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藤澤サイド
元貴はふるふると首を振って泣き出した。
「もとき、?どうしたの?」
「若井はっ、俺がイけないからっもういらないって、」
元貴が泣きながら僕の胸にしがみついてくる。
元貴の目から溢れる涙が、頬を伝って僕のズボンに水玉模様を作っていく。
「…いらない?」
「っ、そう。何時間もっ、ずっとっ、穴っ、入れられて」
元貴が段々と過呼吸になっていく。
カヒュカヒュと掠れる、悲鳴にも似た呼吸音が部屋に響く。
「元貴、落ち着いて」
「若井はっ、もうっ、おれのこと、すきじゃっ、ないって」
わかってた。
若井は、元貴を利用してただけだって。
甘い言葉だけ、上部だけ元貴を愛して、犯して。
だから、若井にボロボロにされた元貴が、壊されて帰ってくるのを、予想していた。
本当は、止めるべきだった。
若井の魔の手に、元貴が掴まれてしまう前に。
でも、止められなかった。
「わか、い」
「元貴、こっちおいで?」
若井がそう元貴に言った時、元貴は顔を上げた。
目を光らせて、輝かせて。
少しだけ頬を赤らめて。
雰囲気が変わって、元貴は、
若井の言葉に、嬉しそうに少しだけ微笑んで。
あんな元貴を、止めれなかった。
あんな元貴の喜んだ顔を、久しぶりに見た。
だから、今度こそ、元貴は幸せになれるんじゃないかって。
本当に若井は、元貴を迎えにきたんじゃないかって。
そんな、あるはずない、淡い期待をして。
結果、戻ってきたのは、若井に心も身体もボロボロにされた、元貴。
甘い言葉に踊らされて、その後にきつい言葉を浴びせられて。
ごめん、ごめんね。
あの時、元貴を無理矢理にでも止めていたら。
「元貴…ごめんね、」
「むのっはいらないってっ、ベッドからっ、落とされて、」
「元貴、もう喋らなくていいよ、思い出さないで。大丈夫。僕がいるよ」
そっと優しく元貴を抱きしめる。
元貴は、それに優しく応えてくれた。
♡&💬よろしくお願いします
コメント
7件
笑顔の大森さんを止められずにそれを責めてしかも大森さんを受け入れるとかどんだけ優しいの…今回も語彙力というか表現方法がすごくお上手です…!!
涼ちゃんの優しさに涙が滲むゎ、、 若井さんのクズ加減がすごいけどなんか憎めないんだよなぁ、もっくんもボロボロになっちゃって悲しいけど口角下がんないんだよなぁ、((
これが共依存(?)ってやつか、、、、もっくんも着いていっちゃうのも、、、ってかんじして、、考えさせられました☺️