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次の日もいつものように月見に声をかけるつもりだった。でも、昨日のことが頭にちらついて、少し足が止まった。月見は俺のことをウザがってるんだってさ。あいつが直接言ったわけじゃないけど、黎に相談してたのを聞いちまったんだよな。
俺は今まで誰かにウザいなんて言われたことがなかったから、なんか変な感じだ。だって、俺はみんなと仲良くやりたいだけだったんだぜ?でも、月見にとってはそれがしんどいみたいだ。そんなに俺ってウザいのか?
教室のドアを開けると、いつも通りにぎやかな声が飛び交ってる。クラスメートたちはみんな楽しそうだ。月見もその一人…だけど、俺に気づいても目を合わせようとしない。まるで俺がいないかのように振る舞っているようで、心の奥がチクッと痛む。
「お前、どうしたんだ?」声をかけてきたのは、詩音だ。こいつとは長い付き合いで、俺が何か考え込んでるとすぐに察してくる。「元気がないとか、お前に似合わねぇぞ。」
「いや、別に元気がないわけじゃねぇよ。ただ、月見に…どうやって接したらいいかわかんねぇんだよ。」俺は思わず詩音に本音を漏らした。
詩音は少し驚いたような顔をした。「あの月見にか?珍しいな。お前が悩むなんて。」
俺は肩をすくめる。「月見、俺のこと嫌ってんのかもしれねぇんだよな。俺、いつもあいつに声かけてんだけどさ、無視されるし、昨日は黎に相談してたんだよ、俺のこと。」
詩音は腕を組んで少し考え込むような顔をした。「あいつがそういう風に感じるってことは、お前が少しやりすぎてるってことじゃねぇのか?」
「やりすぎって、俺はただ仲良くなりたくて…」
「分かってるさ。お前の明るさは魅力だし、みんなお前のことが好きだ。でも、相手によっては押しが強すぎることもある。月見みたいなタイプは特に、無理に近づこうとされると逆に距離を取っちまうんだよ。」
詩音の言葉に俺はハッとした。そうか、俺は無意識に月見にとってプレッシャーをかけてたのかもしれない。俺はただ、元気で楽しい時間を共有したいってだけだったのに。
「どうすりゃいいんだよ、詩音?」俺は素直に聞いた。だって、どうしていいのか全然わかんねぇんだ。
詩音は少し笑った。「焦るなよ。まずは少し距離を置いて、様子を見ろ。無理に毎日話しかけるんじゃなくて、自然な感じで会話できるタイミングを見つければいいんじゃないか?」
「自然な感じか…」俺はぼんやりと繰り返した。俺にはあまり得意じゃないやり方かもしれないけど、確かに詩音の言う通りかもしれない。
「神風、お前は変わらなくてもいい。ただ、月見がどう思ってるのかを少し意識してみれば、それだけでだいぶ違うと思うぞ。」
俺はその言葉を胸に刻んで、少しずつやり方を変えてみる決意をした。今日から、少し様子を見ることにする。そして、いつかまた月見とちゃんと話せるようになるまで、俺なりに考えてみることにしたんだ。