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こんにちは〜!!
皆さんが楽しんでくれているようで何よりです♪♪♪
叶『』 葛葉【】
重い足を頑張って動かしながら、僕は病室のドアを開ける。そこに待っていたのは僕が愛している人だ。
『(今の僕は葛葉の事、愛せているのかな…)』
こんな事を考えてしまっては、恋人失格だと分かっているのに…不安なのだろう。自分の気持ちが事故によって否定された様で、僕には耐えられなかった。
葛葉の傷ついた姿も、僕を忘れてしまった葛葉自身も、僕は見たくなかった。
そんな事を考えながら、先に口を開いたのは葛葉だった。
【叶さん?おはようございます。すいませんご心配お掛けして。結局僕も何が何だか分からなくて…叶さんは僕のお友達?ですか?】
違うなどと言えるわけもなく、僕は嘘を付く
『はい。僕は叶と言います。僕は葛葉さんの保育園からの友達で…親…友…です!』
なぜだか敬語になってしまった。葛葉に距離を取られるのは分かるが、僕が今の葛葉に寄り添わなくては…
『(分かってるけど…今の葛葉はもう、僕の恋人頃の葛葉じゃっ…無い)』
言葉に詰まる僕を見て、心配そうに葛葉は喋りかける。
【叶さん?親友なら叶と、呼び捨てのほうが良いのでしょうか?あっ、敬語も辞めたほうが…】
『そう、ですね!僕も何だか敬語になっちゃった。またよろしくね葛葉!』
こんな取り繕った笑顔で、葛葉を騙しているようで。これではまるで…
『(葛葉と赤の他人の様じゃないか…)』
葛葉には僕たちの関係を言わない方が良いのではないか。僕はもうこれ以上、葛葉の近くにいない方が…このままじゃ僕が先におかしくなりそうだ。
【叶、僕の事もっと教えてくれない?お医者様が言ってたんだ。自分自身の事を知れば、記憶も思い出すんじゃないかって…】
嗚呼…こんなにも葛葉は思い出そうと頑張っているのに、僕は葛葉から目を背けてばかり…恋人である僕が、葛葉を手伝わずにどうするんだよ…
『(良し!絶対にまた僕を好きにさせて見せる!!)』
『葛葉は高校2年生で不器用で、凄くシャイ。僕と葛葉は保育園からの幼馴染で、家も向かいに建ってる。高校では違うクラスだけど、いつも一緒に帰ってるよ。』
葛葉は顔をしかめている。自分の知らない事をこうもスラスラと言う僕が不思議なのだろう。
『(伊達に幼馴染と恋人やってないよ!葛葉自身が知らない癖まで、僕にはお見通し何だから!!)』
『あっ!あと、葛葉の一人称は俺だった。あと、多分葛葉がすんなり喋れるのは親と僕だけかも、』
【え!そんな…ぼ、いや…俺そんなシャイなの!?】
やっぱり、本質は変わらないんだな、と少し安心したのは葛葉にはバレていない。
今の葛葉には違和感有るけど、記憶が無いってだけで、僕の恋人には変わりないんだから。
この日は葛葉の記憶を少しづづ取り戻せるように、葛葉の好きだったゲームを一緒にした。
『(記憶が無くても、飲み込み早いな。ゲームセンスも葛葉様々だし、葛葉の戦い方とまんま一緒だ…)』
何だか前の葛葉が恋しくなるけど、今の新鮮な葛葉も好きなのは変わらない。
ゲームも一区切りつき、外も暗くなってきた頃。丁度面会の時間が終わる。
『また明日も来るから!もう少しゲーム上手くなっとかないと、また今日みたいに僕にボコボコにされるかもね〜!!』
【なっ!!??絶対に明日までに上手くなってるし!!明日は叶をボコボコにするから!】
僕の挑発にクワッと口を開いて乗るのは前の葛葉と同じだ。
『じゃ!また明日!!』
【おう!待ってっから!!】
病室から出て、ふと目から涙が出たのは見なかったことにしておいた。
コメント
4件
最高すぎる