『痛みを負った心には愛の癒しを』〜愛情は特効薬〜
第6錠 薔薇より綺麗な貴方へ
『初めましてっす!主様。俺の名前はアモンっていいます。さっき紹介した通り、庭の設備担当をしてます。』
『こんな綺麗なお花を…。全部…。凄いね…。』
『いやいやそんなことあるっす(´>∀<`)ゝ』
『ふふ、もしかして…庭のあのバラも…』
『はい。全部俺が育てたものっすよ。主様、花は好きっすか?』
『うん、好きだよ。懸命に頑張って生きてる命はどれも尊いから。』
『それなら俺の育てた花をもっと見せてあげるっす。ハウレスさん、主様をちょっと失礼しますっす。』
『あぁ。わかった。』
俺は主様の手を引いて庭まで走る。
『ここが俺自慢の薔薇園っす。』
『凄い…っ。これを全部…。』
『俺は昔から花が好きで、自分でも品種改良とか花を使って入浴剤とかポプリとかドライフラワーとか作ってるんすよ。今日お風呂に入った時に分かると思うっす。』
『わかった、楽しみにしてるね!』
『あ、そうだ、これ、お近付きの印に。』
俺は主様に薔薇を渡す。
『赤い薔薇…いい香り。』
『この薔薇より綺麗な主様に…俺からの気持ちっす。』
『…そんなことないよ。』
『えっ。』
『私は薔薇より美しさは劣る。この傷を見れば...みんな引いちゃうから。』
『…。』
風に吹かれて髪がなびく主様のことを見て俺は綺麗だ。と思ってしまった。
『主様。』
『アモン...?』
『俺は花が好きっす。花を綺麗に咲かせるように色々と研究してるんす。俺に…主様を綺麗に咲かせる手助けをさせて欲しいっす。』
『私が綺麗に...咲く?』
『はい。主様はまだ自分の魅力に気付く前なんす。花で表すとまだ蕾の状態っす。開花した時には…色んな人の心を魅了するような人になってるっす。』
『私が…?なれるかな?』
ギュッ。
主様の手を握る。
『俺がさせるっす。主様の心の薔薇の棘を俺が全部消してあげます。』
『アモン...。』
(私も綺麗に咲けるかな?この薔薇園のような…綺麗な薔薇に。)
『分かった、私、頑張るね。この薔薇より…綺麗に避けるように。』
『はいっす!俺も頑張るっすから。』
(なんだろう…アモンとは同じものを感じるな。何か隠してるような…。そんな感じ。)
(…花が綺麗に咲いた時は…俺が貴方を…。)
『おーい、アモンいるかー?』
『ん?この声は。』
『誰?』
『この声はボスキさんっすね。』
屋敷からボスキさんが出てくる。
『髪が解けちまったんだ結いてくれ。』
『っ…。』
(仮面をしてる…。それに右は…義手?
見るからに怖そう。)
私はアモンの後ろに隠れた。
『ん?あんたは…。』
『っ…。』
次回
第7錠 見た目より…怖く、ない?
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