テラーノベル
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扉に手をかけて振り向いた。
隙間からは明るい光が家の中に入り込んでいる。
「お母さん。今度こそ大丈夫だと思う?」
「きっと大丈夫」
(本当に?)
心の中でそう呟いて、私は溜息を呑み込んだ。
これで私の転校は何度目になるのだろうか。
幼少期から、何度も、何度も孤立しては転校して来た。
気味悪がられて、遠ざけられて、最後には誰もいなくなる。
人間なんて所詮そんなものだ。
外へ一歩踏み出す、慣れない空気、慣れない景色。新しい場所は何度経験してもすぐには慣れることができない。
地図アプリを開いて学校までの道を確認する。
ああ、まただ。
電柱の陰から。
通学路の曲がり角から。
それは、ただ私を視ていた。
お初にお目にかかります。
作者のYURIです。
よろしければご愛読ください。
コメント
3件
YURIさん、第一話読ませていただきました。 転校を繰り返す主人公の〈まただ〉という諦めの口調に、胸が締め付けられました。「気味悪がられて、遠ざけられて」という淡々とした語りが、むしろその痛みを強く伝えてきます。 最後の「電柱の陰から」「通学路の曲がり角から」という得体の知れない何かの気配──これが何を意味するのか、続きが気になります。優しいお母さんの「きっと大丈夫」という言葉と、主人公の内面の乖離も切ないですね。 静かな不安に満ちた、引き込まれる導入でした。続きを楽しみにしています🌷