テラーノベル
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rirb
暴力表現有
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ライと付き合うことになった。嬉しかった。皆に言った時に祝ってくれて心が温まった。密かに思いを寄せていた相手と一緒になれる。待ち侘びていたことだった。最初はお互いぎこちなくお家デート等をしていた。あのぎこちなさが気持ちよくてずっと続いてほしかった。半年ほど経った頃、同棲することになった。その頃にはぎこちなさは無くなっていたものの好きな人と一緒にいれる時間が長くなることに対して俺は心が浮かれていた。料理は俺が担当。ライは洗濯物をやってくれたり最初は順調だった。ご飯は色々なものを作ったりしてライ好みのご飯を探す。ライはご飯に対して何かしらのコメントを絶対につけてくれ毎度毎度「美味しい」なんて笑顔で言ってくれるからどんなに疲れていても疲れは飛ぶし食べている姿を見るだけで幸せにだってなれたしもっと頑張ろうって思えた。ライは任務任務終わりに俺が作ったハーブティーが好みなようで、ハーブティーを作る度に上機嫌になって笑顔で感謝をしてくれてやり甲斐があった。
けどいつからだろうか。その“やり甲斐”が無くなったのは
「ライ、おかえり。ご飯用意してあるけどいる?」「いらない」
「今度コラボしない?」「いい。疲れてる」
「ねぇライ」「ぁ゙〜!!なんだよ!いちいちうるせぇ!」
バチン、と痛々しい音が静かな部屋に響く。頬がヒリヒリと痛む。ライに叩かれた、と認識するまで時間は要らなかった。
「最近うるせぇんだよ!飯も不味くなった。誰のおかげで生きてると思ってんだ。戦闘もできない、給料もすくねぇくせに!!」
「ご、ごめッ」
謝ること以外できなかった。頭がフリーズした。そんなこと思ってたんだ。よく言われることではあった。確かに俺は戦闘ができない。どちらかと言うと後方支援タイプでよく市民から役たたずなんて言葉を浴びせられていた。言われ慣れてるはずなのに。最愛の人から言われて心が痛かった。ご飯だってライの好きな味で作ってる。何処が美味しくないのかな。もしかして最初からなのかな。今日、ライが好きな親子丼なのに。ライが部屋から出ていき俺はライの分しか用意されていなかったご飯を胃に入れる。あまり食欲が湧かない。中々食べ進められず3分の1程度で残してしまう。味付けは昔から変わってなかった気がする。
次の日から接し方に気をつけた。なるべく声を掛けず、癪に障らないように。任務後だってできるだけ喋らず風呂場に連れていき寝室につれて行き寝かせる。怪我があれば何も言わずに手当をするだけ。洗濯だって自分の分は自分でするようにもなった。でもある日なにかの癪に触れてしまったらしく怒られた。今回も叩かれた右頬が痛む。ライが自分の事のように誇ってくれた白く陶器のような肌は赤く腫れ上がり、誰からも目を向けられなくなった絵画のようだった。相変わらずご飯を食べてくれずに誰かとご飯に行ったりフードデリバリーが増えた。
ある日の任務のことだった。その日の敵は強くて4人全員に出動要請が出ていた。場所は某ショッピングモールのようで休日なのも相まって人が多かった。混乱で満ちている人達の避難させた後3人の場所へ向かう。行く途中に雑魚が集団で待ち構えておりそいつらを触手で固めて遠くへ投げる。俺が着いた頃にはもう終わりかけなようで「抜刀」と低い声で発せられた後敵が散る。3人が安心し膝から崩れ落ちている場所へ先程はなかった残党らしき物が飛ぶ。3人の背後で3人は気づいていないらしく俺だけが気づいている。急いで触手を伸ばして3人の攻撃を防ぐ。触手と言えど痛みはある。警戒心を高めて周りを見渡すと強さで言うと中程のモノが三体、此方を見ていた。カゲツや小柳くんは育ちや種族的にも背後攻撃もわかる。ということは3人は先程の先頭でどこかしらを負傷している。ならばここはどこも怪我をしていない俺が前へ出るべきだ。そう思い三体の気を俺へ向けて遠い場所へ走り出す。後ろから呼び止める声が聞こえた気がしたが何も気にしない。結局、俺でも倒せるレベルで怪我は負ったものの倒すことが出来た。3人の元へ行くとある程度回復していたようで俺を探そうと立ち上がろうとしていた時だった。拠点へ戻るとテレビをつけ、3人の怪我の手当をした。テレビでは何故か俺の報道が多い。あんな弱いのなんかヒーローなりたてでも倒せるだろう。それよりも大型を倒した三人を報道しほしいものだ。2人からは心配、説教、感謝をされた。ふとライの方を見ると目にハイライトがなかった。