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レッツゴー
わんく
翌日の放課後。2人は手をつないで、桜が咲き誇ったいつもの夕暮れの通学路を歩いていた。
学校の敷地をでたため、こさめはすでに「らん君、今日の授業ね……!」と、嬉しそうに隣を歩いている。
らんはこさめが笑顔で優しく話してくる学校での話に夢中になり、完全に周囲への注意を怠っていた。
「それでね、らん君っ!次の休みにさ……っ」
「へぇ、楽しそうだね、こさ…… 」
そんな時
パァァァン!!!
けたたましいクラクションの音が静かな通りに鳴り響いた。
交差点の赤信号を無視して、猛スピードで突っ込んできた大型トラック。
らんはその巨大な影に完全に足がすくんで、恐怖のあまり動けなくなってしまう。
「らん君っっ!!!」
こさめの声が響いた。
ドンッ……!!ガシャァン!
次の瞬間、らんの体は強い力で歩道の植え込みへと激しく突き飛ばされていた。
地面に転がり、眼鏡が割れてぼやける視界の中、らんの目に飛び込んできたのは……。
らんの身代わりになってトラックに撥ねられ、冷たいアスファルトの上へ力なく崩れ落ちる、大好きな幼馴染の姿だった。
「こさ……?うそ…嘘でしよ……。こさ、目ぇ開けてよっこさ!!!」
らんは割れた眼鏡を放りだし、 涙で視界をさらににじませながらピクリとも動かないこさめを抱きしめた。
夕暮れの街にらんの悲痛な声が虚しく広がり、世界は一瞬で暗闇に変わった。
「大丈夫ですかっ?!今、救急車呼びましたからっ!!」
「おい、今何があった?!」
「すごい音が聞こえたけど……」
周りの焦る声も、心配する声も、今のらんには届かない。
「こさっ……こさっ……!大丈夫だから、大丈夫たからっ……」
こさめに話しかけるようにして、自分に言い聞かせていることはらんも気づいていた。
「……えっ……?」
「ですので、脳へのダメージが大きく、ちょっとした記憶障害に―」
そこから先は、何も聞こえない。
(自分が周りを見てなかったせいで、こさめは……っ)
「―そして、―そのため―」
医者の話は、まだ続いていた。
ガララララッ
「……ありがとうございました……」
こさめは一命を取り留めたものの、その代償としてらんに関するすべての記憶を失ってしまった。
〜お見舞い1日目〜
「やっほ。俺のこと覚えてる……?」
目が覚めたこさめに初めて会う日。声は少し震えていた。
「えと……。ごめんなさいっ。誰…ですか……?」
「っ!だよね、覚えてないもんね。大丈夫だよ。らんって言います。こさめと同じ学校の先輩だよ」
あえて、幼馴染目のことは伝えずに。負担になりたくないから。
「じゃぁ、らん先輩……?」
こさめは柔らかい声で応えてくれる。
「うん。そうだよ」
初日は、これが精一杯だった。
〜お見舞い2日目〜
「やっほ。はい、これ」
「何ですか?メロンパン?」
「そうだよ。いちごのね」
らんが買ってきたのはいちごのメロンパン。
「へー。美味しそう……!」
Syu
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事故に遭う前から、2人でよく半分こにして分け合っていたパンだ。
これで何か思い出してほしい、らんはそう思った。
「うん。美味しいよ。こさめ、絶対好きだと思う。」
「ありがとうございます。」
やっぱり少しぎこちない。
まだ慣れてないらしい。
まぁ知らない人だししょうがないよね……。
「じゃぁ、またね、こさめ」
テラーって難しいね……。
コメント
1件
うわっ……第2話、めっちゃ切なくて胸が締め付けられた……。事故シーンの衝撃と、こさめが身代わりになった瞬間、らんの悲痛な叫び声が脳裏に焼きついたよ。それでいて、お見舞いでのぎこちないやり取りがまたリアルで……「覚えてない」って言われたらんの気持ちを思うと泣ける。記憶失っても、少しずつ距離を取り戻そうとする姿が健気すぎる……。続きが気になりすぎるわ。テラー難しいって言うけど、この話はちゃんと心に刺さってるよ🔥