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刻印の生存者

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刻印の生存者

2 - 第2話 黒い衝動

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2025年08月11日

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ガタン、と揺れたあと、車内は再び静まり返った。 誰もが緊張の糸を張ったまま、何かを待っている。


そんな中、前方から低い笑い声が漏れた。


龍真「……へぇ」


赤城龍真がゆっくりと立ち上がる。

その瞳には、さっきまでとは違う色が宿っていた。

右手には、光沢の鈍いナイフ。

刃先が、通路の奥に座る一人の老女を向く。


龍真「虫なんかより、こっちの方が早いだろ?」


老女の肩がびくりと震える。

周囲の乗客は息を呑んだまま動けない。


(……嫌な予感しかしない)


【専用スキル《登場人物一覧》を発動します】


〈人物情報〉

名前:赤城龍真

年齢:18歳

観測者:なし(現在2名の観測者が興味を示しています)

専用特性:異常適応(一般)

専用スキル:[優れた反射神経Lv.2][黒化Lv.1]

総合能力値:[体力Lv.4][筋力Lv.5][機敏Lv.6][魔力Lv.3]

総合評価:極限状況への順応が異常に速い。精神的な抑制が弱く、攻撃的行動に傾きやすい。


(やっぱり“黒化”持ちか……)


涼介「やめろ」


龍真「はぁ? 正義感か?」


涼介「いいや……俺が気に入らないだけだ」


龍真の口元が吊り上がる。


龍真「……面白ぇ」


その瞬間、黒い靄が龍真の全身を包んだ。

皮膚の下に黒い筋が浮かび、瞳孔が細く尖る。


【専用スキル《黒化》Lv.1が発動しました】


空気が重く、冷たく変わる。

龍真が一歩踏み出すごとに、床がわずかに軋む。


龍真「避けられるか?」


ナイフが一直線に老女の胸元を狙う。

俺は即座に踏み込み、刃を手で払った。


ガキン!


金属がぶつかる高い音。龍真の眉がわずかに動く。


龍真「おっと……やるじゃねぇか」


続けざまの横薙ぎ。

座席を蹴って後ろに下がり、距離を取る。


涼介「……あんた、ここで終わるぞ」


龍真「終わるのはお前だ」


黒い靄がさらに濃くなり、龍真が踏み込む。

その瞬間、俺は座席のパイプを掴み、一気に引き抜いた。


狙うは手首――


金属音とともに、ナイフが床に転がった。


【残り時間1分】


(……これであいつは、もう誰も殺せない)

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