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「おはよー」
新学期2日め。
中村くんは転校生が来た初日くらいの人気のままだった。
トイレに行ってスマホを取り出した。
いいねはあまり伸びていなかった。
アンチコメントも結構来ていた。
『絵はうまいのにマンガの内容空っぽ』
『いつになったらいいの出してくれんの?』
『女目線の気持ちじゃん』
私は人とつきあったこともないから、キスをしたときの感情もわからないし、あれをしたときの気持ちも1ミリもわからない。
『シオのマンガつまらない』
予鈴がなったので急いで教室に戻る。
化学の授業だった。
あまり好きではないし、先生も第1印象がひどかったから嫌だった。
ノートの端に絵を書いていたら、前の席の竹内さんに見られかけたから危なかった。
そういえば、中村くんと一回も話してないや。
昨日「ばーか」って言ってきたきり。
「ねえ」
〜キーンコーンカーンコーン〜
「座れ」
え…?
なんでそんな怖く言うの…?
嫌われた?でも嫌うも何も話してないし…?
腐女子だってバレたとか…?
「きりーつ」
昼休みに書こうと思っていたマンガなんて忘れて、中村くんのことばかり考えていた。
腐女子だってこと秘密なのに。
もしかしてマンガ?
私って秘密ばっかりでミステリアスな子だって思われたのかな…?
今まで嫌われたことなんてない。
なんでよ…。