テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
Mステ当日
スタジオの廊下は慌ただしい。
スタッフの声、行き交う出演者、リハの音漏れ。
今日は
timelesz
SixTONES
どちらも出演。
そして――〇〇と北斗が同じ空間にいる日。
SixTONES 楽屋
樹、高地、北斗、きょも、慎太郎、ジェシー。
衣装に着替え終え、軽く円になって座っている。
慎太郎「今日timeleszもいるんだよな」
ジェシー「〇〇いるじゃん!」
きょも「久しぶりにちゃんと会うかも」
樹がちらっと北斗を見る。
北斗はスマホをいじっている。
画面は暗い。
何も見てない。
樹「挨拶行くぞ」
高地「いいね」
ジェシー「全員で?」
樹「当たり前だろ。礼儀」
慎太郎「北斗も行くよな?」
一瞬の間。
北斗「……行く」
短い返事。
でも立ち上がるのが一瞬遅い。
樹は気づいてる。
でも何も言わない。
timelesz 楽屋
原、猪俣、松島、菊池、佐藤、橋本、寺西、篠塚、〇〇。
衣装の最終チェック中。
でも〇〇はどこか落ち着かない。
昨日の夜。
廉。
告白。
部屋。
全部まだ消えてない。
〇〇「みんな、ちょっといい?」
原「え、何そのトーン」
猪俣「怖いんだけど」
松島「真面目モード?」
菊池「どうした」
〇〇は深呼吸する。
〇〇「昨日さ――」
コンコン。
ノック。
全員「……」
ドアが開く。
樹「お邪魔しまーす!」
SixTONES登場。
一気に空気が変わる。
ジェシー「やっほー!」
慎太郎「本番よろしくー!」
高地「今日楽しみだね」
きょも「お久しぶりです」
最後に入ってくる北斗。
目が合う。
一瞬。
でも北斗はすぐ逸らす。
ジェシー「え、今なんか話してなかった?」
原「いやまあ」
慎太郎「相談って聞こえた」
菊池「ちょうど今から聞くところ」
ジェシー「じゃあ俺らも聞いていいやつ?」
篠塚「なんでそうなるの」
笑いが起きる。
でも〇〇は笑えない。
全員の視線が集まる。
逃げられない。
〇〇「……昨日、廉から連絡があって」
空気が変わる。
樹の眉が動く。
慎太郎「永瀬廉?」
ジェシー「特報出た日?」
〇〇「うん」
橋本「タイミングすご」
〇〇「それで……家まで来て」
猪俣「家!?」
寺西「ちょっと待って」
松島は静かに〇〇を見る。
〇〇「好きって言われた」
数秒、完全な沈黙。
ジェシー「えええ!?」
慎太郎「マジ!?」
原「ドラマじゃん」
樹「で?」
〇〇「返事はしてない」
菊池「なんで?」
〇〇「今は仕事優先したいって伝えた」
松島が小さくうなずく。
松島「〇〇らしい」
佐藤「でも嫌じゃないんでしょ」
〇〇は一瞬迷う。
でも隠せない。
〇〇「……嫌じゃない」
その瞬間。
北斗が口を開く。
北斗「それ、今ここで言って大丈夫?」
声は静か。
でも低い。
空気がピリッと張る。
寺西「確かに外に記者いるし」
北斗「広まったら面倒だろ」
正論。
でも感情が混ざってる。
ジェシー「北斗どう思う?」
無邪気な一撃。
全員が北斗を見る。
北斗は一瞬だけ〇〇を見る。
ほんの一瞬。
北斗「別に」
短い。
感情を消した声。
でも。
一番感情が見える。
空気が重くなる。
菊池がパンと手を叩く。
菊池「はい本番前!この話終了!」
樹「挨拶だけな!」
高地「今日よろしくね!」
慎太郎「あとでちゃんと聞くから!」
ジェシー「めっちゃ気になる!」
SixTONESが出ていく。
最後に北斗。
ドアの前で一瞬止まる。
でも振り返らない。
ドアが閉まる。
静寂。
篠塚「北斗くん、怖くなかった?」
原「“別に”が一番怖い」
松島が静かに言う。
松島「〇〇、自分の気持ちちゃんと向き合ったほうがいいよ」
〇〇は小さくうなずく。
でも。
廉の告白より。
北斗の“別に”のほうが、なぜか胸に残っている。
ーーーーーーー
収録前 ― 解散後のSixTONES楽屋
timeleszへの挨拶を終えて、SixTONES楽屋。
ドアが閉まる。
ジェシー「いや〜空気な」
慎太郎「重っ」
高地「〇〇、完全に迷ってたね」
樹がソファにどさっと座る。
