語り継がれることのない日記_
とうとう彼奴等が動き出した。突如セインの森に巨大ダンジョンの出現。そして、大規模な探索。そこで生き残った冒険者の数はたったの三人だった。依頼主は不明とされているが、あれは魔王軍の仕業だろう。そして、巨大ダンジョンを作った奴はクィンカルス帝国最強の魔法使い、サブリット。絶対にこのサブリットこそが巨大ダンジョンを作った張本人だ。
「はぁ…」
思わずため息が漏れる。この世には化け物と言う者が居る。魔王軍第0幹部、第1幹部、第2幹部、この3匹、いや、3人が私の知る中で一番の化け物だ。魔王も見たことはあるがあれ程では無い。そんな化け物がとうとう動き出した。彼奴等しろ、こちらにしろ少なくはない痛手を負った筈だ。なのにこんな十数年程で対策を考え実行したと言うのか。ははは、はぁ…。どうしてこうも上手く行かないのかなぁ。まあ、でもこちらも何にも対策をしなかった訳では無い。
チラリと横になっている被検体を見る。これは205A……転生者だ。他の世界からやって来たユーマ。他にもあと3人居るが1人は死んだ。取り出した時には人ならざる姿へもと豹変し、すぐ息絶えた。
「クロン、こいつを部屋へ運べ。」
「はい。」
205Aの持っている「妖夢視幻覚」と言うスキルについて調べたかったんだが何処にもそんなスキルは見当たらないどころか、使った形跡も無い。これはどういうことだ?ただでさえ、もうすぐでこの場所がバレそうだというのに。取り敢えず他の2人をさっさと調べ移動するほかない。そうしたら…でも………どうせあの方々は助けてくださらないだろう。
「クロン。」
「何でしょうか。」
平然と答えるクロン。
「上の方の報告はしたか?私がとことん追い詰められて大事な被検体を無駄にする、と。」
「……はて。理解しかねます。」
「そうか。なら、一つ。……私の墓は、ここか?」
「……さあ。」
なあ、クロン。お前は本当に私が作った傑作なのか?それとも、上の方の差金なのか?なあ……
「どっち何だ…?」
答えは帰っこない。
追記__
その日、ある研究者が血の涙を流しこの世を去ったという。研究者は何を思ったかは不明。そして何より研究所に居た被検体のうち、3体を失うという事件が起きた。それは私達の予想を大きく上回る形で。
「よぉ、お前んとこのバカが大事な大事な被検体をのがしたそうじゃあ、無いか?どう落とし前つけてくれるんだぁ?ただでさえ、レネが死んだっつーのにこれ以上手駒を失ってどうすんだよ。」
「あら。そんなんでも少しは考えてるようね。」
「あ?そういうお前んとこも人間誑かしてんのに被害者面してるそうじゃねーか。お互い様だろ?」
「そういう、お前もだろう?」
「まーな。」
「……黙れ。」
「あ?んだよ、少しぐらい駄弁っても良いだろ?」
「私はザコと喋るのは趣味に合わんのだ。」
「あぁ?んだとテメェ…」
「おや?ここで私に危害を加えたとして困るのは君たちだろう?それに、私に勝てるとでも?」
「……お前のそういうキモいところが嫌いなんだよ。」
「褒め言葉として受け取っとくとしよう。」
どうも、作者のメラです。今回は短めでした。そして!とうとう15話で!研究所編が終わります!そして!新章が始まります!どんどんぱふぱふー。まっ、14話は志奈ちゃんのお話ですけどねー。志奈ちゃん(過去編)らぎはやくん(未来編)主人公(現在編)こんなんです。まあ、何ということでしょう。ややこしいったらありゃしない。しかも、変な秘密組織てきな者が今回出てきたし。秘密組織ではないんだけどね?そんな感じのになっただけなんだよ。てか主人公出てきてないし。ところで話は変わるが!最近、この物語の前世、転生者の日常をえがいたのも更新したんでそちらも宜しくお願いします。特にらぎはやくんと東雲くん、未だに出てきてない転生者も出てきますので結構面白いと思いますよ。あ、勿論転生者はちゃんと本編でも出てきますよ。では、アディオス。
コメント
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なんとなく全部読んでみたけど滅茶苦茶おもろいやん······