癪に障ってしまった。この空間にいることが苦手で俺は1人先に家に帰った。家に帰るとすぐにご飯を作った。食べてもくれない。なのに毎度何処か期待してしまっている。作り終わり、お風呂に湯を貯めている途中、ライが帰ってきた。ライ、ご飯あるけどどうする?と聞くその前に頬に激しい痛みが走り思わず尻餅をついてしまう。見上げた顔は何も写しておらず、黒い瞳をしていた。こんなに怒っているのは初めて。ライが手を振りかぶる。まずい、そう思った時には腕が痛む。「ライごめんッ!」そう必死に叫ぶ声はライの耳に届かず、殴られ蹴られを繰り返す。どのくらい経っただろうか。体中が痛んで「痛い」ということ以外考えられなくなる。人間はここまで愚かなものなのか。ライは座り気力すら分からない俺に舌打ちすると何処かへ歩いていく。ライの為に作ったご飯。今日は少し口に入れてくれた。なのに、「なにこれ笑よくこんな不味いもの作れたね笑」と言って目の前で捨てられた。心が抉られているような感覚が今でも抜けず気持ち悪い。挙句の果てにライから言われた「お前なんかに助けてられなくても俺らは生きていける」なんて言葉が頭から離れない。風呂でも入るか。ご飯は食べる気になれなく、3日近くまともなものを食べていない気がする。鏡の前に立つ。そこには明らかになる自分の痣。見る人が見れば拒否反応を起こすだろうか。シャワーの水が沁みる。疲れたのかもしれない。体が悲鳴をあげている。ライを目の前にする度に頭の中に警報が鳴り響く。なのにまだ諦めきれない。まだライのことが好きだった。でも少しぐらい休みたいな。気がついたら海に居た。夜の海は不気味なもので誰もいなく、星空が綺麗に見える。「るべ、何してんや」後ろから聞き馴染みのある声が聞こえる。振り向くとそこには東のヒーローでありライの相方でもあるマナがいた。何故こんな所にいるかは分からない。この人ならば何もしない、頭でそう思ってしまい自分が嫌になる。不思議と泣きそうになり顔を背ける。「ライとなんかあったんか」気がついたら隣にいたマナにそう言われる。「何もない」力無く呟いたところで何も信じられない。「嘘や。泣いてる」そう言われ顔に手を当てる。確かに少し濡れていた。何故泣いたのか。ライのことだから耐えられる。自分を過信しすぎていたのかもしれない。「何があったんか話してみ。ゆっくりでええから。」そういうマナの声の声は優しくつい甘えて口から無意識に言葉が溢れる。“助けて”そう小さく呟いただけなのにマナは態々東の拠点までへ連れて行ってくれた。東の皆は優しくて話を聞いてくれた。暫く此方で匿ってライがどうしても連れて帰りたい、必要、反省をしたのなら帰すということになった。いつか来てくれると信じることにしてそれを飲み込んだ。東の皆はさっきの話が無かったかのように明るく接してくれてあった出来事も忘れかけていた。俺が申し訳さなから作ったご飯も美味しいといいながら食べてくれ久しぶりの感覚に心が温まる。結局数週間がたった。メールを開くのが怖くて、みんなが心配で送ってくれたメッセージにも既読が付けられない。ライからは何も来ていなかった。俺はやっぱり不要だったのだろうか。そんなことしか考えられない自分を痛めつけたくなる。けど何度でも思い出す。前、同じようなことがあった時に俺が軽い自傷行為をした時にみんなに泣かれて「もうするな」と言われたことを。頑張って痛めつけたい思いを抑える。マナから勧めてもらったゲームも結局やる気になれずすぐに辞めてしまう。何もする気がなく、リビングに足も抱えて座っていたところ、スマホが震える。画面には着信という文字と小柳ロウという字が見えた。電話くらいには出てやるか、そう思ったからスマホを手に取って電話に出る。電話の向こうは荒い息と足音が聞こえる。「もしもし」そう言うと足音が止まり「繋がった!」という声のみが聞こえる。「あの?」話すことがないのならさっさと切りたくて仕方がなかった。「お前どこにいる」「何処って…」そんなの答えてられるのならば言っている。会えるならもう会えている。「音的に東か」回答に迷っていたところ、白狼の自慢の聴力のおかげなのか。電話に僅かに乗っていた環境音で場所が特定された。「なんですか」「いや、見ねぇから。元気してるかなって」少しでもライが心配していたのかと思ってしまった自分が悔しい。「元気ですよ。お陰様でね。もういいですか」「いや待て。東の拠点だろ。近々そっちに行く。伊波の件も」ライの事を言われて鼓動が早くなる。何。ライの件って。そんなことで頭が埋め尽くされる。“近々”はっきり言ってくれたら心の準備ができるのに濁される。そのせいで不安が集っていく。