樹「北斗」
名前だけ呼ぶ。
北斗は黙ったままジャケットを整えている。
きょもが静かに聞く。
きょも「昨日の話、本当なんだよね」
北斗「……うん」
ジェシー「家まで来たってすごくない?」
慎太郎「攻めてんな〜廉」
その名前で空気が一段下がる。
樹「で?」
北斗は少しだけ笑う。
北斗「何もしてないよ」
高地「何も?」
北斗「俺は」
静か。
北斗「別に、何も」
言葉を飲み込む。
樹がじっと見る。
樹「逃げんなよ」
北斗は一瞬だけ目を閉じる。
北斗「逃げてない」
でも声は弱い。
きょもがぽつり。
きょも「本番出るぞ。顔作って」
北斗は深く息を吸う。
北斗「分かってる」
収録本番 ― 登場
アーティスト紹介。
timeleszが先に呼ばれる。
歓声。
〇〇が歩き出す。
その瞬間。
ステージ横で待機していた北斗と目が合う。
一瞬。
ほんの一瞬。
でも昨日のことも、さっきの楽屋も、全部詰まってる。
逸らすのは〇〇の方。
北斗はそのまま見送る。
次にSixTONES。
立ち位置に入る。
フォーメーションが近い位置。
MCが笑顔で進行。
MCトーク
MC「timeleszは映画公開が控えている〇〇さんがいらっしゃいますよね」
〇〇がマイクを持つ。
MC「特報第二弾、かなりバズってます」
客席ざわつく。
〇〇は万円のスマイル。
〇〇「ありがたいです!!」
MC「距離感がリアルだなと」
〇〇「役としてしっかり向き合いました」
北斗の視線が動く。
MCは続けてSixTONESへ。
MC「北斗さんも映画公開ですよね?」
北斗「はい」
MC「どんな作品ですか?」
北斗「本音を言えない主人公の話です」
〇〇の指先が止まる。
MC「共感する部分は?」
北斗は少し考える。
北斗「……ありますね」
MC「例えば?」
北斗「タイミングってあるじゃないですか」
スタジオが静かになる。
北斗「逃すと、言えなくなる」
〇〇の胸が強く鳴る。
目が合う。
今度は長い。
カメラは抜いていない。
でも隣のメンバーは分かる。
ジェシーがニヤつき、樹は腕を組む。
MCが空気を明るく戻す。
拍手。
トーク終了。
ーーーーーー
収録後 ― SixTONES楽屋
ドアが閉まる。
慎太郎「目ぇ合いすぎ!」
ジェシー「俺ヒヤヒヤしたわ!」
高地「北斗、出てたよ」
北斗はソファに座る。
北斗「出してない」
樹「出てた」
即答。
きょも「〇〇、揺れてる」
北斗の視線が止まる。
樹「動くなら今だぞ」
北斗「……今はいい」
ジェシー「え?」
北斗「今言ったら、仕事も全部ぐちゃぐちゃになる」
静か。
北斗「俺は、待つ」
その言葉に、樹が少しだけ笑う。
収録後 ― timelesz楽屋
松島「目合ってたよね」
原「長かった」
猪俣「北斗、完全に何か言いたそうだった」
菊池「で?」
〇〇は鏡越しに自分を見る。
〇〇「分かんないよ」
橋本「廉は?」
〇〇「返事、まだしてない」
寺西「北斗くんは?」
〇〇は答えない。
その沈黙が答え。
ノック。
timelesz全員が顔を上げる。
ドアの向こう。
樹の声。
「お邪魔しまーす」
SixTONES、再び登場。
空気が一瞬で張りつめる。
ジェシー「さっきの続きな」
慎太郎「気になって帰れない!」
菊池が腕を組む。
樹が真顔で言う。
樹「はっきりさせとけ」
全員の視線が〇〇へ。
そして、北斗へ。
北斗はまだ何も言わない。
ただ、まっすぐ見る。
ーーーーー
北斗side
廉が家まで行ったこと。
好きだって言ったこと。
〇〇が、返事してないこと。
そこで少しだけ安心した自分が嫌だった。
安心する立場じゃない。
俺は何もしてない。
ずっと隣にいることに甘えてた。
戦友。
不仲コンビ。
距離が近いことに慣れすぎてた。
動かなくても、離れないと思ってた。
〇〇の顔を見た瞬間、分かった。
揺れてる。
廉のことも、ちゃんと考えてる顔。
俺は何も言えなかった。
言ったら、壊れる気がした。
今の関係も、仕事も、全部。
楽屋でメンバーに言われた。
逃げるな。
動け。
分かってる。
でも。
今言ったら、追い詰めるだけだと思った。
廉はちゃんと動いた。
俺は?
