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「あの星が降る前に 君に好きと伝えたかった」
⚠旧国注意⚠
甘酸っぱい少女漫画みたいな恋愛ものではありません。
戦争賛美や肯定をするものではございません。
あくまでも、物語、フィクションとしてお楽しみください。
登場人物
日帝 一人称 私 二人称及びアメリカの呼び方 此奴(こいつ)其奴(そいつ)彼奴(あいつ)お前
アメリカ(米) 一人称 オレ 二人称及び日帝の呼び方 お前 日帝
1945.8.5
目眩がする暑さが身に纏わりつく、午後を少し過ぎた頃。
八月の青空はまた、懐かしく瞬きのように早く流れていく。
ゆっくりと服に染み込んでいく汗が現実を確かめさせてくる。
日「あぁ…最期の夏かもな…」
なんとなく、そんな氣がした。
道端で遊ぶ子供は、「天皇陛下万歳!!」と叫びながら、特攻兵の真似をしている。
その子供達は私を見ると、無垢な笑みで敬礼をした。
日「…」
私も敬礼を返したが私は笑えているだろうか?
胸が締め付けられるような感覚に、その場を後にした。
「御國のため、御國のため」
その言葉が頭の中で何度も繰り返される。
黒い感情が心に渦を巻く。
日「『まだ大丈夫』」
壊れる、崩れる寸前の自分を皆に見せない、見せるわけにはいかない。
私は『大日本帝國』。
決して、悪に挫いてはならない。
自分にそう言い聞かせ、もう花が散り、葉が付いた櫻の木の根もとに座り込んだ。
日「…っ」
押し潰されそうな程の期待を背負ってきた。
重すぎた。
私はその期待に、答えられそうになかった。
そうやって、今日は何事も無く幕を閉じた。
1945.8.6
ある朝の出来事だった。
鍛錬をしていた、午前八時十五分。
体を内側から突き刺すような、痛みが全身に走った。
日「っ!??…あ゙、っ…な゙、なんだ…?」
思わずその場に崩れ落ちてしまう。
内臓を抉るような、肉を鋭利な物で貫通させるような痛みと恐怖で息ができない。
日「ヒュッ、ヒューッ、ゲホッゲホッ」
背中に冷や汗をかき、視界は歪み正気を保っていられるはずが無かった。
その時、何者かが大きな影を落とした。
?「…大丈夫か?」
こんな私を見て、簡素に言うと其奴は「冷静過ぎた」。
氷のような群青色の瞳で私を見下ろしていた。
首を振る力も無い私を、ひょいと其奴は抱き上げて近くにあった、木の陰に移動させた。
?「落ち着け、どうした?」
日「………っ、」
視界の端に星が散り、視界は激しく点滅し、目の焦点も合わなかった。
?「落ち着け、大丈夫だ。安心しろ」
そう言って震える私を其奴は抱きしめた。
気づけば呼吸も落ち着き、私は正常を取り戻していた。
日「…何者かは知らぬが、感謝する」
?「…ははっ、そんなこと言うなよ〜、オレ大したことしてないし。」
其奴は先程の冷酷な表情が嘘だったように、歯を見せて笑った。
日「そうか。ところで名前は?私は大日本帝國。」
?「……っ!!」
「その名前に心当たりがある。」と其奴は顔で語っていた。
?「………オレは、ただの旅人さ。名も名乗るようなヤツじゃない。」
笑顔には種類があるという。でも、其奴は苦しそうに悲しそうに笑った。
いや、笑顔を作った。
?「あ。お前の名前長いから日帝って呼ばせてもらうわ」
日「自由にするといい」
今日は其奴と一日中過ごした。
其奴は人から好かれやすいようで、すぐに國民と仲良くなっていた。
ただ、身長が我々の倍あるということに、皆驚いていた。
……まだ今朝のが、夜になっても脈打つように痛む。痛みで今日は寝れなかった。
1945.8.7
そういえば此奴はいつまで居るのだろう。
勝手に家にあがっては、我が家のように過ごしている。
あと、玄関で履物を脱がないとは、非常識だな。
いや、旅人と言っていたから習慣が違うのは当たり前か。
其奴は今も私の横で、気味が悪い笑顔で朝食を作っているのを見つめている。
日「…なんだ?和食がそんなに珍しいか?」
?「いや?美味しそうだなーって。」
日「そうか。」
其奴はお腹が空いて、食事が待ち切れない子供のように目を輝かせた。
背丈は大きいが、言動は幼く子供っぽいので、少し笑ってしまった。
?「あ、日帝笑ったな!?…あーあ、日帝がMy honeyになってくれたらな〜」
日「ん?」
まい はにー。聞き慣れない言葉。此奴が旅先で知った言語だろうか?
