テラーノベル
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こ ぁ 🍍
夏の後半、華は少しずつ元気がなくなっていった。
羽の色が薄くなり、声も小さくなった。
「ねえ、華……どうしたの?」
「夏の妖精はね、夏が終わると、眠るの」
「眠る……?」
「うん。次に目覚めるのは、たぶん来年」
美咲の胸が、きゅっと縮んだ。
「……じゃあ、もう会えないの?」
華は笑った。やさしい、でも少し寂しそうな笑顔だった。
「会えるよ。ただし、今と同じ形じゃないかもしれない」
「どういう意味……?」
「人はね、変わる。妖精も、変わる。でも、出会った記憶は消えない」
華はふわりと飛び上がり、美咲の目の前に来た。
「美咲、あなたはもう前より縮んでない」
「……え?」
「最初に会ったときより、声が出るようになった。目も、下ばかり見てない」
美咲は、自分では気づいていなかった変化に、戸惑った。
確かに、最近は前より呼吸が楽だった。
公園に来る途中、空を見上げることも増えた。
「それは、華のおかげだよ」
「違う」
華は首を振った。
「あなた自身の力。私は、ただ隣にいただけ」
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