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#社会人
寿命㌫(主)
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り ん ご く れ ~ ぷ .
42
「……脹相、これは一体どういう冗談だ」
憲紀は、指定された建物の前で完全にフリーズしていた。
頭上にはピンクや紫のネオン。掲示板には「休憩」「宿泊」の文字と、ご丁寧に部屋の写真まで並んでいる。どう見ても、いや、どこからどう見ても**ラブホテル**だった。
赤血操術の使い手として、また呪胎九相図の長男として、より効率的な血液の運用方法を学びたい――。そう真剣に頭を下げて、脹相に「どこか集中できる場所を指定してくれ」と頼んだ結果がこれだった。
「冗談などではない。お前が『誰の目にも触れず、防音設備が整っていて、いくら血を流しても誰にも怪しまれない場所』と言ったのだろう?」
背後から現れた脹相は、至って真面目な顔でそう言った。
「確かに言った! 言ったが、だからといってなぜここになる!?」
「調べたんだ。ここは完全個室で防音。さらに風呂場なら、どれだけ血を流して汚してもシャワーですぐに洗い流せる。おまけにベッドもあるから、貧血で倒れてもすぐに横になれるだろう。完璧な訓練場だ」
「完璧なわけがあるか!!」と叫びたい憲紀の腕を、脹相は迷いなく掴んだ。そのまま、戸惑う憲紀を引きずるようにして自動ドアの向こうへと連れ込んでいく。
部屋に入ると、大きなダブルベッドと、なぜか怪しく明滅する間接照明が二人を迎えた。
「おい、脹相、やはり帰らせてもらう。いくらなんでも環境が不適切すぎる」
「何を言っている。せっかく部屋を取ったんだ、無駄にするな。ほら、まずは上着を脱げ。血の操作を見るなら、服は邪魔だろう」
「っ、自分で脱ぐ!」
脹相が遠慮なく憲紀の衣服に手をかけようとするので、憲紀は慌ててそれを拒んだ。しかし、狭い空間で押し問答をしているうちに、背中が柔らかいベッドに沈み込む。
「……あ」
気づけば、憲紀はベッドに押し倒されるような形になり、その上を脹相の体が覆っていた。
「脹相、どけ……っ、これでは術式の訓練どころでは」
「いや、訓練はもう始まっているぞ、憲紀」
脹相の声音が、ふっと低くなる。その瞳に宿る熱は、とても「座学」や「術式の指導」をするもののそれではない。
「お前は生真面目すぎる。赤血操術は命のエネルギーそのものを操る術式だ。もっと感情を、昂ぶりを、血の滾り(たぎり)を自覚しなければ、限界は超えられない」
「な、にを……」
じわり、と脹相の指先から出た自身の血が、憲紀の手首をベッドのヘッドボードに縫い付けるように固定した。赤血操術による、実質的な拘束。
「お前の血の巡りが速くなっているのがよく分かる。恐怖か? それとも、俺に組み敷かれているからか?」
「違う……! これは、ただの困惑だ……っ!」
顔を真っ赤にして睨みつける憲紀だったが、脹相はどこか愛おしそうな目を向けるだけだった。憲紀の髪に長い指を絡め、耳元で低く囁く。
「どちらでもいい。これから、お前の血をこれ以上ないほどに滾らせてやる。……俺を『お兄ちゃん』と呼ばない罰だ、覚悟しろ」
「待て、脹相、本当に待ってくれ!」
憲紀の必死の抵抗も、脹相の圧倒的な腕力と術式の前には無力だった。
「ん、む……っ!? ぁ……///」
唇が重なった瞬間、深い口づけ――ベロキスに、憲紀の思考は一瞬で弾け飛んだ。
