夏の声がする。
「ほらよ」
「ん、ありがと」
友人に貰ったサイダーのキャップを開け、1口飲む
「お前さ」
「どうした?」
「俺に隠しとることあるやろ」
「…なんでや」
「…なんで気づくねん、アホ」
「アホちゃうわ、いいから話せや」
「俺さ、」
死ぬんや。
「そうか、なんでや」
「実は昔から持病持ちやねん」
「いつ死ぬん」
「1ヶ月後。多分」
「そうか、やったら俺なんかと遊んでないで家族とすごしてこい」
「ちゃう、俺は葎と過ごしたい。」
「なんで?」
「理由は言えない」
「分かった、とりあえず今日は家帰るわ」
「うん」
「葎?帰ってきたの?おかえり」
「ちょっと無視?」
「なんで、」
「なんでやっ」
「「ずっと一緒」って言うたやん、」
「はぁ?おまえのとうちゃんでていったん?」
「うん、「ごめんな、葎」って、」
「うわっわかったから、なくなよ〜!」
「だって、」
「わかったって、おれは葎のそばにいるから!」