洸夜のスラリと長い指が日和のニットを捲りあげ、露わになる肌に溶けかけていた思考がハッと戻ってきた。
「やだっ、恥ずかしいからやめて!」
服を戻そうと手を伸ばすが逆に押し倒されてしまった。背がソファーについている。
「恥ずかしくなんかない。こんなに綺麗なんだから、それにもう俺はお前の身体で知らないところは無い」
洸夜は恥ずかしげもなく日和をじっと見つめる。その視線に囚われた時、グイッと更にニットを捲りあげられた。
「ほら、こんなに真っ白な肌、吸い付きたくなる」
日和に覆い被さった洸夜の吐息が胸に当たる。
「っつ……やだ……」
生温かい息が当たるだけで身体がビクリと反応してしまう。嫌だと言葉にしているはずなのに、多分嫌じゃない。でも何故かは分からない。嫌じゃないから身体が洸夜の動きを受け入れてしまう。
「やめてあげない」
ジュウっと膨らみに吸いつかれ、チリっと痛みが走った。
「ほーら、こんなに俺のだって印が綺麗についた。もっとつけたくなるな……」
「ひゃあっ」
ブラジャーを下にずらされ胸が曝け出される。
「なんだ、もうこんなに乳首硬くしてるじゃねぇか。可愛い」
「あぁッ……や、やだぁ」
胸の頂をあの指で摘まれ思わぬ刺激に身を捩る。それでもお構いなしに洸夜は日和の柔らかな膨らみをやわやわと揉みしだき続けた。
「あぁ、本当に可愛い、すげぇ甘い匂いが日和からプンプンする」
甘い匂いって何? 香水はつけていないし……
日和はこの状況に困惑しつつも気持ちいいと感じてしまっている自分に驚いた。
洸夜の口腔内に硬くなった胸の先端が包み込まれ、甘い刺激が胸からジワジワと広がっていく。
「あんっ……きも……っつ」
(な、何言おうとした!? やだっ!)
自然と口から気持ちいいと声に出してしまうところで言葉を飲み込んだ。
「なに? 恥ずかしがらずにちゃんと言ってみな。夢の中のお前は素直に言ってるぞ?」
そんなの知るかーーー!!! と怒鳴りたいのに自分の口からは快楽からの甘い声しか漏れない。
(もうやだ……恥ずかしいのに凄く気持ちいい……)
コロコロと胸の頂きをキャンディーでも舐めているように転がされながら乳房全体を優しく揉まれる。
「意地っ張りなところも可愛い」
スカートがスルリといとも簡単に日和の脚から抜き取られ、細くて真っ白な脚が露わになった。一瞬の出来事で隠す事もできず、洸夜の手が日和の脚を下から上へと撫で回す。
「綺麗な脚だ。足首はキュッとしてるのに、太腿はこんなに柔らかい」
洸夜は脚の間に顔を埋め太腿に愛おしそうに頬ずりをする。なんだか可愛い、と一瞬だけ思ってしまった。
「んんっ……」
チリっと小さな痛み。
「あぁ、綺麗に付いた。俺のだって印」
真っ白な日和の太腿には赤黒くくっきりと洸夜の印が刻まれていた。
セックスはした事があるが、男の人にこんなにも求められることは無かった。今まで身体を重ねた男は皆んな独りよがり、自分だけが気持ち良くなれば良いと思っているようなセックスだったので、こんなにも好意をストレートに伝えられて、日和は嬉しい、と不覚にも思ってしまった。
「あらら、パンツまで濡らしちゃってかーわい」
自分がショーツを汚すまで濡れているなんて……そんなのありえないはずなのに……
「あ~ぐっしょぐしょだ、俺の指なんてすぐに呑み込まれちゃう。まぁそう開発したのは俺なんだけどな」
ショーツにおもむろに手を入れた洸夜は慣れた手付きで日和の秘部をほぐしていく。
「んぅっ、あっ、やだやだぁ……なにいってんのよ……あぁんっ」
日和に呑み込まれていないほうの手で洸夜はショーツを抜き取った。濡れた蜜が外の空気に触れ一瞬ひんやりしたがそれも一瞬、すぐに熱くなり洸夜の指で膣壁を掻かれクチュクチュと卑猥な音を鳴らし続ける。
(音……すごい、私こんなに濡れてるの? 気持ちいいなんて……)
襞に絡まった愛液ごと掻き出していく。トロトロと溢れ出す蜜を洸夜はジュルリと舌を使って丁寧に舐め上げた。指で掻き出され舌で舐めあげられる。ダブルの攻撃に日和の腰はうねるのを止められなかった。
「はは、腰が動いてる。でももう少し舐めさせて、日和の愛液は砂糖みたいに甘くて美味いんだよな」
指が抜かれ、身体の中に洸夜の指一本分の隙間が開いた。洸夜は縦溝に舌を這わせ下から掬い上げる。丁寧に、一滴も逃さないように。
激しくないのに扇情的で、舐められ続けているともっと、もっとしてほしいと腰をよがらせてしまう。
「あっ、やっ、もうだめ……きもちいぃ……」
「日和はこーゆーエッチなシチュエーション好きだもんな、社長室でいけないことして悪い子だ」
「なっ、ち、ちがうからっ! あぁん……」
た、確かに夢では色んな場所であの男とセックスしていたけど、それは夢の話で現実ではない。
「はっ、やっと素直になってきたな。日和は俺のこれが好きなんだもんなぁ」
スーツの下から出てきた熱塊は日和の想像を遥かに超えた大きさであれが自分の中に入ると思うと怖くなった。
「え、まって、ムリムリムリ! そんな大きいの入らないっ!」
無理ーっと洸夜の胸を両手で押すがびくともしない。
あんな大きいのいくら濡れているとはいえ、絶対痛い! もう痛いセックスはしたくないのに……怖くて身体が強張る。
「大丈夫」
洸夜の艶めいた声が耳に注ぎ込まれ、本当に大丈夫な気がしてしまい、強張った身体が少し和らいだ。
「いつも美味しそうに日和のここは俺のを呑み込んでるから。日和は一生俺にだけ抱かれてな」
また聞き覚えのあるフレーズ。
(え……まって……やっぱりこの声、やっぱり夢の中の男なの?)
