注意
・実在の国や歴史などのあらゆるものとの関係はありません
・腐向けです
・少しそういった描写ありますのでご注意ください
・キャラ崩壊など起きている可能性があります。すみません
・関西弁まったくわかりません
・キャラの心情が半分ほど占めています
・処女作
・学も文才も無いので良い文は書けません
・自己満クオリティです
・こんなな注意事項書いていますが短く、薄っぺらいため期待外れだと思われます
・誤字脱字はスルーしてください
・問題などありましたらすぐに知らせてください。削除などの措置をいたします
上記のことが許せる方はどうぞ
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大西洋の霧が、俺の船を冷たく包む。甲板は海水で濡れ、ブーツで踏むたびに軋む音が響く。必死に急ぐが、こんなときに限ってあまり進まない船を呪いたくなってくる。スペイン、「太陽が沈まぬ帝国」の化身を、俺の国の海賊が拿捕したらしい。だが、報告は最悪だ。部下があいつをただの人間と勘違いし、好き勝手に汚したという。
拿捕したスペインの帆船に乗り込む。船倉の鉄の扉を開けると、湿った空気と汗、血、生臭い匂いが鼻をつく。薄暗い奥、木箱と縄が散乱する片隅に、スペインが崩れ落ちている。鉄の手枷で両手首を縛られ、赤のコートは引き裂かれ、煤と汗で汚れている。ズボンは乱暴に下ろされ、白濁した汚れが太ももにこびりつく。首元のロザリオが灯りに揺れ、青白い顔には頬に赤い手形、肩や腕に爪痕と赤い跡が走る。いつもは燃えている瞳が、虚ろに曇り、唇は小さく裂けて血が滲む。
船員の一人が怯えた声で言う。「こいつ、顔が良かったから我慢できず…手を出してしまい…」
「出てけ。」俺は低く唸ると船員たちが慌てて逃げていく。俺はスペインに駆け寄り、膝をつく。指が手枷に触れ、冷たい鉄に震える。「聞こえるか?俺だ、イギリスだ。」
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手枷が手首を締め付ける。冷たい鉄が肌に食い込む。体が重い。船員どもの手が俺を汚した。国の化身とは知らなかったのだろうが、好き勝手に触られた。別に国だからといって特別なわけじゃないけれど、それでも嫌だった。
頬を叩かれ、腕を強く掴まれ、コートを引き裂かれた。ズボンも下ろされ、白濁した汚れが太ももにこびりつく。生臭い匂いが鼻を刺す。笑い声、荒々しい手、貪るような視線が耳と心を抉る。痛い。体も、心も。俺の誇りが、踏みにじられた。
なぜこんな目に…俺は人間ではないのに、なぜ人間の欲望に汚されなければいけないのか。この屈辱、体と心の傷、全てが俺を嘲笑っている。…でも、俺は死なないから。この痛みを永遠に背負って生きていく。だけど、あいつらが俺の民には手をだされなかったのは幸いだった。彼らのために、こんな状況である今こそ俺は輝いていなければいけないのだとは思うけれど、今、俺の心は曇ってしまった。この汚れは、俺の光を奪ってしまったのだろうか?
ロザリオを握る手が震える。神に祈り、魂を奮い立たせる。負けてはいけない。俺は太陽でいなければいけない。そうは思ってもどうすればいいのか何もわからなかった。
けれど、そんなとき急に飛び込んで来た声に少し期待してしまった。敵であるはずのイギリスに…あいつならこの状況を何とかしてくれるのではないかと思えた。
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手枷を外すと、それは鉄の軋む音を響かせた。あいつの体が俺の腕に崩れ込む。熱い、震える肌。ロザリオが指に触れる。俺は船倉の隅にあった布を取り、水桶で湿らせ、顔をそっと拭う。赤くはれた頬、額の汗、唇の傷。指が震える。
「痛むか?」声を抑え、木箱の上に彼を座らせる。破かれたコートを脱がせ、肩や腕の爪痕を丁寧に拭く。太ももの白濁した汚れに布を当てる。スペインの体が小さく震える。「すまなかった。俺の部下が…俺がもっと早く来てれば。」
彼が虚ろな笑みを浮かべ、呟いた。「イギリス、敵にこんな優しくしていいんか…それに俺はお前と戦っている国自身で…」
俺は新しい布で太ももの汚れを拭き取り、ズボンを整える。破れた部分を布で覆い、毛布を敷いて横にさせる。「お前…こんな目に遭っても、まだそんなこと言えるのか?」低く言う。「俺たちは国だ。人間にこんなにされて悔しくないのか。」
スペインが俺の手を握る。弱々しいが熱い。「別に俺らは人間より上の立場でもなんでもないし…まぁそれでも俺、こんなこと死ぬほど嫌やったで。でも、俺は死なへんから…この汚れや痛みを受けても生きれる。それでも、俺の民にはこんなことされなかったのは救いやったわ。」
その言葉に息が詰まる。救いだと?俺は肩に手を置き、抱きしめる。強く、だが壊さないように。「国だからって自分のことは大切にしないと今に身を滅ぼすぞ…この瞬間もそうだがな。」
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俺は汚された。船員どもの手で、体が傷つけられ、心が砕かれた。なんでこんな目に。この傷、汚れ、全部が太陽を曇らせる。
それでも俺の民にこんな汚れを負わせずに済んだ。それだけが、俺の心を支えてくれた。
そして、イギリスが俺自身のことを助けてくれた。
だが、なぜ俺なんかを助けてくれたのだろうか…
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「俺の船で休め。もう誰にもお前を触らせないようにする。」そう言って俺はあいつの手を握る。
霧が晴れ、星空が船倉の窓を照らすようになったころ、俺はスペインを運び、自室で休ませた。そして、何かマズいことはしないかと見張ることにした。眠っているのだから何もするわけはないのだが…
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なぜ俺は長年の宿敵であるはずの国に情けを掛けてしまったのだろうか。だが勝手に体が動いてしまったのだから仕方がない。理由でもでっちあげることにしよう。
同じような存在ゆえの同情?それともただ可哀想だったから?考えてはみたがやはり最適なものは見つからない…それから、今後のためには助けないほうが良かったのではないか、といった考えも脳を駆け巡る。
…が、それでも俺は後悔しない。まぁこれで貸しでも作れたと考えれば妥当だろう。
もう眠りこけたあいつの顔をながめ始めてからどれくらいたったのだろうか。
それだけ考えて俺は部屋を出た。
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