の奥に直接響くような声が聞こえる。)
謎の声「契約完了……ようこそ、魔法少女の世界へ……」
(視界が歪み、体が熱くなる。耳鳴りと共に、どこか遠くで人の悲鳴のような声が聞こえた。)
みこ「う、うぁ……!?」
(体の奥深くに何かが刻まれていく感覚――そして、ふと気がつくと目の前に黒い猫のような小さな生き物がいた。)
???「やっと目を覚ましたな、ご主人。」
みこ「えっ……?」
(驚いて後ずさるみこ。しかし、その生き物はしなやかに宙を舞い、みこの肩に乗った。)
???「俺はらんま。お前の使い魔だ。」
みこ「使い魔……?」
らんま「お前はすでに契約を交わした。これから魔法少女として生きることになる。」
(混乱するみこ。しかし、らんまの瞳は深く冷たい光を宿していた。)
(彼女はまだ知らなかった。これは”憧れた魔法少女”ではなく、“呪われた魔法少女”の物語であることを――。)