俺はタイミングを測ってる。
臆病だ。
ステージ袖。
〇〇が登場する。
目が合う。
一瞬。
でもそれだけで分かる。
まだ終わってない。
トークで“本音”って言葉を出したのは、わざとじゃない。
でも本音だった。
言わないと、変わらない。
自分で言いながら、自分に刺さる。
〇〇がこちらを見る。
長い視線。
あれは偶然じゃない。
収録後。
みんなが騒ぐ。
目が合いすぎ。
出てた。
俺は否定する。
でも本当は出てた。
抑えきれてない。
好きだって感情は、思ってるより表に出る。
もう一度timeleszの楽屋へ。
続き。
みんなの前。
逃げ場なし。
〇〇が真ん中にいる。
廉の名前も、俺の名前も、同じ空間にある。
俺はまだ言わない。
今はまだ。
でも。
待つって決めた。
待つのは簡単じゃない。
隣にいるのに、手を伸ばさないってことだから。
それでも。
〇〇が自分で選ぶまで。
俺は言わない。
……言えない。
でも。
もう、気づいてるだろ。
俺の目で。
ーーーーーーー
部屋の真ん中に〇〇。
その正面に北斗。
周りを囲む両グループ。
重い。
誰も軽口を挟まない。
樹「で、どうすんの」
菊池「結局そこ」
沈黙。
〇〇は腕を組んで、少し考える。
みんなが真顔。
北斗は何も言わない。
ただ、まっすぐ見てる。
その空気に耐えきれなくなったのか、
〇〇が急に顔を上げる。
〇〇「……あ、もしかしてさ」
全員の視線が集まる。
〇〇「北斗さ」
北斗の心臓が一瞬跳ねる。
〇〇「不仲コンビとして、私が先にリア充になるの嫌とか?」
一拍。
〇〇「“え、営業的に困るんだけど”みたいな?ヤキモチ?笑」
空気。
……止まる。
0.5秒。
1秒。
そして。
ジェシー「は?????」
慎太郎「そっち!?」
猪俣「え、そっち解釈!?」
松島が吹き出す。
原が膝叩いて笑い出す。
高地も耐えきれず笑う。
ジェシー「北斗そんなビジネス脳じゃねぇよ!」
慎太郎「営業ヤキモチって何!」
橋本「〇〇それ本気で言ってる?」
〇〇はきょとん。
〇〇「え?違うの?」
大爆笑。
楽屋の空気が一気に崩れる。
さっきまでの緊張が嘘みたいに。
樹が額を押さえる。
樹「お前さぁ……」
菊池は笑いながらも目が鋭い。
菊池「天然にも程がある」
きょもは静かに北斗を見る。
北斗は——
笑っていない。
でも怒ってもいない。
ただ、少しだけ呆れた顔。
北斗「……本気で言ってる?」
〇〇「え?」
北斗「俺が、営業でヤキモチ妬くって?」
〇〇「いやだって、ほら。不仲コンビ売りだし?」
ジェシーまた笑う。
慎太郎「方向音痴すぎる!」
原「論点迷子!」
でも。
北斗は一歩近づく。
笑い声が少しずつ小さくなる。
北斗「俺が困るの、そこだと思ってる?」
〇〇がやっと違和感に気づく。
北斗の目。
真っ直ぐ。
逃げない。
空気がまた変わる。
さっきとは違う静けさ。
〇〇の喉が鳴る。
〇〇「……違うの?」
北斗は一瞬だけ笑う。
苦い笑い。
北斗「お前、ほんとバカ」
周りが「おぉ〜」ってなる。
ジェシー「言った!」
慎太郎「言ったぞ!」
でも北斗の声は低い。
北斗「そんな浅い理由じゃねぇよ」
完全に空気が変わる。
〇〇の心臓がうるさい。
さっきまで笑ってたメンバーたちも、察する。
樹が静かに言う。
樹「……続き、二人で話す?」
菊池も頷く。
自然と、みんなが少し距離を取る。
笑いは消えてない。
でも今は見守りモード。
〇〇はまだ少し混乱してる。
北斗は目を逸らさない。
天然爆弾が落ちたせいで、
逆にごまかせなくなった。
笑いが少しずつ落ち着く。
〇〇はまだきょとんとしてる。
〇〇「え、何が違うの?」
北斗は一瞬言葉に詰まる。
周りが一斉に北斗を見る。
言うのか?