ゴクリと生唾を飲み日和の上にまたがっている洸夜に問いかける。
「社長さんって、私の夢の中に出てきてたりします……か?」
我ながら意味不明な質問を投げかけたとは思っているがそれ以外の言葉が見つからなかった。
洸夜はニヤリと口角を上げ嬉しそうに口を開いた。
「やっと分かったのか。待ちくたびれたよ。でももう遅い、俺のここも限界だから日和に挿れさせて」
「えっ!? 何!? ちょっとどうゆうことなの!? んん――
ッ」
メリメリと狭い通路を掻い潜り洸夜の指一本分の隙間はそれ以上に太いもので埋め尽くされた。
「俺、淫魔なんだよ」
は……? 今なんて?
ゆっくりと腰を動かしながら洸夜は話続けるが日和は下腹部からの甘い刺激に耐えるので精一杯で言葉を返せない。
「ずっと日和のことだけを夢で抱いてた。俺のこの形覚えてるだろ?」
ズチュン、ズチュンと熱い塊は日和の奥底までゆっくりと味わうように擦り動く。
「あっ、はぁっ、そんなことって……あン……」
ゆっくり、ゆっくりと動く腰は止まらず日和の膣口を出たり入ったりを繰り返す。
「くっ、ゆっくり日和のなかを堪能してるだけで凄いしめつけよう……はっ、ふっ」
日和の上で額に汗をかき眉間にシワを寄せ苦しそう。頬を赤く染めた洸夜の表情に、快楽から漏れ出す声に、妙に嬉しくなる。
なんなのだろう、この感情。
「おいっ……それは締め付けすぎだって、あーもうっ、可愛すぎだろ」
「やだっ、ちがっ……んうっ」
日和は近づいてくる唇をすんなり受け入れて、絡みついてくる舌に吸い付いた。
胸と胸が、お腹とお腹が、性器と性器がピタリと重なり合いまるで洸夜と一つの人間にまってしまったかのよう。
「フゥ……ン……ンン! あ、あ、あぁっ……」
ゆっくりだった動きがだんだんと早くなり、奥を突かれるたびに発生する愉悦が堪らない。全身がビリビリと痺れ始めた。
「あンッ、もうだめッ……へんへん、へんになるからぁッ!」
「大丈夫、そのまま俺に預けて、ほら、見てみな。こんなにひくついて日和のここが俺のを咥えこんでる」
身体を上げた洸夜は日和の臍あたりに手を置いて円を書くように撫で回す。
「やだ、みないっ……んん、はっ、あっあっ」
「くっ、奥まで突くといかないでって絡みついてくるよ」
そんなの知らない、分からない。グズグズに溶かされた思考回路は動かない。
「やっと会えたんだ。ッつ、俺は日和を絶対に離さないよ」
「あぁっ……なんか、へ、ん……ンンッ、やっ、い、イクッ、や、こわいッ」
夢でなんどもイッていてもリアルでイクのは初めてだ。唐突に怖いと思った。自分がどうなってしまうのか。
汗で濡れた肌がもう一度隙間なく触れ合う。冷たいと感じたのはほんの一瞬、すぐに燃えるようにあつくなり、重なっている肌が溶けてしまいそう。
「怖くない、俺が日和に導いた快楽なんだから。ほら、思う存分イケッ! くっ……」
肌と肌がぶつかり合いインテリアもなにもないシンプルな社長室に卑猥な音が響く。
「やぁ、もうだめっ、きもちいいッ、いいっ……あぁぁっ――!」
洸夜が強く腰を突き上げた瞬間官能がはじけ、蜜壺が熱い熱で弾け割れた。
荒れる息を整えるすきもない。達して敏感な媚壁のなかにはまだ熱く熱している洸夜がいる。
「上手にイケたな。じゃああと少し俺に付き合ってもらうからな」
「え、あっ、んんッ――」
キスで喘ぐ口を塞がれ密閉される。なにもかも全てを身体の中に閉じ込められたみたいだ。
達した余韻で壁路の痺れが収まっていないのに心なしかさっきより激しい動きに腰が溶けて無くなってしまいそう。
「んん、ふっ、ん、ん……はぁっ、ハッ……」
離れた唇から多量の酸素を取り込んだ。
「あ~、やばいな。そろそろイキそう……でもま日和の中にいてぇな」
「もうやだ……イッて、イッてよ……あぁっ、あっ、わたしがまたっ、い、イッちゃうかあらぁ!」
懇願したのに洸夜はジュプジュプと滾って剛直を突き続ける。もう日和の蜜口から溢れ出た愛液で結合部分はグシャグシャだ。
「も、ダメェ……あっあぁ、ああぁ――っ」
「ハッ……くっ……」
洸夜が息を詰まらせた後これでもかとばかりに強く熱棒を押し込まれた。
身体に力が入らない。これほどの恍惚に満ちた脱力感は日和は知らない。はぁはぁと息を整えるも身体はすぐに動いてくれない。
「日和……」
艶めいた優しい声で名前を呼ばれ、フワリと服を身体にかけられる。洸夜のジャケットだ。
ふわふわした所に居座る溶けた思考回路は未だに修繕されていない。
「日和、やっと俺のものになった」
大切な宝物を抱きしめるように洸夜は日和の頭を撫でた。
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