『痛みを負った心には愛の癒しを』〜愛情は特効薬〜
第7錠 見た目より…怖く、ない?
『あー、すみませんっす。初めて見る人は怖いっすよね。この人はボスキさんっす。』
『初めまして、主様。ボスキ・アリーナスだ。怖がらせて済まない。えっと…俺は右目が失明してるから怪我の痕があるんだ。だからこれをしてなかったら…余計怖がらせちまう。』
『…仮面、取ってみて。』
『え?』
『いや、でも、主様。綺麗なものじゃないんだ。傷を見たら余計に…』
『そんなことないよ。』
私はアモンの後ろから離れてボスキの前に立つ。
『傷は私にとっては大切な物。傷を見るだけで生きてるって言う証になる。』
ゾクリっ。
『わかった。』
カチャ。
仮面を外す。
『…綺麗な瞳。』
『っ…そんなまじまじ見ないでくれ。』
『良かった、見た目より怖くない人で安心した。』
『……。』
(変わってるって言うか…少し不気味だ。傷が大切だなんて…まるで、自分のことを言っているみたいな…。)
『ごめんね、ベリアン達の言う通り…ここ、デビルズ・パレスにいる人はみんな優しいんだね。』
『もちろんっ。俺も含めてみんないい人ばかりっすよ。まぁ、個性的な人はいるっすけど。』
『ふふ、早く他の執事にも会いたいな。』
『優しい執事の典型的な奴は俺の同室の奴にいるけどな。』
『そうなの?どんな人?』
『あぁ。本を読むのが好きで…周りのサポートをよくしてる奴だ。入浴補助担当だから今日風呂に入る時はそいつに聞けばわかる。』
『なるほど…わかった。ありがとう。』
『あ、そういや髪結びに来たんだったな。アモン、頼む。』
『わかったっす、部屋に戻るっすよ。主様も行きましょう。』
『うん。』
(入浴補助担当…。どんな人だろう。)
その日の夜――。
『今日の夜ご飯のメニューは
魚のムニエル、オニオン卵スープとトマトとレタスのオリーブ・オイルサラダ、デザートはフルーツゼリーです。 』
『美味しそう!』
(ここに来てまだ間もないけどロノの料理スキルは日に日に凄いな…。)
『主様、フルーツゼリーは俺も手伝った。果物を切って沢山詰め込んだぞ。』
『うん!楽しみにしてるね!
頂きます。』
(相変わらず美味しそうに食べるな。)
(あぁ。喜んでくれて何よりだ。)
『ŧ‹”ŧ‹”(≧ч≦)ŧ‹”ŧ‹”』
(暖かくて幸せ…ずっとここに居たいな。)
数分後。
『ご馳走様でした。えっと、たしかお風呂は入浴補助担当の執事に言うんだっけ。あ、名前聞き忘れた。』
『主様、失礼します。』
『!』
後ろから話しかけられる。
『すみません、俺と会うのは初めてですよね。俺は入浴補助担当の執事です。』
(見るからに優しそう…それ以前に…
身長高っ!)
次回
第8錠 心も暖まるような
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