言わないのか?
北斗は息を吐く。
北斗「営業で困るとか、そういう話じゃない」
〇〇「じゃあ何?」
まっすぐ。
悪気ゼロ。
ジェシーが口を押さえる。
慎太郎は天井を見る。
樹が小声で「気づけよ…」と呟く。
でも〇〇には届かない。
〇〇「え、ほんとに何?これドッキリ??」
北斗は少しだけ目を逸らす。
北斗「……普通に心配なだけ」
〇〇「心配?」
北斗「急ぎすぎんなよって」
〇〇「え?」
北斗「昨日好きって言われて、今日はいはいってなるタイプじゃないだろ」
〇〇は少し考える。
〇〇「まあ…ならないけど」
北斗「だろ」
北斗はそれ以上言わない。
言えない。
菊池が腕を組んだまま聞く。
菊池「で、〇〇はどうしたいんだよ」
〇〇は真面目な顔になる。
〇〇「ちゃんと考えたい」
松島「廉のこと?」
〇〇「うん」
即答。
その瞬間、北斗の指先がわずかに動く。
でも顔は無表情。
〇〇「仕事も大事だし。今映画宣伝もあるし。変な選び方したくない」
原「変な選び方?」
〇〇「流れとか勢いとかで決めたくない」
真っ直ぐ。
本気。
北斗はその横顔を見る。
やっぱり、好きだと思う。
でも。
〇〇は続ける。
〇〇「北斗はさ」
北斗の心臓が跳ねる。
〇〇「なんでそんなに落ち着いてるの?」
楽屋の空気が止まる。
〇〇「仲間として心配してくれてるのは分かるけど」
仲間。
その言葉が、静かに刺さる。
〇〇「私が誰とどうなっても、北斗は“まあ〇〇だし”って感じじゃないの?」
ジェシーが吹き出しそうになるのを必死にこらえる。
慎太郎が壁に向く。
樹が天井を見る。
きょもが目を閉じる。
北斗は、笑う。
ほんの少しだけ。
北斗「……そう見える?」
〇〇「うん!」
無邪気。
残酷。
北斗は肩をすくめる。
北斗「じゃあそうなんじゃない」
樹「北斗」
低い声。
でも北斗はそれ以上何も言わない。
〇〇「ほら!」
〇〇は納得した顔。
〇〇「やっぱり営業ヤキモチ説だったんじゃん」
また笑いが起きる。
ジェシー「まだ言う!?」
慎太郎「思考回路どうなってんの!」
楽屋はまた笑いに包まれる。
でも。
北斗だけは静か。
笑ってる。
ちゃんと笑ってる。
でも目は笑ってない。
〇〇は本当に気づいていない。
1ミリも。
北斗の“落ち着き”が、
必死に抑えてる結果だってこと。
樹が静かに言う。
樹「……帰るぞ」
SixTONESが動き出す。
ドアの前。
北斗が一瞬だけ振り返る。
〇〇はメンバーに囲まれて笑ってる。
何も知らない顔で。
北斗は小さく息を吐く。
言わなくてよかったのか。
それとも、
言えなかっただけか。
まだ、タイミングじゃない。
そう自分に言い聞かせて、
楽屋を出る。
ーーーーーー
SixTONES楽屋 ― 北斗side
きょも「まあまあ、収録後のテンションだし落ち着けって」
高地「でも北斗、〇〇と話した感じはどうだったの?」
北斗はしばらく黙る。
心の中では、楽屋での〇〇の無邪気な発言や、天然の笑い方が繰り返し浮かんでいた。
北斗(心の声)
「〇〇は何も気づいてない……あの笑顔で、ただ楽しそうにしてるだけで……」
樹「お前さ、やっぱり気になるんだろ」
北斗「……まあ、心配なだけ」
ジェシー「それだけじゃねえだろ」
慎太郎「口に出さねぇからって、分かんねぇわけじゃねぇぞ」
北斗は息を吐き、視線を落とす。
北斗(心の声)
「不仲コンビとして、戦友として……ただ隣にいるだけでいいのに、心の奥は揺れてる」
