そのとき、聞き覚えのあるチャイムが鳴った。昼休みの終わり頃に鳴る、午後の授業開始五分前を知らせるチャイム。やはり動画の撮影場所は校内だった。彼女はこんなふうに過去に何ヶ月も、校内で男たちと乱れた性にふけっていたのだ。
雅人のあきれたような声が聞こえてきた。
「化け物だな。昨日もおとといも出してるのに、穴からあふれ出すどころか、ソファーまでぼとぼと垂れてくくらいの量をまだ出せるんだから」
「何言ってんだ。おれは今朝だって映山紅とセックスしてるんだぜ。朝は中に出さないで顔にぶっかけたけどな。そのときもメガネのレンズがどっちも真っ白になるくらいは出たぜ」
「おまえら放課後もするんだろ」
「ああ、先週から後ろの穴を開発中だからその続きをしようと思ってる」
「陸さん、そろそろ足を放して! 授業に遅れちゃうよ」
彼女は体を折りたたまれ、陸の精液にまみれた性器をカメラと男たちの目にさらしたまま、それを言ったのだろう。〈だろう〉と言ったのは画面がよく見えなくなっていたから。最初は少し画面がにじんで見えるくらいだったのに、その頃には嵐のときの車のフロントガラスのように僕の目は何も映さなくなっていた。
「陸さん、また放課後ね!」
という彼女の明るい声が聞こえてすぐ、動画の再生は終了した。機能を停止していたのは目だけではなかった。僕の脳の機能がふたたび動き出したのは、いつもの起床時間から一時間も過ぎてからだった。
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