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どうも皆様、サカナです
シカさんのツノが落ちてくる季節ですね
昨日30℃と聞きまして、そろそろ世界も終わるかなぁとしみじみした昼下がりでございます
奈良さんと栃木さんが落角するだけです
今日はゴールデンウィーク。
無理やりもぎ取った休みで、栃木と東京はゆったりしていた。
もちろん、東京は栃木の上に座っている。
栃木「うーん…そろそろ角が落ちる気がするよー…かゆいー…」
珍しくツノが出ている栃木は、先ほどからむず痒そうに頭を振っている。
東京「落角だっけ?あれ痛くないのか毎年気になる」
栃木「痛くはないけど、めちゃくちゃかゆい。かゆ…うま…」
この時期になると毎年こうで、抜ける前後はかゆい〜と言いながらクッションや膝に乗る東京を抱きしめ、掻かないように我慢している。
東京「へえ〜。触っていい?」
栃木「いいよ〜。あ、でも触った衝撃で落ちるかもだから、反対方向にだけ押してね」
東京「わかってるよ。何年一緒だと思ってるの?」
栃木「ふへ、それもそうだね」
つんつんと触ってみると、角が落ちた。
栃木・東京「あ」
栃木・東京「…」
東京「…落ちたね」
栃木「…落ちたね」
落ちたツノを床から机に乗せてみる。
サイズや性質は一般のシカと変わらない。毎年ゲットできるので、欲しい人にあげるか、中国に漢方薬にしてもらう方が多い。
栃木「とーきょー、洗面台まで包帯持ってきてくれる?もう片方落としてくる」
東京「り」
ティッシュで少し滴る血を拭き取り、栃木は洗面台まで歩いて行った。
栃木「うー…かゆい…」
東京「とーちぎ!包帯!」
栃木「ありがと〜」
包帯はほとんど必要ないが、雑菌や流血を考慮して、2、3日巻くようにしている。
東京「神奈川たちにも連絡しておいたから、すぐ帰ってくると思う」
栃木「うわ、優秀〜!流石お嬢!」
東京「えへへ、そうでしょ? 」
よしよしと東京の頭を撫で、栃木の落角は無事に終わった。
一方で、同じくシカの奈良も落角しそうであった。
奈良「今日かな〜、明日かな〜」
京都「そろそろやろなぁ」
奈良「そういや、栃くんはもう落角したんかな?」
京都「さぁ?先月はまだ生えとったな」
奈良「争いもせんのにこんなん生えるって、まあまあ大変よねえ」
鹿のツノは繁殖期の争い以外で使われることはほとんどなく、そもそも人型である奈良や栃木には不必要なものだ。
それでも生えてくるのだから、当事者としては困っている。
奈良「こんくらいまで伸びると重たいし、そろそろ寝ようかなぁ」
そう、その困りごとの一つが重量である。
重さ自体は大したことないのだが、それなりの質量はある。伸びるごとに重心も変わり、落角前に至っては寝ている方が楽になる。
多少枕に刺さるのはご愛嬌だ。
奈良「よ〜い…しょっ!」
ガタッ…
奈良「うわぁっ!?」
京都「!?」
頭を大きく振ったせいでツノが吹き飛び、急に軽くなった影響で奈良も後ろに倒れ込んだ。
吹っ飛んだツノは床に墜落している。
奈良「いったたた…」
京都「大丈夫かいな?!」
奈良「うん…背中打っただけで済んだわ…床平気そう?」
ソファの背もたれ部分に骨がもろに当たったようで、奈良は顔を歪めた。
京都「床はどうでもええよ、ほんまに怪我しとらんね?」
奈良「しとらんよ。京くんは優しい子やなぁ」
もう痛みはないのか、立ち上がって京都の頭を撫でた奈良。
京都や家具からは離れて、勢いのままもう片方のツノも振り落とした。
奈良「軽くなったで!」
京都「奈良って、栃木よりだいぶ背低いけど、ツノはぎょうさん伸びはるよなぁ。なんでやろ? 」
奈良「…年の功?」
京都「ツノも年取るんやね〜。毎年生え変わるけど」
落ちたツノを適当に処理し、京都と奈良は仕事中の大阪たちの為にご馳走を作るのであった。