高地「まあまあ、今日は仕事に集中しろって」
きょも「そうそう、秒速5センチメートルの現場もあるんだから」
北斗は小さく頷く。
樹「よし、じゃあ俺らは解散だ。現場でまたな」
北斗「うん……ありがとう」
楽屋の空気は和やかだが、北斗の心の中では〇〇への気持ちと、映画撮影への緊張が入り混じる。
笑いながら話すメンバーの声を聞きながらも、北斗は静かに自分を落ち着かせる。
北斗(心の声)
「今日も演技に集中……でもやっぱり、〇〇のことが離れない」
現場への移動 ― 北斗side
北斗は楽屋を出て、車へ向かう。夜の街を走りながら、窓の外のオレンジ色の街灯が揺れる。
深く息を吸い、映画の撮影に向けて心を整える。
北斗(心の声)
「告白はまだできない……今は、〇〇に迷惑かけず、戦友として隣にいるだけ」
車内で手元のスケジュールを確認し、今日の撮影や明日のシーンを頭の中で反芻する。
現場に着くと、スタッフや高畑充希さんが準備中。
スタッフ「松村北斗さん、お疲れ様です!」
北斗は軽く会釈し、衣装やカメラ位置を確認する。
監督「北斗、今日は静かな駅のホームでの一人芝居だ。感情は内に秘めつつ、動線や仕草を丁寧に。テイク1、スタート」
北斗は深呼吸し、演技モードに切り替える。
心の中では〇〇への気持ちを抑えつつ、役としての北斗に集中する。
北斗(心の声)
「まだ言わない……今はただ、役者として、戦友として、やるべきことをやる」
ーーーーーーーーー🌙
〇〇side
今日はMステ収録の後、風磨、樹、きょもとご飯に行く予定だった。
お店に入ると、軽く乾杯して席に着く。
〇〇「ねぇ、今日のMステの時、北斗の顔見た?」
きょも「ん?何それ」
〇〇「なんか、怒ってたような気がして……」
樹「怒るわけないだろ、北斗だし」
〇〇「でもさ、私が先にリア充になるとか煽ったやん……」
きょもが笑う。
きょも「なるほどね、それで心配してるわけか」
〇〇「うん……心配っていうか……」
口ごもる〇〇を見て、風磨が軽く肩を叩く。
風磨「じゃあさ、今日北斗映画撮影早めに終わるらしいぞ」
〇〇「え、そうなん?」
きょも「ならさ、誘って話す?途中参加で来てもらえば」
〇〇は少しドキドキしながらスマホを手に取り、北斗にメッセージを送る。
「もし終わり次第だったら、あとでご飯どう?」
料理をつまみながら、みんなで笑い話をしながら時間が過ぎる。
でも心の奥では、北斗が来るのかどうか、どんな顔で来るのかが気になって仕方がない。
少しして、店のドアが開き、北斗が入ってくる。
〇〇は思わず目が合う。
北斗「……こんばんは」
〇〇「……こんばんは」
沈黙が一瞬流れるが、〇〇は笑顔を作る。
〇〇「座って、座って」
北斗は席に着き、軽く会釈する。
樹「お疲れ、北斗」
きょも「途中参加ありがとう」
北斗「いや、誘ってくれてありがとう」
料理を取り分けながら、会話は自然に続く。
〇〇は今日のMステでの北斗の表情や、自分が煽ったことがどう影響したかを考えながら、少し胸がざわつく。
〇〇(心の声)
「怒ってないよね……たぶん……」
北斗は淡々と話すが、時折〇〇の方を見て微笑む。
その笑顔に、〇〇は思わず頬が緩む。
〇〇「北斗、今日の収録はどうだった?」
北斗「……普通だった。いつも通り」
〇〇「そう?」
北斗「うん」
自然な会話。
でもお互いの胸の奥には、まだ言えない気持ちが残ったまま。