マナ達に伝えたら何かあったら絶対に守るから、と言われた。こう言う時、ものすごく心の支えになる。ライに会えるのは嬉しかった。けれどライに会って正気でいられるか自信がなかった。過去にされたことが今にも夢に出てきて泣いてしまうことがあったから。会ったらどうなるかなんとなくだがわかるだろう。それからはいつ来てもいいように誰かが俺の近くに居るようになった。電話がきてから3日が経つ。未だに来ないのに安心感を覚えつつある。ただライに対する感情は消えておらずフラれるかもしれない状況が苦手でたまらない。今日はマナがついてくれた。マナは面白く、常に笑わせようと話してくれるのはやはりコメディアンだと認識する。お昼ご飯を何にするか相談していた頃にインターホンが鳴る。3人が帰ってきたかと思ったが鍵を持っているので違うだろう。となれば誰なのか。珍しい訪問者でマナも驚く。マナが見に行くと席を外した間に美味しそうなご飯を某アプリで見る。「なんや。要件は」美味しそう、とほわほわしていた頭がマナの低い声によって消えた。普段は明るく高めの声で喋るマナにしては低く冷たいものだった。何故そこまで冷たい声を出すのか理由は明確だった。「星導に謝りに来た」久しぶりに聞く恋人の声。鼓動が早くなる。リトに“来ちゃった”と送るとすぐに返信が来る。すぐに駆けつけてくれるとの事で頼りになる。マナがライを2階に連れて行く。ソファーには俺の隣にマナが座り、俺はライと対峙するような形で座っていた。3人が帰ってくるまでは何も話さないようでヒリついた空気が流れる。暫くした頃3人が帰ってくる。「ただいまー!」なんていつもの明るい声はなくみんな顔が怒っておりあまり見ない見たことない表情に怯む。3人は俺の隣側に座りマナと俺を挟んだり1人席に座ったりしていた。より重い怒りに満ちた空気になる。
「なぁ、もう一度言う。要件はなんや」
マナが一番に口を開いた。先程と変わらない低く、冷たい声。
「星導に謝りに来ました」
ライが答える。星導、と名前を呼ばれて下げていた顔を上げる。
「ごめん。今まで。言い訳にしかならないとわかってるけど星導が任務終わりに気を使ってくれてたのもコラボ誘ってくれてたのも嬉しいはずなのに面倒くさくなって、イライラが溜まってあたってた。いっぱい痛い思いさせたと思う。謝っても許されないけれど、ごめん。」
そういいながら頭を下げる。なんて答えたらいいのかが分からない。
「るべくんは今後どうしたい」
答えのはずなのにその“今後”がよく分からない。俺とっての今後はみんなが居てこそだからライ1人に焦点を当てるのも難しい。ライとまだ一緒に居たい。けどそのことを体が拒む。またなにかされるかもしれないと体が言ってるから。分からない、その意味を込めて皆を見る。その時気がついた。ウェンが見たことないくらい冷たい目をしている、と。
「僕は信用出来ない。るベショウが心配。こうやって辛い思いしてここまで逃げてきたのも事実だし」
俺の視線に気がついたのか言った。たしかに一理あった。ああやって痛い思いをしたくない。やはりそれが強い思いだった。
「俺は…まだ一緒にいたい。けど、もう痛い思いをしたくない。ライが怖い」
声な酷く震えていたと思う。涙が出そうで下を向き手に力を込める。横に座っているリトが優しくてを包んでくれる。こういう時の安心感は異常だ。
「でもさ…その、ライとは友達でいたい」
ふと心で思ったことを口に出す。みんなは目を大きく見開きほんと?と聞き返してくる。本当に思ったこと。酷いことをしたとは言えど仲間かま一人減るのは違和感だった。先程から発言が途絶えたライの方を全員が向く。ライは目から大粒の涙を流していた。マナが少し心配を込めたような声でなんやと問う。星導が優しすぎるから、なんていいながら鼻を啜る。
後日、ヒーロー協会に全員が呼び出された。理由は明確。ライの対処についてだろう。俺の意見が最優先された。仲間とは一緒にいたいが怖い。そんな意見の結果暫くの謹慎となった。俺としては別にいい対応だった。でもその怖さは取れることは無い。もう、二度と起こらないのならば─
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後半雑になってしまいすいません‼️
ここでお知らせすべきなのなわかんないですけど4日後機種変するんで垢変わるかもです‼️
コメント
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嫌われ大好き
いや 、 ほんま 最高 。 語彙力と表現の仕方が大好きです🙃💕💕💕 垢変わるかもなんか … ( 変わった場合でも 仲良くしてくだせ ぇ 🥺