?「あ、なんでもない」
此奴は普段は強めの口調なのに、少し勢いが弱まったため反射的に其奴の方を振り向いた。
?「え、あ、ちょ、何?そんなにジロジロ見るなよ…//」
氣のせいだろうか?少し顔が赤みがかっていた。
日「お前、熱か?」
額を触ろうとすると、
?「っ!??もう、放っておいてくれ!!///」
彼奴は逃げ足だけは、速いようだ。でも、あんなに走れるのなら心配いらないな。
また数分経つと、焼き鮭の匂いを嗅ぎつけたのか、風のように颯爽と駆けつけた。
日「おい、いただきますを言うのを忘れているぞ?」
?「…?あぁ、食事をする時の挨拶か。いただきまーす!」
黙々と朝食を食べている其奴は意外と、礼儀正しいということに氣付いた。
箸も丁寧に使えるし、食事の仕方への細心の注意を払っている。
?「なんだよ?オレが食事してるだけで見惚れてるんのか?」
日「んな訳あるか、馬鹿」
?「ば、バカだって!?ひどい!!オレ、傷ついた!!」
なんでも大袈裟に反応する、此奴を見てるとなぜか、笑いが込み上げてくる。
日「…ふふっ、面白いな。お前は。」
真っ直ぐに其奴の瞳を見つめると、顔がみるみると、赤くなっていく。
?「もういいし!!アタシのこと、イジワルして楽しむなんてサイテーよ!!//(裏声)」
日「はいはい、ごめんなさいねー」
こんな時でも、体の中には痛みの種が大きくなっていく。
?「……ていうか、日帝。お前、寝不足か?」
日「…嗚呼。よく氣がついたな」
?「そりゃあ、一緒に居るから気づくだろ!!よし、寝るぞ!!」
そう言って此奴は、私の腕を引っ張って寝床につかせようとする。
日「おいおいおい、まだ午前だぞ!?それに、さっき日が昇ったばかり…!!」
?「知らん!!オレは日帝のために気を使ってるんだぞ!!寝ろ!!」
無理矢理、布団の中に押し込められると、出られないように上から覆いかぶさってきた。
日「お、おい…邪魔なんだが…重い…」
?「日帝が寝るまで、オレは退かない!!」
日「はぁ…寝れるわけないだろう?」
?「……」
すると其奴は何か考えるように、黙り込むと思いついたように口を開いた。
?「If could go back.Just for a night.I would see the future & I’d make it alright.」
(もし戻れたら、一晩だけ未来を見るんだ。上手くいくような未来を。)
日「?」
?「Oh, darling, if life was a movie I’d hit rewind. Imagine if l knew how to turn back time.」
(ダーリン、もし人生が映画だったら、僕は巻き戻すよ。もし時間を巻き戻す方法を知っていたらなって想像する)
今までに無い、優しげな歌声と笑顔に思わず驚いてしまった。
なんと言っているかは分からないが、いつの間にか頬を涙が伝っていた。
?「おいおい…泣くなよ。子守唄(?)を歌ってあげようとしたのに…」
だけれど、改めて状況を見てみると色々おかしかった。
日「おい、そろそろ降りろ。重たい。潰れる」
?「ひっど、そんな重たいか!?オレ!?」
日「……」
首がもぎ取れる勢いで、縦に首を振った。
?「ひどっ!!?まぁ、いいや。おやすみ」
日「おやすみ」
彼奴は相手にされなくて拗ねたのか、どこかへいってしまった。
その日は寝るだけで一日が潰れた。
続く
コメント
1件
はーい、この年は1945年ですね!!?気づくことありますね!!言いませんけど。 ちなみに、小ネタ?を散らばせておりますので気付いてください!!考察して!! あと、後半にアメリカが言っていた歌、「Imagine if」という私が好きな曲です。 あ、一話完結って言っていたのに、前半後半になってすみませんでした!!