7月7日。織姫と彦星が、1年に1回会える日。
私達も。七夕祭りの時に、あの場所で。
貴方と話すのが 1年の楽しみだった。
でも。会えなくなったら、?
「沙織(さおり)!明日の七夕祭り一緒に行こう?」
友達の理沙(りさ)は、パンフレットを持って尋ねてきた。
私は、夜空 沙織(よぞら さおり)。今年から高校1年生になった。
「あー、ごめん!明日は予定あって、」
その日は、その日だけは、絶対に彼に会う。
「えー!うっそん!」
「ごめんね?」
「しょうがない!他の子誘おう!」そう言って他の子達の方へ歩いていった。
理沙には悪いけど、この日だけは譲れない。
すると、独特のチャイムがなり、学校が終わる。
明日は、学校が休みで、朝から行ける。でも、いっつも会う日は夜の7時。それまでは我慢。
早速家に帰り、いつもよりも早めに支度して、早めに寝た。
朝
眩しい朝の日差しを浴びて、いつもよりも清々しい朝を迎える。
いつもより、すごく寝れた、
少し重たい目を擦り、下へ降りていく。
「おはよう。お母さん、お父さん。」
いつもより元気な声で、挨拶をする。
「沙織、おはよう。今年は、星良(せいら)くんと会えるのかしら?」
「うん。」
去年は、私が風邪を引き、星良くんと会えなかった。
その代わり、お母さんが伝えに行って、そこからお母さんは星良くんを気に入っている。
今年は、絶対会う、
「じゃあ、私部屋行くね。」
「分かったわ。」
そう言い残し、部屋へ向かう。
やっと手に入れたスマートフォン。今年は連絡先と、SNSを繋げるって決めている。
毎日、やり取り出来たら、幸せなんだろうなぁ、
明日は普通に学校があるから宿題をしながら時間を潰す。
時間、経つの遅すぎる、
まだ10分しか勉強していないが、私の中ではもう3時間くらい時間が経っている。
でも、星良くんと会うなら、頑張る、
そう決意し、机に向かう。
楽しみだな、
よし!浴衣OK!
お母さんに着付けを手伝ってもらい、花柄と淡いピンク色の浴衣を着る。
星良くん、なんて言うかなぁ、
「気をつけて行ってくるのよ。」
私は頷き、家を出た。
今日は、人通りが多いなぁ、
私はできるだけ人通りが少ない道を歩く。
信号が赤から青に変わり、横断歩道に踏み出した。
信号が赤にも関わらず、スピードを落とさない車が、一直線に向かってくる。
今年は、星良くんに、連絡先を聞かなきゃ、今日しか、無いのに、
私は、車に跳ねられ、意識を手放した。
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