容赦なく割り込んできた脹相の舌が、憲紀の口内を荒々しく、かつ執拗に蹂躙していく。逃げようと動かした舌を絡め取られ、吸い上げられるたびに、頭の芯がじわじわと痺れていく。
「んぅ、ふ……っ、あ、……///」
まともな呼吸すら許されず、ただ脹相から注ぎ込まれる熱に溺れるしかない。
憲紀の視界が涙で潤み、完全にキャパシティをオーバーしているその隙に、脹相の大きな手が憲紀の衣服へと伸びた。
バリッ、と硬い布地が擦れる音が狭い部屋に響く。
脹相はキスを 1 秒たりとも止めないまま、器用に憲紀の上着のボタンを外していく。じれったくなったのか、半分引きちぎるような勢いで衣服を左右に割ると、露わになった憲紀の白い肌に、ホテルの冷たい空気が触れた。
「んん――っ!?///」
憲紀が身震いした瞬間、脹相の指先がその滑らかな肌を直に這う。
胸元から脇腹、そして腰へと滑り落ちる熱い手のひら。それと同時に、今度は憲紀のズボンのベルトへと手がかけられた。
「ハ、ぁ……っ、ん、はぁ……///」
一瞬だけ隙間ができた唇から、憲紀の掠れた呼吸が漏れる。だが、それも束の間。脹相は憲紀の顎を固定すると、さらに深く、お互いの唾液が 2 人の顎を伝い落ちるほどの深いキスで再び声を塞いだ。
衣服を剥ぎ取られ、完全に無防備にされていく恐怖と、頭を真っ白にさせる極上の快感。
憲紀の体温は、脹相の言葉通り、今までにないほど熱く滾り始めていた。
「ひ、あ……っ! 脹、相……っ、もう、無理……っ!///♡」
防音性の高い部屋の四方に、肉と肉が激しくぶつかり合う、淫らで容赦のない音が絶え間なく反響する。
パンパン、パンパンと、激しいピストンが刻む一定の狂ったようなリズム。それは憲紀がこれまで生きてきた中で、一度も耳にしたことのない、あまりにも生々しく、そして羞恥に満ちた音だった。
「無理ではない。お前の身体は、こんなにも俺を欲して締めつけているぞ」
脹相の言葉はどこまでも事実だった。
完全に衣服を剥ぎ取られ、大の字でベッドに沈められた憲紀の腰は、脹相の強靭な腕によってがっちりと固定されている。逃げることなど許されない。
ひと突きごとに、憲紀の視界が火花を散らすように白く染まる。赤血操術の使い手同士、 2 人の体温は限界を超えて上昇し、重なり合う肌と肌の間には、じっとりと熱い汗が滲んでいた。
「あ、ぐ……っ! は、あ、あ、熱い……なか、が……っ!///♡」
「そうだ、もっと熱くなれ。お前の血を、俺の血で支配してやる」
ドス、ドスと、容赦なく最奥を突くたびに、憲紀の背中が弓なりに跳ね上がる。
ただの快感ではない。それはまるで、自らの体内に眠る血液の主導権をすべて脹相に奪い取られていくような、圧倒的な支配感。
激しい衝撃が加わるたびに、憲紀の口からは言葉にならない悲鳴と、掠れた吐息が溢れ出た。
「ん、んあッ……! ゃ、め……っ、それ、は、だめ……だっ!///♡」
再び憲紀の唇を深く塞いだ。
濃厚なベロキスが再開され、口内をドロドロにかき回されながら、下半身はさらに速度を上げて 2 人の境界線を曖昧にしていく。
激しく打ち付けられる音は、夜が更けるまで、その部屋の中から消えることはなかった。
コメント
3件
えまって最高ですありがとうございますッ
わあ……みわさん、これは第1話からすごい熱量ですね!「集中できる場所」としてラブホを選ぶ脹相の思考回路には笑いつつ、ちゃんと防音・個室・風呂場というロジックが通ってるのが逆に怖い(笑)。「お兄ちゃんと呼ばない罰」っていう台詞めちゃくちゃ効いてるな〜。ただ、憲紀が必死に抵抗しつつも最後には滾ってしまうところ、二人の関係性がぎゅっと詰まった一話でした。続きが気になります!