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暑い夏の日今日も屋上から快晴の歌声が聴こえる
「よし、今日はこんなもんかな」
パチパチパチ
パチパチと虹一が拍手をしてくれる。いつも通り屋上で歌っていたら今日も虹一が俺の歌を聴きにきてくれた。あの日からほぼ毎日俺と虹一は屋上に集まり、観客1人のリサイタルが開催される。今日は30分くらい歌った。夏になり、日が暮れるのが遅くなるからいつもより長く歌えた夕方、歌い終わった俺は屋上の扉に鍵をして、虹一を連れて階段を降りる。後ろを振り返ると虹一がキョロキョロと忙しなく辺りを見渡していた。
「虹一?どうした?」
虹一がいつもよりソワソワしていたのはわかっていたけど、玄関にきた瞬間さらにソワソワしだした。なにか楽しみなことでもあるのか。
ガサガサと虹一は鞄の中を漁る。なんだなんだ?すると鞄から一枚の紙が出てきた。
夏祭り8月10日〜8月13日市殻神社で開催
そっかもうそんな時期か、そんなことを思っていると夏祭りのポスターの隣に虹一のメモが遠慮がちに出てきた。
[一緒に行こう?]
虹一は俺の顔を真剣に見ていた。そうか虹一は俺を夏祭りに誘うのが緊張していて今日一日ソワソワしていたのか。くふふwなんか笑えてきたw
ニヤニヤしている俺を見て虹一は焦った顔をしている。
「いいよ一緒に行こう」
ぱぁぁぁと虹一の顔が明るくなる。その日はいつもの分かれ道まで虹一と帰った。