〇〇は笑いながらも、心の中で少しそわそわしていた。
そして、やっとまだ話せていなかったことを口にする。
〇〇「ねぇ……実はさ、明日ちょっとした仕事があるの」
北斗「うん?」
〇〇「雑誌の表紙と対談……廉と一緒なの」
北斗の目がわずかに動く。
北斗「そっか……」
〇〇「距離ゼロで撮影だから……ちょっと気まずいんだよね」
北斗「……大丈夫だろ」
〇〇「大丈夫かな……」
言いながらも、胸の中は少し緊張する。
〇〇(心の声)
「どうしよう……話すタイミングもないし……」
北斗は黙って〇〇の言葉を聞き、軽く頷く。
北斗「じゃあ、無理に話さなくても……」
〇〇「うん……でも……」
笑顔を作ろうとするが、自然と頬が赤くなる。
〇〇「明日はちゃんと仕事に集中しなきゃね」
北斗も軽く頷き、自分の気持ちを抑える。
お互いに言葉にしなくても分かる距離感。
〇〇は少しだけ深呼吸して、気持ちを落ち着ける。
〇〇(心の声)
「北斗がいてくれるだけで……なんとかなるかな……」
二人はその後も会話を続けるが、心の奥では明日の対談のこと、そして距離ゼロの撮影でどんな気持ちになるのかが少しずつ重くのしかかる。
〇〇は自分の胸のざわつきを感じながらも、笑顔を保つ。
――明日はちゃんと、仕事として頑張ろう。
北斗side
夜のご飯は途中から参加。
楽屋でのやり取りやMステのことを思い返しながら、少し緊張気味に店のドアを開けた。
北斗(心の声)
「〇〇、今日も……相変わらず無邪気だな」
席に着き、軽く挨拶する。
北斗「……こんばんは」
〇〇の顔を見て、少し胸がざわつく。
笑っているけど、どこか気まずそうな表情。
北斗(心の声)
「……俺が話したら、また変な空気になるかな」
料理を取り分けながら、みんなで談笑。
北斗は必要以上に声を張らず、でも時折〇〇の方を見て微笑む。
〇〇「北斗、今日の収録はどうだった?」
北斗「……普通だった。いつも通り」
言葉は簡単でも、心は少し揺れている。
北斗(心の声)
「普通って……いや、〇〇が近くにいるだけで、普通じゃないんだけど」
〇〇がまだ話せていなかったことを口にした。
〇〇「実は、明日ちょっと仕事があるの……雑誌の表紙と対談。廉と一緒なの」
北斗(心の声)
「……廉と、か」
自然に視線を落とす。距離ゼロの対談か、と思うだけで胸が少し締め付けられる。
〇〇「距離ゼロで撮影だから、ちょっと気まずいんだよね」
北斗「……大丈夫だろ」
心の奥では、〇〇が少し気まずさを覚えていることに、ほっとする気持ちもある。
北斗(心の声)
「仕事として割り切れるか……でも、〇〇の気持ちもわかる」
〇〇「明日はちゃんと仕事に集中しなきゃね」
北斗は軽く頷き、口には出さないけれど、心の中でそっと応える。
北斗(心の声)
「そうだ……今は、俺がどうこうする時じゃない。〇〇の仕事を見守るだけ」
北斗は少し深呼吸し、胸のざわつきを抑える。
夜の会話は和やかに進む。
北斗は笑顔を作りつつも、心のどこかで明日の雑誌対談のことを考えていた。
距離ゼロの撮影、〇〇と廉のやり取り……見守るだけだと自分に言い聞かせる。
北斗(心の声)
「俺の気持ちは、まだ伝えるタイミングじゃない……でも、そばにいるだけでいい」
笑う〇〇を見ながら、北斗は静かにそう決意する。
そして、帰るまでの間も、言葉少なに、でも心の中で〇〇の無事と笑顔を祈りながら過ごす。